第1話 運命が動き出す
それは僕が小学校の時だった。クラス替えで初めて隣に座っていた女の子を好きになった。というより、運命を感じた。
ザワザワザワ。新しいクラスの教室で僕は溜息をついた。
「俺またD組かよ。」
「良かったー。また一緒やで優希。」
僕の名前は原田優希。県内でタレント活動をしている。CMやったり、5分間のミニドラマをやったり。他の人から言わせてみればエリートだ。仕事もちゃんとしてるけど学校にも行っている。あっ、でもタレントだけども全く女の子にはモテないの。
「優希、クラスのみんなの名前覚えや。あんた覚えへんから。」
「わかってるよ。」
こいつは僕の幼馴染の関凛。同じマンションに住んでいて毎日一緒に学校に行っている。別に好きになったことはないし、お互い恋愛対象としては見ていない。バリバリの関西人だ。
「ほんならー、隣の席の子の名前答えてみ。」
「分かんない。後で話しかけてみる…たぶん。」
「多分って何やねん。1人で座っとるしカワイイから行ってきや。」
凛は僕の背中をポンと叩いた。
友達になるいい機会だ。そう思いながら彼女の隣に行った。まさかこれから僕の人生が変わるとも知らずに。そしてこれは、あくまでも物語の序章に過ぎない。 続く