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恵まれなかった物語たちへ  作者: たまマヨ
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第10話 結われた赤い糸が運命を結ぶまで

叶わぬ恋に身をやつして。

美しく、華々しく彩って。

着飾ることが美しいのでしょうか。

人よりも更に着飾ることが美しいのでしょうか。

あの人が私に望む【美しさ】とはなんでしょうか。

あどけない肢体も、色めきたち、唇も紅く、紅く、紅く染まって。

蝶よ花よと育てられてきたことを知りました。

新しい現実は、目の前に立つ彼の居る場所は、床さえも紅く、染めていく。

それでもまだ彼は、満足しない。

満ち足りた表情をしてくれないのです。

指を折り、腫れた目を見開いて数える。

右手は優しくされた回数を。

左手は暴力《教育》された年数を。

5から先が数えられないのは、左手の指が足りないのでしょう。

両手から零れ落ちるこれは、一体なんなのでしょう。

彼はことある事に愛について説法します。

愛とは何なのでしょうか。

愛すると口にする時は激しく。

口付けは乱暴で、それでも心が揺れている。

心とは、なんでしょうか。

宝物を取っておくスペースでしょうか。

大切なものとはなんでしょうか。

彼にとって忘れられないことだけが、大切なのでしょうか。

忘れられないことだけが、美しくはないのでしょう。

彼は悩み、よく私に愚痴を零します。


「なんで、そうなってしまうんだ」


私には、よく分かりません。

彼の声が耳朶を打ちます。


「どうして、わかってくれないんだ!」


恋とはなんでしょうか。

彼といる時のこの心のざわめきが、【恋】なのでしょうか。

私は、彼を今愛しているのでしょうか。

運命に結われた糸を手繰って居るのでしょうか。

それを、彼はわかってくれているのでしょうか。

あどけない衝動に身を任せ、彼の上に倒れ伏します。

やはり恋とは、難しいものです。




















青年をくびり殺し、その上に突っ伏した少女は夢見心地に呟きます。


「どうして、みんな私の愛を認めてくれないのでしょう。私を、愛してくれないのでしょうか」

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