第一話 初めての休日なので・・・
休日っていいですよねー
朝日が暖かい光で部屋を照らすとても気持ちのいい朝。
俺は小鳥のさえずりの声で目を覚まし大きな欠伸をしベットから這い出て元の世界であったラジオ体操を開始した。
これは俺がこの異世界グロドラバルに召喚されてから毎日欠かさず行う日課である。
あのラジオ体操の歌を歌うおじさんの声を脳内再生しその声に合わせ体を動かす。
こんな気持ちのいい早朝は生まれて初めて感じるかもしれない。なぜなら今日は俺にとって特別な日そう休日なのだ。
やけでギャンブルを行い見事無残に無一文になった俺だが、とあるきっかけで今教師を行っている。
そして教師になって1週間が過ぎて初めての休日なのだ。この日は生徒を忘れ思いっきり自分の好きなことができる。
この日は何をしようか?
と俺はワクワクしながら考えていると唐突に叫び声のような者がこの建物内に響きザワザワし始めた。
「おい!三番実習場の方から煙が上がってるぞ!」
「何?ほ、本当だ!」
「誰か見に行ってこい!」
と窓を開け三番実習場の方面へと目を向けると確かに、これでもかと言うほど黒々しい煙が上がっていた。
俺はこの時なぜか自分の教え子達の顔が浮かびとんでもなく嫌な予感を感じてしまう。
そして全力の現実逃避を開始した。
「うん!!そうだなこんな平和な日は二度寝が一番いいな!!!」
と再びベットに潜り込んだ俺を逃がさないかのごとく、確信をついた声が聞こえてしまった。
「先生大変です!勇零科のライル・マッカートニーとケインが三番実習場で暴れてます!」
「何ーーー!!!やはり奴らかクソ!早朝から奴らは何をやってるだ!」
「俺たちでも止めることは困難だしかも今日は休日。こんな時はやはり担任教師である者が対応しなければならないと思うが皆どう思う?」
『異議なし!!!!!』
「うむ!それではリュージ先生をお呼びしろ彼がなんとかしてくださるだろう。」
と。
俺は思わずフカフカの布団に顔を埋め顔を上げる。
そして顔をフッと仏のような微笑みを浮かべ俺は二度寝を開始する。
「あいつらふざけんなよ!今日は俺の初めての休日だぞ?それをこんな馬鹿げたことに時間を使ってたまるか!!!俺は寝る!俺は寝るだーーーー!」
悪態を吐き布団で頭を包み込むが、直後に扉を複数回ノックする音が部屋の中でこだまする。
「先生いるんでしょう?私です!マリー・バーグライズですどうかこの扉を開けてください。」
と綺麗な声が俺の耳へと届き思わずかぶっていた布団を吹き飛ばす。
彼女マリー・バーグライズはこのファストリア学園の第2学年の魔術教師である。その顔立ちとコロコロ変わる表情、誰に対しても優しい態度から学園の女神と呼ばれファンクラブが出来ている程だ。そして彼女にはもうひとつ一般的な女性と違いある部分の自己主張が激しく、それも相まって彼女の人気度は日々上昇している。もちろん俺もファンクラブに入っている。
そんな俺は急いでベットから飛び起き急いで扉を開けるとそこにはホッとする顔をしたマリー先生がたっていた。
今は寝間着姿をしていて朝起きたばかりだと知ることができた。
あまり見つめすぎたのかマリー先生はどこか照れた表情をして体をモジモジうむ可愛い。
すると先生の後ろから咳払いが聞こえたので、俺は邪魔すんなよと思い視線を向ける。
するとまるで呪い殺すかのような視線を向ける男性教師たちの姿が見えて俺は思わず悲鳴をあげる。
「どうしたんですか?リュージ先生?」
と首をかしげるマリー先生にいえなんでもないですと全力で首を振る俺はやはり奴らを止めなければならない運命にあるようだと悟る。
そして掛けてあったローブに身を包み溜息を吐きながらも三番実習場に向かおうとした時マリー先生が両手を振ってがんばってくださーいと応援してくれる姿そして左右に揺れる房を見て俺は思わずにやけその場を後にするのだった。
さあこの後生徒たちの登場です。
これ以外にもゼロリベンジャーという小説も連載中ですぜひ見てください