最終話 ずーと一緒
麻美の告白をして2年が経った。僕は民放キー局のアナウンサーになることができた。祝賀会じゃないけどパーティを仲間内で開いた。
「目標が叶ったね。原田アナ。」
明日香さんが心から祝ってくれた。そもそも明日香さん主催の祝賀会だ。
「まだ早いですよ。内定の段階ですから。これから練習しっかりしなくちゃです。」
「何や優希、麻美のことは忘れたんか?」
パーティには凛・塁そして何故か千尋先輩がいた。あれ麻美はどこに行ったの?
「忘れる訳無いだろ、婚約者なんだし。」
「ほんまにおめでとー。」
凛は笑顔で言った。そして僕の腕を引っ張り小さな声で言った。
「家のことは大丈夫なん?」
「もう大丈夫だよ。縁は切ってきた。」
「ならええねんけど。まあ幸せになってな。」
明日香さんがマイクを持って話を始めた。
「皆さんステージのご注目ください。熊谷麻美改め原田麻美さんのウェディングドレスのお披露目です。どうぞ。」
ステージの横から麻美が出てきた。綺麗なドレスだ。僕は結婚するんだなと改めて実感した。麻美はマイクを持って話し始めた。
「皆さん、私は優希と結婚で来て幸せです。こんなに私を愛してくれる人は優希だけです。優希ーーーーーー。大好きーーーーーーーー。」
僕は躊躇なくこう言った。
「俺は愛しているぞーーーーーーーーー。」
幸せになります。
その夜、2人で小学校の時の教室にいった。
「懐かしいね。俺の席確かここだな。」
「ということは私はその隣。」
2人で笑いながら席に着いた。
「これからアナウンサーの仕事で生活に負担を掛けるけど、俺を支えてくれ。」
「分かりました。あなた。」
“あなた”だとさ。照れるなー。
「ここまで来るのに10年掛かったね。」
「俺はこれでいいと思うよ。10年があったから結婚できるわけだし。」
「そうだね。大事にしてよね。」
「ああ。」
“愛しているよ”と呟きながら麻美を抱きしめた。 終わり




