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美しきモノの目覚め  作者: ccm
目覚め、そして出会い
3/84

03




「…呪いが…消えています…」




この事態にすぐに現在の()()()の魔術師であるレナート・フェリーノは召集された。




突然の知らせに王宮の一室に集められたのは、宰相エメナド・ファラスカと、魔術師レナート、アディリナの乳母のマーサ、そして国の上層部を担う数名の大臣だ。




「…本来呪いというものは、その呪いをかけた魔術師本人、そしてその者より高位な力をもつ魔術師しか解呪できないのです。」


アディリナの異変を乳母のマーサから報告を受けたエメナドは、レナートからのアディリナの診察の結果を聞いていた。




「ですが!アディリナ様のお部屋には昨日誰もいらっしゃっておりません。それに昨日お眠りになる際は、変わらず呪いに苦しんでおられました…」


マーサは驚愕した様に昨日の事実を伝えた。



マーサの言葉を聞き、レナートは静かに目を伏せた後、事実を伝えるため口を開いた。



「呪いの解呪には先ほど申し上げた方法以外にあと1つだけ、方法があるのです。」


額に汗を浮かべ、緊張した面持ちでレナートは言葉を続ける。




「…呪いをかけた魔術師本人の死です。」



そして一つ息を吐いた後、重い言葉を放った。




「今朝、私の師であった()()()の魔術師ディーノ・レヒナーの死体が見つかりました。」






その言葉で、部屋全体が息をつけない程の沈黙に凍りついた。



レナートの放ったその言葉は、誰もが事態を想定することが余りにも容易かったからだ。





そんな重苦しい沈黙を破ったのは、宰相のエメナドである。



「陛下へは私から伝える。…そしてこの事は一切の他言を禁止だ。」



そう言い放ち、エメナドは国王の元へ向かうため、立ち上がり、ドアに手をかけた。









今のエメナドには、真相を知った自分を悔やみ、唇を噛み締めることしかできなかった。

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