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148.思いが通じ合った日

凄い勢いでラウルさんに抱きしめられています。

大きいな……私がすっぽり入ってもまだ余裕があるよ。


胸板も見かけよりもしっかりとしているの。


きっと腹筋も6パックとかに分かれているに違いない。

けしからん細マッチョだ!


って、そうじゃない……。



「心結……」


一度ぎゅっと強く抱きしめてから……

ラウルは一旦心結を離した。


そしてやや緊張を帯びた表情を浮かべた。


「ラウルさん?」


ただならぬ緊張感に心結の背筋も伸びた。


するとラウルは……

流れるような動作で心結の前に跪いた。


「心結が好きだ」


ただ一言そう真剣な眼差しで言った。


心結は真っ赤になってこぼれんばかり目を見開いた。


「友達なんかじゃない。

女性として好きなんだ……。

心結は俺の全てだ。

どうかこの想いを受け取って欲しい」


そう言って心結の両手を取った。


「私でいいの?

私は異世界人で……人型だよ?」


心結は既に涙目だった。


「そんな事は関係ない。

俺は“()()()()”が好きなんだ」


そう言ってラウルは真剣な色を帯びた声で力強く言った。


「嬉しい……。

私も王子様じゃなく、狼でもなく、友達でもなく

一人の男性として……

ラウルさんが好き……」


心結も溢れてくる涙を堪えながら気持ちを伝えた。


「心結!大好きだ!!」


感極まったように破顔するとまた心結をぎゅっと抱きしめた。


「ラウルさん……」


熱に浮かされたラウルの瞳が心結をまっすぐに見つめる。


そんな碧眼の瞳に捕らわれたかのように心結も

もうラウルしかみえない……。


二人の視線が甘く絡み合う。


ラウルは心結の顎に手を添えた。

自然に二人の顔が重なろうとした時だった……。



「ば……こら、押すな……」


「ちょ……」


「見えない……」


無粋な声が二人の後ろの垣根から聞こえてきた。


二人して飛びのくように離れて後ろを見ると……。


雪崩のように崩れて重なり合ったジェラール達が見えた。


「よぉ!ご両人」


〈ようじゃねぇわ!〉


イリスをはじめ……ユーゴ、ディーノ……

果てはモンチラや幼体フェネック……。


その後ろには……

真っ赤に顔を染めたディーヤまでいるではないか。


ラウルはこの怒りをどこにぶつけたらいいのかわからず

軽く吠えた……。


心結はみんなに見られていたことが恥ずかしくて

顔を両手で覆いながら座り込んでしまった。


「偶然通りかかっただけだぜ……な」


そんな見え見えのジェラールの嘘に……

そこにいた全員が首を縦に振った。


(嘘をつくのにも程がある……)


〈よくまぁ……そんな出まかせをいけしゃあしゃあと〉


心結とラウルは遠い目になった。


「じゃぁ、続きをどうぞ」


ジェラールは爽やかな笑顔で親指をたてた。


「できるか!!」


心結達は盛大にツッコミをいれた。


何はともあれ、私たち相思相愛のようです!


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