読書
息子くんに最初にヒットしたお話は 「ダレン・シャン」シリーズでした。読書って最高だね!
読書
私は読書の虫だった。
低学年の頃から3つ上の兄が
教えたくれた本を読むのが大好きだった。
透明人間になる話
無人島への旅行でピンチに見舞われる話
不思議な短編の詰まったショートショート集
どれもこれも私を不思議な世界へ連れて行ってくれた。
長男くんにも色々 本の面白さを感じて貰おうと
絵本もたくさん読み聞かせして
色々頑張ってはみたものの
ウチの長男くん、
どうにも
映像が優先されて
文字読まない
優先どころか 活字にまるで興味なし。
活字への知的探究心ゼロ。
アニメ観てゲラゲラ笑ってる
長男くんが読書を全然してくれないので
作戦を考えた
読書50冊さくせん!
私はexcelで表を作った
左側枠に日付
右側枠に本のタイトル。
1枚に50枠あるから
50タイトルが書ける。
そして50枠目を赤い罫線で囲って
「ゴール!」
と書いた。
長男くんに話しかける
「読書50冊チャレンジだよ!」
「うんうん」
「読んだ本の名前をここに書いて
その本のお話をママに教えてネ」
「ひとマス 1冊だよ」
「うんうん」
「最後の赤いマスまで読めるかな?」
「できるよー!がんばる!」
おおお食いつきヨシ!
「じゃぁ頑張って50冊 ママに
どんなところが面白かったか教えてね」
「ママ この赤いところまで書いたらどーなるの?」
う
ぐぬぬぬぬぬぬぬ そうきたか
「よーしじゃあ 何かご褒美にしようか」
「やったーーー!」
⋯⋯いやあの⋯⋯
ごほうび目当てって
それってどうなの⋯⋯
⋯⋯ うーん
そうは思ったけど
とりあえず ご褒美目当てでも
自分で読書に向かうきっかけに
なればいいのかなぁ⋯⋯
いい本に出会えれば楽しさを
体感してくれるかもしれないし
50冊も時間をかけて本に触れたなら
ご褒美もアリかな。
私はリビングのコルクボードに
excelシートを貼った
50冊は3ヶ月後か 半年後か 1年後か
ゆっくり本に触れていこうネ⋯⋯
ところがゴールは唐突にやってきた。
翌々日。
リビングのコルクボード
50枠のexcelシートは全て埋まっていた。
赤枠のゴールまで びっしりと。
長男くんが
「ご褒美 ご褒美 !!」と
可愛いお尻をフリフリ揺らせながら
小躍りするのが目に浮かぶ。
⋯⋯ う、うーん⋯⋯ ⋯⋯
昨日の今日で50冊読めるハズが無いし。
彼の頭の中には
「この枠を全部 埋めれば ご褒美」
というルールだけが残っているに違いない。
いや 違うのだよ長男くん。そーじゃないの⋯⋯ 。
学校から帰ってきた長男くんは
得意気にぴょんぴょんとジャンプしながら
「ご褒美 ! ご褒美!」
と叫んでいる。
予想通りの展開。
うーん 困ったな⋯⋯
きっと今まで読んだ本のタイトルを
思いつく限り書いたんだよね。
「チロヌップ」
とか途中で終わってるのもあるし
キツネどこいったの キツネ。
あー
「かたあしダチョウ」
エルフどこ行ったのーエルフー。
おかしくなってきちゃった。
私はソファに座って 長男くんを
膝の上に抱っこして聞いてみた。
「すごいね! もう50冊も読んじゃったの?」
「うん!」
「すごーい!
じゃあ ママに どんなお話だったのか
教えてネ。
ママに どんなところが面白かったのか
おしえて おしえて。
ママは あなたから それを教えてもらうのを
すっごく楽しみにしてたんだ〜」
「うんうん!」
そう言うと 長男くんは 膝から降りて
表をコルクボードから剥がして持ってきた。
1冊目
これはねぇ⋯⋯
1冊目2冊目は面白かったところを
ちゃんと教えてくれた。
でも3冊目あたりから ごにょごにょとなって
うーーーん⋯⋯ と失速し
5冊目の説明は
「わかんない」になった。
「うんうん そっかぁ⋯⋯ 」
私はそれだけ言った。
長男くんは
しばらく表を見ていたけれど
それから ランドセルを開けると
筆箱から消しゴムを取り出すと
表をゴシゴシ消し出した。
私は ソファを立って
おやつの用意。
「紅茶いれて おやつにしよー!」
長男くんは黙って
消しゴムをゴシゴシしてる。
ふふふふ。
カップを温めて
ティーパックを落として
お湯を注いで1分間、じっくり蒸らして
甘い甘いお砂糖を入れて出来上がり。
テーブルに紅茶とおやつを用意すると
長男くんも席に着いた。
「はい 紅茶」
とカップを差し出すと
「ママ出来たよ!」
と表を差し出した。
50冊のタイトルは消しゴムで消えて
残ったのは7タイトル。
歯抜けだけど43マスも消したんだ。
「おおおおー!」
私はテンション高く応える。
「この7冊は自信があるのね?」
「うん!」
元気いっぱいだ
「教えて 教えて!
この7冊はどんなお話だったの?」
長男くんは おやつを頬張り
紅茶をぐいっと飲んで
誇らしげに立ち上がる。
「それはねぇ⋯⋯ 」
ふふふふ
自信満々だね!
うんうん。
キミの感動したおはなしを聞かせて
特等席のママの膝の上で。