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寂しがり屋なオオカミくん

作者: 杉本夜

僕は大きなオオカミ。たくさんの動物たちやお花たちが暮らす、大きな森に住んでいる。


 そんな僕には悩みがある。

 みんなとお話がしたい。だけど、大きな体をしている、クマくんや、パンダくんやゴリラくんはどうしても怖くて話すことが出来ないんだ。


 だから、小さいリスさんやうさぎさんと話そうとするけど、僕の見た目のせいで、誰も近寄ろうとはしてくれない。


 この見た目のおかげでみんなが食料を渡してくれるから、食料は困らないけど、どうしても寂しい。


 今日も頑張って話しかけようとしたけど、避けられてしまった。僕は疲れて、寝床で横になり、目を瞑った。




 気がつくと、森は朝になっていた。

 しかし、不思議な事が起こっている。

 うさぎさんやリスさん。クマくんやパンダくんゴリラくんが僕の周りを囲んでいる。


 僕が意味が分からず、ポカンとしていると、クマくんが話しかけてくれる。


「おはよう。オオカミくん! 今日はみんなでピクニックするんだから、早く準備しないと!」


 僕は、これは夢だと思った。

 ピクニックをする約束なんてしていないからだ。でも、いつも怖いクマくんが今日はとても優しく見えた。


 準備中に聞いた話だが、僕がいつになっても起きないから、みんなが起こしに来てくれたらしい。




 ピクニックはとても楽しかった。

 うさぎさんが作って来てくれたお弁当を食べて。全員とたくさんお話をした。

 僕は気づいたのだ。クマくんやパンダくんやゴリラくんは怖い動物でもなんでもなかった。


 見た目で判断されたくなかった僕は、みんなを見た目で判断していたのだ。

 僕は夢から覚めたら、みんなに話しかけようと思った。


 目が覚めると、朝になっていた。

 辺りを見回すと、昨日話しかけた、うさぎさんやリスさんが僕の事を覗いている。


「おはよう。一緒にお話しでもしない?」





 僕は大きなオオカミ。たくさんの動物たちやお花たちが暮らす、大きな森に住んでいる。もう僕は寂しくない。


「ほら! オオカミくん。急がないとピクニックに遅れちゃうよ!」


 僕はクマくんに急かされ、急いで準備を始めた。

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