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44.隠れ里は意外に都会

おはようございます。

ただいま絶賛人質中の桐嶋心結でございます。


今私は、モンチラの村にいます。結構本格的な村です!

雑貨店もあるし、食堂らしきものも見えます!


牛や鶏もたくさん飼っているようです。

ただし牛は…青と赤のコントラスト柄なんだよね……。

見ているとちょっと目が痛いよ!!


鶏も鶏冠が蛍光ピンクやら緑やら、派手な色ばかり。

こうなってくると産み落とされる卵の色が気になります!!


水車小屋では、巨大な臼が大量に何か作物を挽いています。

遠くには農作業をしている、モンチラ達もいるし……

やけに充実していないか?



あの後遅くにモンチラの隠れ里に無事に着きました。

そのまま牢屋的な所に入れられるのかと、内心ちょっと

ヒヤヒヤしていました。


が、予想を裏切り普通のログハウスに案内されました。

なんでもガレット達に依頼にくる(何を?と突っ込んではNG)

獣人専用施設らしく、中は充実しておりました。

その日は湯浴みもさせてもらい、ふかふかのベッドで寝ました。


(縛られて、そのまま床に転がされるのかと思ったわ。

何このVIP待遇……逆にひくわ!!)



で、朝起きたら、昨日の幼体モンチラ二匹が目の前に。

知らない間にベッドに侵入していたらしい。

幸せの雄叫びを、あげなかった私を褒めてほしい。


(なにこの幸せ!! 朝からモフスベ三昧!!

寝言でキュウキュウ言っている……可愛い

耳がピコピコしているのもたまらん。

一生見てられる……髭がピクピクするのも可愛くて悶絶しそう)



で、今はふかふかの焼き立てパンとサラダと果物で

朝食を頂いています。

もちろん膝には幼体モンチラ二匹を装備しております。


「ガレット、私……人質なんだよね?」

パンを美味しそうに頬張りながら心結は聞いてみた。


『タブンナ』


「容疑者なんだよね、私。待遇よすぎやしませんか?」


『オマエガイウナ。イチオウイッテオクガ、ニゲルナヨ』

ガレットは遠い目になった。


フルーツミックスジュースのお代わりを頂いたところで

今後のためにもいうことは言って!

更に突っ込んだ質問をしてみようと思います。


「これだけはちゃんと言っておくね!

信じてもらえるかわからないけれど、私は一切何もしらないの。

誘拐には一ミリもかかわってないから!!」


微妙な沈黙が流れた。

ガレットの鋭い視線が心結の瞳の奥底を除く様に貫いていた。

二人はそのまま真剣な顔で見つめあって数分……。


給仕するモンチラや護衛モンチラ、たくさんのモンチラが

息を殺して二人の成り行きを見守っていた。


やがてフッとガレットが不敵な笑いを漏らして言った。


『ダロウナ……オマエハソンナコトハシナイ』


「信じてくれるの!?」

心結は一瞬面食らって、目をぱちくりさせたが

そのあと直ぐに、嬉しそうに表情をほころばせた。


『メヲミレバワカル。

ウソヲツクヤツハ、メノオクガヨドンデイル。

イヤナニオイモスル……。

ソレニ、コイツラガコンナニモ、オマエニナツイテイル』


心結の膝の上で、二匹が甘えるように果物を強請っている。

それに答えて苺のような物を、小さく千切って与えながら

優しく撫でている心結。

その光景を、目を細めてガレットは見ていた。


『ヨウタイハ、オレタチヨリモモットビンカンダ。

ジュンスイニ、アクイヲカギワケル』


(誘拐をしてないのは事実だ。

でも幼体ちゃん達が懐くのは、特殊スキルの動物魅了や

無類のモフモフスキーの効果のせいだったらごめん)

とは口が裂けても言えない心結であった。







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