表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

7/168

7.Lv上げに注意しろ

「今更ながらですが、私は桐嶋心結と申します」


柴犬メイドさんに、自己紹介をしてみる。

挨拶は基本!大事!


「キリシマミューウ様?」


「み・ゆ・うです」


「ミューウ様」


どうやら心結という発音は、難しいらしい。


「申し訳ございません。

正しい発音が難しいみたいです。

ミュー様とお呼びしても、宜しいでしょうか?」


耳が後ろに折れて下がりプルプルと震えている。

しかもリス尻尾も元気がなくなり下にさがっている。


(可愛いな……。お耳プルプル!猛烈にモフりたいわ)


「いいですよ」


モフモフ心を抑えつつ、優しく微笑みながら頷く。


「ミュー様」


(ハニカミながら私の名前を呼ぶワンコ!!

ディーヤの可愛さ国宝級だわ)


今頭を!

そして喉元のモフモフの毛を!

モフらなくてどうする!!


今こそモフモフスキーの力を発揮しなくてどうする。


わしゃわしゃ……なでくりなでくり……。

思わず無意識にディーヤの頭を撫でていた……。

煩悩のまま無心に撫で続けていた心結であった。


「キューン」


困ったような声が、下から聞こえる。


顔を真っ赤にして、恥ずかしそうに潤んだ瞳で

耐えているディーヤの姿が目に飛び込んできた。


「……!!ごめんなさい。

ついディーヤが余りにも可愛くて」


(やってしまった!どうしよう。

初対面なのに、あぁぁぁぁ。

ある意味セクハラだよぉぉぉ!)


心結は頭を抱えた。

どきどきしながらディーヤをチラ見すると……


「大丈夫です。少し驚いただけですから」


目を見開いて軽く固まっているが怒ってはいないようだ。


ホッと胸を撫でおろす心結。

つい実家で飼っていた柴ワンコに対するノリで

なでくりまわしてしまった。

習慣って恐ろしい……。


そんな折、ディーヤが思いがけないことを言った。


「でも……頭を撫でてくださっていたミュー様の手が

優しくてなんだかとても癒されました」


何故かほっこり顔のディーヤがそこにいた。


(よかった……セクハラ案件にならなくて)


と、唐突に、心結の頭の中に声が響いた。


【ワオーン~キューンキューン 


称号:無類のモフモフスキーの()()()()()()6()()()()()()


スキル:動物魅了 Lv.1を手に入れた。】


なんだって!!変態レベル上がっちゃったよ……。

己の本能のまま、モフモフしちゃうとあがるのか!?


もしそうならば、結構簡単にレベルあがるかも。

モフモフには抗えない……。


気を付けないと。

気を引き締めないと、うん。

大丈夫か私!?


心結は誰に言うわけでもなく、自問自答をしていた。


あと、軽くスルーしちゃったけど

レベル上がりましたの効果音もおかしいから。


何故に犬の甘え声。


犬のキューン鳴きからの上目遣いは兵器!!

人をダメにする攻撃の一つだよ。

私は何回もクリティカルヒットを喰らっているよ!


(動物の可愛い鳴き声がデフォルトの効果音なのかしら。

それならば、次にレベルが上がるときが若干楽しみだ)


反省の色がみえませんが、大丈夫でしょうか!?(女神様談)


動物魅了のスキルをゲットできたのは嬉しい。

むしろ動物魅了、今すぐMaxにレベル上げしたくらいだ。


(全てのモフモフよ、私の元に集えばいい)


しかしふと、我に返り遠い目になる。


でもなぁ……

レベル上がる要素とか条件とかがわからない。


いまいち基準がわからないのですが……。

これも試練ですか、女神様。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ