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3.少女、黒騎士となる

暖かいベッドの上で少女、黒騎士は目を覚ました。

ゆっくりと体を起こして部屋の中を見回すと部屋にあるのは

壁に掛けられた無数の武器と必要最低限の家具だけだった。


「ここは、何処だろう?」


と黒騎士はそうつぶやくが答えてくれるものは誰も居ない。

少しだけ考えるそぶりをした後に黒騎士はゆっくりとベッドから降りる。

そしてゆっくりと立ち上がるがすぐにぺたんと座り込んでしまう。


「・・・あれ?」


と不思議そうに言い黒騎士はベッドにつかまりゆっくりと立ち上がる。

とその時部屋の扉を開けて一人の女性が入ってきた。


「黒騎士様!?何をしているんですか!」

「立とうとしているだけだよ?」

「いけません!」


といいメイド服を着た女性は少女をベッドへと座らせた。

その時不意に壁に掛けられた一つの武器に少女の目が吸い寄せられた。


「お願いがあるんですが、あれを持ってきてはくれませんか」

「・・・どれの事ですか?」

「あの青い弓の事です」

「いいですけど座っていてくださいね」


といいメイドは壁に掛けてあった武器の中から少女の言っていた

青い弓を少女へと差し出した。

少女は少しだけ遠慮するようにゆっくりと弓に触れる。


「この弓の名前は、なんですか?」

「さあ、私にはわかりかねますが恐らく魔王様なら知っているかと」

「その弓の名はサジタリウスという」


唐突に声が掛けられる。

いつの間にか部屋の入口に魔王が立っていた。


「ま、魔王様いらしてたのですか?」

「ああ、黒騎士が目覚めた気がしてな、仕事に戻れ」

「は、はい分かりました」


というとメイドはすぐさま部屋を出て行ってしまった。


「さて、何の話だったかな?」

「この弓の話です」

「ああ、その弓の名はサジタリウスという」

「サジタリウス・・・」

「黒騎士とはなその名の通り黒い鎧に身を包み代々魔王に仕えてきた存在だ。」

「・・・私もその黒騎士なんですか?」

「そうよ、貴方は私の娘を守るために私が勇者を闇へと染めその後に

三年の月日をかけて全身の組織から記憶などを作り替えた存在」

「勇者、何故だかその言葉にはひどく吐き気を感じます。」

「そう、では唐突だけど貴方、いいえお前には今ここで

我が娘を守りたる騎士となってもらう覚悟はいいか?」

「はい、それが命令なのであれば私は従います」


と少女は言った。

そしてそんな少女の言葉に呼応するかのように青い弓が光を放ち

少女を包み込んだ。

そして光が収まると、少女のすべてが変わっていた。

一切の光を通さない軽鎧で右手にはサジタリウスが握られており

表情も先ほどとは打って変わり見る者に恐怖を与えるような印象があった。


「さて、問おう。お前は誰だ」

「私は魔王の一族に忠誠を誓う一人の騎士で名はありません

しいて言うならば黒騎士が私の名前です」

「名前、そうかならばつけてやろうお前の名前はリズ・ラインハルト

これからはそう名乗れ」

「分かりました。黒騎士リズ・ラインハルトこれよりわが命は魔王様の物です」


と黒騎士はそう宣言した。

そしてこの数日後、魔王を討伐するべく何年も勇者を送り込んでいた国が一つ

一夜にして黒い騎士率いる魔族の軍勢により滅びの道を辿る事となった。



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