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その4
「おはよ」
「……」
「どうしたの」
「お前、何か隠してないか」
「孝のプリンたべちゃったこと?」
「食べたのはお前か。や、そうじゃなくてだ」
「孝のCDかりたままにしてること?」
「無くなってたと思ってたら…って、それでもなくてだな」
「えーとあ、孝の」
「………雪、お前俺にいくつ隠してることあるんだ?」
「いっぱい」
「……っ笑うな」
「だって」
「だってじゃない、他に言うことは」
「なんで黙ってた、帰ること」
「あれ?わたし言ったっけ?」
「聞いてない。何で黙ってた」
「だって一週間でもどってくるよ?」
「一週、間……」
「うん。正式にわかれることになったから荷物整理しに」
「わか、れる?誰が」
「おやが」
「親か」
「うん」
「そうか」
「うん」
「お前は、大丈夫か」
「孝がいれば大丈夫」
「そうか、悪かった」
「孝……?」
「いなくなるかと思った」
「いなくならないよ」
「うん」
「ずっといる、孝といる」
「いろ、ここに居ろ」
「うん」
「俺も行く」
「どこに」
「お前の実家」
「なんで」
「挨拶」
「あいさつ」
「荷物整理の手伝いもな」
「ありがとう」
「あと、離れたくない」
「…」
「だめ、か?」
「だめじゃない。うれしい」
「そうか」
「うん」
「じゃあ宜しく」
「こちらこそ、よろしく」




