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8.黒騎士、宣戦布告する

あの後リズはクロムに背負われてそのままクロムの孫娘の部屋へと向かっていた。


「魔王様、すごくダメージ受けてましたね」

「まあ、実の娘にあんなこと言われたら大抵の母親はああなると思うぞ」

「そういうもの、なんですね」

「ああ、それより着いたぞ、ここが自分の孫であるナミネの部屋だ」


といってクロムが部屋を開けるとそこに広がっているのは無機質な石畳の部屋で

その奥の方には鎖で拘束された状態の少女がいた。

その髪はボサボサで瞳には一切の生気が宿っておらず服もボロボロの布で作られた

服装だった。


「さて、ちょっとここで待っててくれ」


と言ってクロムはリズを壁にもたれかかるようにして座らせるとその少女の

目の前へと立った。


「よう、いたずら好きの孫。少しは反省したか?」」


というクロムの声に少女はうつろな目を少し向けるとすぐさままた床に戻した。

そんな少女の様子にクロムは溜息を吐くと


「だんまりか?何度も言うが黙っていてもいい事なんて一つも・・・」

「さっさと出ていくっすよくそ爺」

「・・・・最初の一言がそれか?」

「そういうあんたこそ、口を開けば出てくるのは反省したかどうかの質問、

いい加減反吐が出るっすね」


という少女にクロムが何かを言うと少女、ナミネは壁にもたれかかって

みているリズに視線を移すと苦笑する。


「何がおかしい?」

「今回の黒騎士は随分と貧弱そうっすねぇ、その様子じゃぁくそ爺に

負けたんじゃないんすかぁー」

「残念だったな、こいつは試験をクリアしたぞ?俺とではなく魔王様に

刃を向けてその結果不合格になったお前とは違ってなぁ」

「・・・・ふん、後悔なんてしてないっすよ、自分は正しいと思ったことを

しただけっすから」

「正しいこと?っふ、笑わせてくれますね」


と先ほどから黙っていたリズがそういった。

それに対してナミネが問いかけた。


「それはどういう意味っすか?」

「そのままの意味ですよ、魔王様に刃を向けるのが正しいことだなんて

そんなわけないじゃありませんか」

「・・・あんな奴より自分の方が魔王にふさわしいに」

「それが笑えてしまうのですよ、魔王様と違って貴方からは

一切の恐怖を感じません」

「恐怖?くっだらないっすね、同族から恐れられる王なんて・・・」

「はあ、どうやら貴方には口で言うより叩き込んだ方がいいのかもしれませんね」


というとリズは立ち上がってナミネへと近づくと胸元を掴んで無理やり立たせる。

ジャラっという音に続いてすぐさまガチっという音と共にナミネの体に着いた鎖が

固定されてしまう、そんな事を気にもせずに

リズはナミネの胸倉をつかんだままこういった。


「三日後の夜、闘技場で貴方を叩きのめします」

「やれるもんならやってみろよ、弱小騎士」

「おい二人共、そこまでにしておけ」


と言ってクロムは二人を引き離す。

そしてナミネは床に座り込むとその顔に笑みを浮かべこういった。


「もし自分が負けたらアンタの事を先輩って読んであげますよ

ただし、自分が勝ったらあんたを真っ先に殺すっすけどね」

「上等です、三日後に必ず叩きのめしてやります!」


とリズとナミネの二人は互いに火花を散らすのだった。

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