SIDE STORY 麻美ver PART2
修学旅行に優希は来なかった。少し寂しかった。ラジオの仕事が入っているのだ。凛と2人でお土産を選んでいた。
「気にすることないて。」
「別に気にしてないよ。」
そんな中、私たちの所に塁が走ってきた。
「2人とも大変だ。」
「どないしてん?」
「今、優希のラジオの生放送を聴いていたんだけど...麻美のことカミングアウトした。」
どういうこと?
「それだけならまだいいんだけれど...それをクラスの半分以上の人が聴いていたんだ。」
私と凛は何も言えなかった。その夜、涙が出た。
学校に戻ってきて優希とだいぶ気まずい関係になった。そんな中、優希を屋上に呼んだ。
「何で私なの?」
「何でって…。」
「もう話したくない。だからお願い、もう関わらないで。」
本当はそんなこと思っていないのに。何も言えなかったから私は教室に戻った。
卒業式前に卒業アルバムが届いた。私はアルバムの男子人気投票にさりげなく優希に投票した。皆、優希の名前が呼ばれたとき驚いた。卒業式の前日、凛と買い物に出かけた。
「私これいいのかな?」
「知らんて。」
そうだよね…。
「あっ、これ優希に似合うやんな。」
「凛は優希のこと本気で好きなんだね。」
「麻美は優希のことどう思っているん?」
「………。」
私は何も言えなかった。
私たちは中学校3年生になった。中学校3年間同じクラスなのにほとんど話ができていない。だんだん大人になる優希を見て私から離れていくようで怖かった。そこで私は手紙を書いてデートに誘おうとした。
“言いたいことがある。ゴミ倉庫に来て。”
具体性が無かったかな。それにあっけなくスルーされたし…。私嫌われた…。
高校受験も終わり、中学校も卒業も間近だ。今日は卒業式。優希に会える最後のチャンス。私、優希に告白する。
「皆卒業おめでとう。先生嬉しいよ。」
そんなことどうでもいいから、速く優希に思いを…。
「...それでは解散。」
今だ。
「優希、少し時間大丈夫?」
その時だった。
「そうだ、熊谷。先生と一緒に職員室に来てくれ。」
はっ?嘘でしょ?私は先生に連れて行かれた。職員室から出た後、私は1人で大泣きした。 続く




