4 魔導師4人衆
遥か天空の彼方。
神界と元素のはざまに。
蒼き星が輝いている。
このラピスラズリの星に。
魔導師四人衆は暮らしている。
四人衆の名は。
シップ、ゲイル、クロス、イレーズという。
彼らは穢れなき透明感を身に纏う。
非の打ちどころのない天才である。
突出した技能を有したエキスパートである。
この上なき美しき男たちである。
未来型『ネオ・ヒューマン』である。
魔導師四人衆とは。
非常に冷厳冷淡。
過激な性質だ。
愚かしさを繰り返す人間という生命体を嫌忌している。
未來王と魔導師には。
其々に甚深たる絆がある。
それゆえ。
彼らが跪拝するのは『未來王』ただひとり……。
しかし。
未來王の性質はさらり、としている。
だから時として素っ気ない。
往々にして塩対応される。
けれども。
彼らは全然めげない。
一心に王を追いかける。
ひたすらに乞い慕う。
未來王は嘆いている。
止まぬ愚行蛮行。
虚偽虚言。
凌辱罪咎……。
王は休むことなく掬いの道筋を模索している。
没落を食い止めようと足掻いている。
王が諦めていないならば!
我ら魔導師が成すべきことはただひとつ!
この力のすべて、注ぎ尽くすまで……!
近過去において。
新時代が幕を開けた。
未來王が統治者となられた。
ようやく六世界は球体になった
神々は連携した。
心ひとつになった。
天界冥界は刹那的に和解している。
そして。
六世界合同行事が可能になった。
年に一度。
『神池の掬い』が執行される。
神々は心待ちにしている。
奈落の底の住人は心待ちにしている。
七月の満月。
スーパーバックムーンの夜を…………。




