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アディリナの呪いが解け、半年の時が過ぎた。
「アディリナ様、次はこちらをお召し下さい。」
乳母のマーサはそう言い、美しいドレスを差し出す。
「もう、マーサ。これで13着目よ?」
アデイリナは苦笑いを浮かべる。
「何を言いますか、アディリナ様!アデイリナ様の晴れ舞台なのです、最も美しい物を選ばなければ!」
マーサはいつになく強気で、アディリナにかたりかける。
「…分かっているけれども。でも、あと2ヶ月はもあるのよ?」
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先日開かれた王家の食事会で、2ヶ月後に開かれる今年のデビュタントへアディリナの参加と王家復帰の発表の場となる事を聞かされた。
今年のデヒュタントには、アディリナの姉であるイヴァノフ王国第五王女プリシナ・ル・イヴァノフも参加する。
アディリナは腹違いであるが、プリシナと年子である。
しかし、プリシナとはほとんど2人で会話したことはなかった。
アディリナはプリシナは自分を嫌っていると理解している。
だって、自身を見るあの目
あの嫉妬と憎しみ溺れた目、あれこそアディリナが最も恐るべきものだからだ
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「もではありません!2ヶ月しかないのですよ!ドレスも靴も、それから装飾品も選ばなければ!」
アディリナはこんなにもてんてこ舞いで動くマーサを見たことがなかった。
「さあ、アディリナ様。まだまだ着ていただくドレスはたくさんあるのですから!」
そう言うマーサに急かされるように、衣装係の使用人たちが再びアディリナを囲む。
マーサの熱意にアディリナは半分諦めたように息を吐いた。
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ああ!
ああ、ようやくこの時が来たのだわ!
私が、私がアディリナ様の美しさを作り上げてきたのだ!
私だけ、私だけなのだ。
今までも、これからも!
アディリナ様を最も美しくできるのはこの私だけ。
私の作り上げた美が多くの者たちに披露される場がようやく来たのだ!
1から作り上げた美しさとはこうも違うものなのか
美しい!美しい!美しい!
なんと美しいのでしょう!
数日投稿できておらず、すみません。
新入社員の教育と、今更ながら三國を無双しておりました…




