私では駄目?
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
恋愛です。R15では無いですが、『当社比』ベッタベタな甘さでお届けしてます。
「いらっしゃい」
「お久しぶりです。三緒様」
久方ぶりに三緒様にお会いした。美丈夫で有名で、今生もなお、その白の顏を惜しみなく晒す。睫毛なんて私の二倍近くふっさりとし、地に向かって垂らした白髪は輝きを放っていた。本当に綺麗な神様。それは高々数ヶ月程度で衰える様なものではなく、寧ろ日に日に輝きを増していた。
あんまり会いたくない。と言えば大変失礼。しかし、その浅葱の瞳にまじまじと自分を映されると、何だか物凄く惨めな気持ちになって、直ぐにでも逃げ出したくなった。
今日だって、優美に笑って私の行動をひっそりと観察している。いたたまれない。
「あの……ではこれにて……」
これで終わる筈だった。決して強引に事を進める様な真似はしないし、惚れた腫れたの関係になったら、想い人と共に静かに時を共にする、そんな御仁。けれども今日は別。立ち去ろうとする私の手を掴み、その場で引き止めている。
「君から三狐神様の匂いがする」
「前に立ち寄ったので……」
そのまま自分の元へと引き寄せると、すっぽりと自らの腕の中に閉じ込めた。頭一個分高い身長を折り曲げて、すすっと顔を近付ける。何時もならば、私が距離を取って逃げ出していたので、こうはならなかった。けれども今は、しっかりと体の中に閉じ込められ、身動きが取れない。
出来る事と言えば、距離感ゼロの状態で俯く事。どうしたって胸に擦り寄る状態。
「三狐神様とは口吸いさえ許してくれるのに、私ではどうして駄目なのかな?」
三狐神様は拒否権など与えてくれないだけです……。
「よもや、今までの努力では足りなかったとか?」
あ、もう十分です。十分伝わっています。はい。寧ろ袖にした事を咎められるレベルです。
「それはいけない事をしたね。顔を上げてくれるかい? 私も三狐神様の様に、君と口吸いがしたい」
「もう十分ですので……」
消え入る声で囁くと、後ろに回っていた手が顔を包む。頬に灯っていた熱が、三緒様の掌に移っていく。それでもなお、頬の熱さは冷めなかった。
三緒様は無理矢理顔を上げる様な真似はしなかった。ただ黙ってそうして、優しく顔を包んでくれていた。
「あんまり逃げないで欲しいな。傷付くから」
「善処します……」
「逃げたら今度こそ、口吸いしてしまうね」
ご勘弁を……。気絶してしまいます。
三緒様の愛情表現が一番愛という言葉に相応しいなと。
気付いて貰えなくとも、見返りを求めないし。
気付いて自分に笑顔を向けてくれるだけで満たされる。
そんな方なので。
なんなら、気が付いてくれて有難う。見てくれて有難う。と言いかねないレベルの謙虚な愛なので。
書きたい( '-' ) でも長編になりますね。
まぁ、もっとみて欲しい。でも片鱗見せてますけども。
『君が今、懸命に縁を結んでも、今あの子の中にあるのは別の神様だ。眼中に無いんだよ』
『それでも……。それでも気が付いて欲しいだけなのです。ただ私の顔を見て、笑いかけて欲しいだけなのです』
という台詞を入れたいだけ。
綺麗な顔の人は見られる為にある。
私という、平凡な顏など目に映す必要も無い。
その目に翳りが差す。
とか思ってて欲しい。
まぁ、長編で結ばれる話もあるんですけど。相手違います。
渡みたいな子です。
神様の話は全て『もしも』の話。
だから解釈違い!! 凄い解釈違い!!
でも三緒様に『愛情わからせ』させたらこうなって欲しいという願望。
最近ハマったのです。このジャンル。別の子達でも描きたい程に。