表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/8

オンボロ橋と明るさの森

「私、そんなニンゲンじゃないよ?!」


「でもニンゲンはすごい力を持ってるって」


アライグマ、シンが言いました。


「私はドングリ池に行って、願い事をかなえたいだけなの」


「それなら、オレも行くよ」


シンはどうぞ行ってください、と言うように、オンボロ橋から体をどけました。

オンボロ橋は名前の通り、とてもボロボロでした。

森と森をつないでいるのですがなんとか、ギリギリ・・・のような感じでした。

橋の板はもう少しではがれそうです。


アオイは唇をかみしめ、


(よし・・・ここを渡ったらドングリ池なんだ・・!)


と、思いながらゆっくり手すりを持ち、歩き始めました。


「がんばれ、アオイ!」


森の仲間たちが応援します。

オンボロ橋は踏むたびにギィ・・・ギィ・・・と音を立てます。

しかも、下を見ると、結構な高さにあることが分かりました。


(下を見ちゃダメ・・・)


ゆっくりゆっくり・・・。

しかしアオイは下を見ないせいで、一枚板がはがれていることに気が付きませんでした。


「うわあああ」


アオイは慌てて、手をしっかりにぎりました。


「アオイっ!」


みかねたイーが橋の手すりに乗り、走りました。

助けたかったのです。

しかし、オンボロ橋ももう年。イーとアオイの手が右の手すりにある中、反対の左側が明るさの森と、怖さの森から引きはがされました。


「きゃああああ」


これはさすがにレインもびっくりして空を飛びました。

パニックになったナイトは走り回り、その隣にいたシンもパニックで爪を立てて走り回りました。

キュウはシンを慌てて止め、クリはショックで口が大きく開いてしまいました。

イーと、アオイはかたむく形になりました。


「今こそ出番よ・・・ヒュウ~」


レインは羽のついた手で口笛を吹きました。

そうすると、たくさんのコマドリが集まってきて、アオイを包み込みました。


(もうダメだ・・・)


アオイはコマドリの存在には気が付きましたが、今回ばかりは持ち上がらないことに気が付きました。

そんなとき、レインがまるでアオイの心を読み取ったかのように言ったのです。


「アオイ・・あきらめちゃダメよ・・・私たちを信じて・・・!楽しいことを浮かべて・・!」


(楽しいこと・・・・)


アオイは目を閉じました。


(私の楽しいことは・・・・)



__「♪ハハハハハ ハハハハ

 怖さの森は怖いけれど

 楽しいことを浮かべて楽しくしようよ

 そしたらオンボロ橋までひとっとび!

 ハハハハ ハハハハ♪」

レインの優しい子守歌のような歌声がアオイの頭をよぎりました。



(レインたちを信じなきゃ・・・・コマドリが助けてくれたんだもの・・・)


アオイの周りに黄色い光、オーラが輝き始めました・・。


「うわあ」


それは誰もが驚く、きれいな光でした。

アオイはそのオーラと、コマドリによって助けられました。

                     ☆★☆★

「オラたちはどうすればいいの?」


キュウがそう言いました。

アオイとレインたちはいいとして、他のイー、キュウ、クリ、シン、ナイトはどうすればいいのでしょうか


まず、レインたち、コマドリは手すりにつかまっているイーを助けました。

レインは残りの四人には「飛んで!」と言いました。


「でも・・・落っこちるでしょう!」


「大丈夫、ニンゲンの力はすごいから」


びくびくする、ナイトにレインはプカプカ飛びながら言いました。

それを信用したクリは森から森へ飛びました。

・・・・しかしやはり届かず、落っこちました・・・・

と思っていると、クリの周りにアオイのような黄色いバリアが出来て、ふわりと明るさの森に降りれました。

他のキュウ、シン、ナイトもそうでした。


「まさか・・・明るさの森に着くなんて・・・」


「信じられない・・・!」


みんなびっくりしてアオイを見ました。


(信じられないのは・・・私も・・・)



「さ、ここからは分かってる道だから、案内するよ」


「・・・・え?」


みんなはしょうがなくシンについていくことにしました。

明るさの森は怖さの森よりもずっと明るくてきれいな場所でした。

木は左右に生えて、所々にきれいな川・・・、そして青空で、光が木の間から差し込んでくる・・・。

少し少し、川で休憩をして、その水を飲みました。

アオイはずっとなにも飲んでいませんでしたから、いつもの水より、ここの森の水の方が美味しく感じました。

アオイたちはずっとごきげんでずっと歌を歌っていました。


「♪ドングリ池を目指そうよ 

 とってもきれいなこの場所で

 どうしてここに着いたかって?

 それはアオイがすごい力を出したから

 嬉しいね 嬉しいよ

 明るさの森へ出かけよう!♪」


(恥ずかしいな・・・。)


「ここだよ」


シンが言った言葉で目の前の池がドングリ池だと、みんな、思いました。

シンはその後、池をすさまじい速さで走り、「やった、やった」と喜びました。

どうやら住み家を回っているようです。

イーは「シンに負けたくない」とシンと一緒に走り出しました。


(ここか・・・!やっと着いた・・・!)

 





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ