表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
だいありー  作者: 月夜 風花
廊下の放課後
2/4

2話目




「あ。」

誰もいない静かな校舎。まさかここに人がいると思わなかったからビビった。足音聞こえなかったって。しかも出会ったのは同じクラブの女子のモカだし。俺、思わず声を出してしまったし(笑)なんか、気まずいって。

「あ、おぉ?」

モカが訳分からんことを言い出した。どうやらモカの方も予測してなかったようだ。

あれか。驚きのあまり声が出ないとか言うやつ?

俺とモカは向きあった状況。お互い静止。いや、困った。どうした、この状況。

俺あまりクラブの女子と関わらないようにしてるから。特にそれに深い意味はないけど。強いて言えばなんか嫌なかんじの人がいるから。ほら。自意識過剰じゃなくても分かるようなかんじで、俺のことをキャーキャーいう女子とかさ。え、分からない?(笑)まぁ、べつに。あ、モカはそういうのと違うけど。でもあんまモカとしゃべってないし。

うー。なんか、さっき先生にわーわー言われたから頭が痛い。上手く思考回路が回らないぞ。

「えと、なんでここにいるの?」

俺がいろいろ困ってたら助け舟。モカが話かけてくれた。

「俺が?」

我ながら情けないことを言っている。俺じゃなかったら誰だよ。

「うん。クラブないし、一人で何してるのかと。」

「あーちょっと、」

言葉を濁す。なんとなく言いたくなかった。んー、何でだ?特に理由が思いつかない。じゃあ言ってもいいや。モカだし。

「先生に呼ばれてて。今終わったとこ。」

手を上げて持ってたプリントを振ってみる。うん、グシャグシャになった。

「それ、数学?」

「うん。」

「そんなに数学苦手なの?」

「うん。」

そーいえば、前に数学のテスト俺欠ったーってモカに言ってたな。おー、意外とモカと話してたんだ。俺。

手のプリントを見る。基本的なことだって先生に言われたけど。

「見せてー。」

モカは賢いって言ってたなー。モカと同じクラスのやつが。そんなこと言うあいつも賢かったけど。

「ふふっ。」

モカに笑われた。え、いや何で?

「これくらいすぐに終わるって!!頑張っ(笑)」

あ、思い出した。モカは一度、数学で学年トップを取ったらしいんだった。

「俺は無理やー。」

「がんばー!!なんなら教えたろーか?(笑)」

嫌味か。笑いながら言うとか。

「いや、いいです。遠慮します。」

でも前一緒に勉強したことあったな。何人もいたうちの一人だったけど。結構教えるの上手かったぽかったし。

「あ、でも頼むかもしれない。」

「かもしれない?」

「うん。」

「りょーっかい!!」

さて。今の確認は何の意味があったのか。モカって、ちと謎いんだよねー。

「んじゃまた、あ、し、た?」

何故そこで迷うんだよ。明日も普通に学校で授業あるからな。クラス違うとは言え、明日はクラブあるからな。何故、明日って言うのに迷うんだ、モカ。やはりモカは謎い。

「おー、じゃあまた明日ー。」

「おー。」

さてさて。モカと別れて。もう一度見る。手の中でくしゃくしゃになったプリント。マジで数学苦手だー。あれ。俺何してたんだっけ?

あー思い出した。俺は人探ししてたんだ。

クラブないからクラブのやつと遊ぼうと思ってね。俺が呼び出されたから、それが終わってから行くことにしたんだけど。そいつが待ってるはず場所にいなかったんで。

モカに聞いたら何か知ってたかな?てかモカはモカで何してるわけだ。人には聞いといて。

俺は前を歩くモカを見ながら思った。ん?前を歩く?どうやら行く方向が同じみたいだ。もしかしてトイレか。俺は人探しでトイレに行くけど。

俺の予想的中。モカは俺が後ろにいるのに気づいてて、振り返って微笑した。そしてそのままトイレに入っていった。俺は俺で微笑しかえして。それからトイレに入った。

もちろん、俺は男子トイレでモカは女子トイレ。っていちいち言わなくていいな(笑)

そして結論。そこに俺の探してるやつはいなかった。何処にいるだよ。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ