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美しきモノの目覚め  作者: ccm
目覚め、そして出会い
1/84

01


目を覚ました



いつもと変わらない静まりかえった離宮

変わらない孤独な部屋の中


朝、目を覚ますということは当然のようにいつもあることで、この11年何も変わらないというのに。


鉛のように重かった身体が嘘のように軽い。


何年も締め切ったままのカーテンから少し漏れる光ですら、嫌悪感を抱き、気持ちの悪いものだったはずが、その気を全く感じられない。


立ち上がる気力すら湧かなかったはずなのに。

恐る恐るベットから立ち上がり、窓辺へと足を踏み出す。


両手でカーテンを掴み、一つ息を吐き出した。

鬱々とした絶望を感じず、掴む両手に力が入る。


いつもの朝じゃない…


カーテンを一気に開け放ち、窓から降り注ぐ太陽の光をその身に浴びたのだ。







―――――――――――――――――――――







大海を超えて、東国へ位置するイヴァノフ王国。


第65代国王イスマエル・ル・イヴァノフの娘。

イヴァノフ王国の姫であるアディリナ・ル・イヴァノフは幼少の頃、その身に大きな呪いを受けたのだ。



その呪いは肉体の生命力を奪う妖花が咲く呪いで、呪いを受けたアディリナはもちろんのこと、その体に触れたものの生命力まで吸い取る恐ろしい呪いであった。




国一番の魔術師でも解くことができなかった。




そのため、アディリナはその呪いを受けた4歳の頃から11年間ずっと離宮に幽閉されてきたのだ。







―――――――――――――――――――――





『コンコンコン』



ドアをノックする音が部屋の中に響く。


「おはようございます、アディリナ様。」


いつも通りのはずなのに。今日はよく耳に通る。


ドアを隔てて声がした。

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