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だいありー  作者: 月夜 風花
廊下の放課後
1/4

1話目

外は雨。その所為もあって、放課後の廊下は薄暗くて気味が悪い。

コツン、コツン。

吹奏楽部も今日は休みなんだろうか。校舎内はやけに静かで自分の足音が妙に耳につく。遠くからは何処かの運動部の声が聞こえる。雨なのに。筋トレでもしてるのかな。お疲れなことだ。

「うーっ!!」

廊下に誰もいないことを確認して伸びをする。みっともない顔になってることだろう。でも気にしない。誰も見てないし。見られてたら最悪だけど。

「あーあ。疲れたー。わー。」

一人で騒いでみる。凝った肩を回しながら廊下の角を曲がるとまさかのハプニング。人とすれ違った。え、最悪。今の独り言聞かれた?絶対聞かれた。うっわー、恥ずかしい。いい加減、一人でしゃべってしまう癖を治した方がいいのかもしれない。

しかーし。問題だ。本当に肩凝った。肩回してもあまり効果ないよ。うー、疲れた。

「先生、話なーがいんだってー。」

独り言で文句を言う。また一人でしゃべってる。治らんねー。わはははー。ばかかかー。のほほほー。

とうとう疲れた頭が故障したらしい。早く帰ろう。てか、もともとはそのつもりだったし。

今日は自分のクラブは休みだった。理由は聞いたけど忘れた。なんか先生がどうちゃらこうちゃら。んー、なんだったっけ?

まぁ、ともかく放課後のクラブがないのだ。だから早く帰って地元の友達と遊ぼうかと思っていたのに。

放課後、担任に呼び出されてしまった。がっびょーん(棒読み)。

授業中に携帯してたから。嘘です。漫画没収ー。嘘です。前回のテストが悪かったから。嘘です。あ、それは本当だ。でもそれが理由なわけじゃない。クラス全員しなきゃいけないんです。

なんか、面談とかいうやつ?担任と二者で。それで順番に呼ばれてるんだけど。何故かクラブのない放課後に順番が来たらしい。運のない人がここにいます。まったく酷い話だ。クラブのある日だったら良かったのに。そしたら遅れていける。あれ、違うか(笑)

コツッ、コツッ。

歩くスピードを上げてみる。なにしろ友達を待たしてるんだ。そう、待たしてなうだ。面談に行ってくるーと言ってからかれこれ30分はたってるんじゃないか、と不安になる。もう友達は帰っちゃったかな?てか悪いことしたな。そんなに待たせるなんて思ってなかったから待っててって言ってしまったのに。だって面談は5分だと聞いていたから。

何が5分じゃい!!普通に6倍もかかったわい!!むー。あのお喋りばばぁ。あれが担任なんて、おら泣くよ(笑)

内心で散々わめいて(お、一人しゃべりの癖治ったか!?)目的地に到着しましたー。荷物と友達のいる教室。

ガラガラー。

開けてみてビックリ。荷物はあるのに人の気なし。あらら?

「あれー?いませんかー?」

友達の名前を呼ぶ。もちろん応答なし。

「さてさて。帰りはったんかなー?」

また独り言が復活。

「でもあいつのリュックだよね、コレ。」

トイレでも行ってるのかな?とりあえず入ったばかりの教室だが、また出てみる。

「うわっ!?」

声を出してしまって後悔。慌てて手で口を抑えたけど、口から出た声は戻らなかった。代わりに口に入ってきた空気を飲んでしまった。ゲップが出そう。ここでこんなこと考えるから女子力が低いというわけか(笑)わっはっはー。

また話がずれた。

教室から出た途端にまたハプニング。人と遭遇。しかも今度は知ってる人。ていうか、同じクラブの男子のイノなんだけどー。

「あ。」

イノも思わず声を出したっていう顔をしてる。

お互い声も出して目も合ったうえに、行動を一時停止してしまっている。このまま無言になかったことにできる雰囲気じゃないでしょ。コレ。

んー。どうしたものか。あまりイノとしゃべりたくなかったりあったりしなかったりしたりたりたりたり。




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