Number15
「ん?メール・・・?」
ある日の夜、朋香に一通のメールが届いた。
美羽からだ。
「・・・・・・はぁ」
朋香は、ため息をついた。
すぐそばにあったコーヒーを飲み干した後、メールを読む覚悟をした。
「・・・よしっ!」
(えっと・・・。)
『朋香。案の定ふられた。まぁ、同然だよね・・・。あんまり話したことなかったし。親しいとも言えなかったし。・・・これまで、いろいろしてくれてありがとう。』
(・・・ふられた・・・?)
「朋香ちゃん!今度、遊園地行かない?」
雪が朝っぱらから楽しそうに話しかけてくる。
朋香は、このイヤな気分を少しでも和らげるにはいいと思い。
「うん。行こうか。」
「チケットはね~、3枚あるんだけど。2人で1枚だから、6人行けるよ!」
朋香は6人と聞いて、このメンバーがふと出てきた。
朋香、雪、美羽、昴、翔太、優斗だ。
正直、今の朋香には、いいメンバーとは言えないが、チケットがもったいないと思い、誘おうと雪に提案した。
「うん。いいよ!」
案の定OKした。
(お金ないけど・・・いいか・・・。何もかも忘れて、楽しもーっと・・)
その後、優斗は最初は断ったが、最終的にOKしてくれた。
そして、2週間後。
「遅い!翔太!昴!」
「ご、ごめんごめん朋香・・・。昨日塾で疲れてたんだよ・・・」
朋香は、いつも子変わらない態度で接するように心がけることにした。
美羽にも。もちろん昴にも。
「今日は、楽しみましょう!」
雪は張り切っている。
遊園地は、あまり来たことがなかったのだという。
「ねぇ」
美羽が今日、初めて口を開いた。
その内容は・・・
「はい、わりばし!これで1人2組になって、どこが一番多く回れるか競争しよう!」
いつもどうりの美羽に見えたが、朋香と一緒で忘れたいんだろう。
「この割り箸には、番号が書いてあるから!はい!引いて!」
みんなは、順番に引いていく。
結果は、朋香と昴が1、雪と翔太が2、美羽と優斗が3になった。
美羽と優斗とは以外な組み合わせになったものだ。
「よっしっ!タイムリミットは、午後6時!よ~い・・・始め!」
美羽の合図と共に、どの組も動き出す。




