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23.いちばん最強なのは

それからというもの、花の祭典まで忙しい日々を過ごしました。

国王一家との謁見の為に、貴族の礼儀作法をイリス様から学んだり

当日着ていくドレスの選定をしたり、目が回る勢いだった。


でもちゃんとモフモフタイムは、確保していましたよ。

というよりか、向こうからやってくるというか。



ユーゴくんのお勉強タイムに、私もお邪魔しております。

貴族の子息子女で結成された、女神様に奉納する曲を演奏する

音楽隊のメンバーに選ばれたそうです。

音階の花を使って、曲を奏でるらしい。

(ハンドベル演奏みたいなものになるのかな?)


只今絶賛練習中です!

私も微力ながら、練習のお手伝いをしております。


「では、私は下のパートを演奏しますね」

右手にドの音階の花を持ち、左手にラの音階の花を持ってスタンバイ!


「よろしくお願い致します」

ユーゴくんが、レとソとミの音階を奏で……

しばらく二人で練習していると、必ずモフモフの邪魔が入ります。


「ミュー!!兄たま!!」

ディーノが何処からともなく現れて、

遊ぼう、遊ぼうと足元にまとわりついてくるのである。

最近名前を呼んでくれるようになりました!万歳!


「ディーノ……。今練習中なんだけど……な」

そう言いながらも、可愛くて仕方がないという笑みをこぼして

ユーゴはディーノの頭を撫でた。


(はぅぅぅぅ……美形兄弟の戯れ!尊い!)

「ミュー!グルグル……」

心結にも撫でれと言わんばかり、頭を突き出してくる。

(えぇ!喜んで!いくらでも撫でますとも、えぇ!)


そういえば……もう一つ必ず入る邪魔があったわ!!

三人で至福の時間を過ごしていると、やってくるあいつ。


「騒がしいですが、何をなさっているのですかお二人とも。

今はお勉強の時間では、なかったのですか!?

あぁ……ディーノ様までこんなところに」


(小姑かお前は……はぁぁぁぁぁ)

深くため息をついて、冷徹狼執事をジト目で見つめる。


「何か不満でも?」

(むしろ不満しかないんですけど!!)

「…………」

心結とラウルの視線だけの戦いが始まろうとするが、ここで

もう一つのお約束。


「ユーゴ様、ディーノ様、ミュー様、休憩に致しませんか?

今日はユーゴ様のお好きな”リモンタルト”ですよ。

あら、ラウル様もいらっしゃたのですか!?」


みんなの癒し!私の安定剤、ディーヤが必ずお茶を運んできて、

一先ず休戦するのが、一連のお約束の流れと化していた。

(ディーヤ!毎回おっそろしいほどナイスタイミングなんだけど)


やっぱり柴犬だから耳がいいからなの?

それともやはりここは嗅覚が鋭いからなの?

どうしてわかるのか、謎は深まるばかりだけど……。


ラウルもラウルで、そのほんわか雰囲気に怒りも削がれるのか、

なぜか毎回4人でお茶をしてしまうのであった。


(にこやかに見えて実は、ディーヤが一番最強なのでは!!)


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