Number5
「よしっ!遊ぶぞー!!」
朋香は大声で宣言した。
宣言などしなくても遊ぶことはみんな百も承知だ。
今日は『美羽と昴のラブラブ大作戦』実行日。
「まずは、ゲームセンター行こう!!」
朋香には作戦があった。
すると、翔太が小声で話しかけてきた。
「ゲーセンで何するんだ?」
「プリクラ撮んの!」
「プリクラ!?何する気だ?」
「それは、後で説明するからっ!」
美羽と昴は、少し朋香と翔太のヒソヒソ話を気にかけていたが、『気にしない!気にしない!』と、朋香が強引にゲームセンターに引っ張っていった。
「よしっ!プリクラ撮ろう!」
「いいなそれ!記念になっ!」
あたかも、今思いついた朋香の提案に翔太が賛成するという演技をこなす2人。
「な?昴!いいだろ?」
「・・・・・・別にいいけど。」
昴から了承を得た。
もちろん美羽からも。
「うん!撮ろ!撮ろ!」
そして、『どれにしようかなー?』と、プリクラ機を探すふりをしながら会議をする、朋香と翔太。
「まずね、1回目は普通に撮るの!そして2回目は『あ!10円落ちてる!』とか何とか言って、しゃがむの!もちろん、私達は両端ね!」
「お!良い考え!!よしっ!」
2人は何回か練習した。
その場でしゃがみ込む練習を。
プリクラは人気があり、なかなか空かないのでそれくらいの時間はある。
周囲の人からは変な目で見られて恥ずかしかったが、親友のため!そう思い練習を続けること10分。
「朋香ー!朝比奈君達ー!空いてるよー!!」
と、美羽の声がした。
「「よしっ!」」
2人は気合いを入れ、その場に向かった。
「ねぇ、朋香と翔太君、何しゃがんだり立ったりしてたの?」
「「え!?」」
(見られてたのねー・・・)
その中、沈黙を守る昴。
そんなに無口ではないのだか、今日は静かだ。
何だかんだ1回目が終わり、2回目がやって来た。
(がんばってーいきまーっしょい!しょい!)
『撮るよー3.2.1!」
朋香と翔太はタイミングよくしゃがむ。
「あ、お金落とし―――――・・・」
『あ、お金落とした』と言い、しゃがもうとすると、
「・・・え?」
「と、朋香?」
朋香と翔太がちょっとぬけた声は発した。
昴が朋香の腕を引っ張って、美羽と昴と朋香の3人で撮る形になってしまったのだ。
(な、何?)
「す、昴・・・。お前・・・」
続きます!




