プロローグ
誰かが言った。大いなる力には大いなる責任が伴う、と。本当にその通りだ。身をもって体験した。ただ、体験したからこそ言いたい。そんな責任なんて糞食らえだ。そんな面倒なものが付いてくるなら力なんていらない。
あぁ自己紹介がまだだったな。
俺はアルクス・エングリフただの元村人現英雄だ。友人達からは、アルと呼ばれている。まぁ友人なんて俺の権力争いに巻き込まれて死んだか、俺の事を裏切って絶縁したかでいないんだがな。まぁこの話はやめよう、悲しくなってくる。
突然だが俺は今までの短い人生である事を学んだ。それは、英雄なんてなるもんじゃない、という事。
周りの大人に持ち上げられて調子乗ってダンジョン攻略したのが運の尽きだった。今あの頃の自分にあったら殴り殺しても止めただろう。
英雄になってからは本当に悲惨だった。落ち着いた時間なんて取れないし、毎日命を狙われてやりたくもない仕事を引き受けさせられるし、友達だと思ってたクソ野郎には裏切られる有様。
気づいた頃には光り輝いてた俺の自慢の瞳は淀んだ色のない瞳に大変身を遂げてた。
だが、こんなくそったれの人生とはおさらばだ。俺は王国の秘宝の一つ時の輪を盗んでやった。まぁ多少の犠牲はあったがそれも仕方ない事だ。南無阿弥陀仏。
話を戻そう。これは、時の輪と言って魂を別の体に植え付けることが出来る。まぁ転生ってやつだ。
次の人生はどうしようかはもう決まっている。俺はある計画を立てている。計画内容は、面倒ごとを避け楽して生きる。期間は一生。その計画の名は、『楽して生きよう計画』だ!!!!