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2人の気持ちは同じのはず
俺たちのあの幼き出会いの日は、出会うべくして起こった運命。
先日のデビュタントも2人の絆を他人に披露できるいい機会だった
2人の絆はこれからも揺らぐことはない
そのはずだったのに
なのに、それなのに
アディリナを手に入れるのも、王になるのも
俺ではないと初めて目の前で言い切られた。
今、俺の前にいる数か月生まれる日が早かったばかりの兄と言われるこの男
カールにとってこの男は常に邪魔で邪魔でしょうがなかった
カールの隣に。そして目の前に。
生まれる前からずっとずっと立ちふさがる。
選ばれたカールにとって唯一で、絶対の障害は、兄セドリックだった
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「…セドリック。…これ以上俺を怒らせるな」
今までよりも冷え込んだ声色でカールが言葉を発する。
目の前で怒りを顕にし、気迫を放つカールの態度
それでもセドリックは表情を変えることはない
それどころか、さらに浮かべる笑みが深くなる
「何か怒らせることを言ったか?」
セドリックのその言葉にカールは抑えきれない程の感情が溢れそうだった。
何も言わないカールに、セドリックはさらに言葉を続ける。
「ふっ…。お前が何をしようが王太子は俺だ。…お前が王になることはないし、王になる俺がすべてを手にすること決して揺るがない」
そうしてセドリックは恍惚とした表情でアディリナの腕を掴んだ。
「さあ、アディリナこちらに」
アディリナの身体が少し引っ張られセドリックの方に傾く。
それ故、セドリックとカールの距離も自然と近くなる。
怒りで小刻みに震えるカールの身体は今すぐにでもセドリックに飛び掛かりそうだった。
***
セドリックはそんなカールの様子を伺っていた
あと、少しだ
あともう少し。
なんて、ちょうどいい。
邪魔者の1人は、こちらに飛び掛かってきた瞬間に終わらせる
***
セドリックの思惑等露知らず、今のカールの心は圧倒的な怒りが支配していた
普段は誰よりも感情を出すはずのないカールが、セドリックのその言葉一つで感情を制御することができなくなっていた
セドリックが自身を煽るような言葉を放つのはこれが初めてだったのに
そのたった一言でカールの理性をすべて消し去ってしまったのだ
セドリックのカールを煽るような態度
怒りを抑えることができなくなっているカール
唯一それを静められるアディリナですら今は2人に圧倒され何も動くことができなかった
本日は「公爵様が信じるのは奴隷だけ」の更新はお休みです。
改めて、こちら1話から見直してみたら今よりも表現力のなさと、あまりの誤字の多さに恥かしくなりました。
近日中でも1話から誤字と表現の細々の体裁整えたいなー。




