見慣れた病院の天井
気がつくと俺は病院のベットの上にいた。
見たことのある天井だと思い、ふと周りを見渡してみると、見覚えのある医師や看護師、医療機器に囲まれていて、普段は傷病者が寝かされているベットに自分が寝かされているのがわかった。
頭がまだ上手く働いていないのか。周りの医師達が何かを話しかけているのはわかるが全く耳に入ってこない。
近くにあった時計に目をやる12月25日の丁度深夜0時を過ぎて、日付が変わったばかりだということに気がついた。
なんで俺が病院のベットに寝ているのか。
前後の記憶を呼び覚まそうにも、頭にモヤがかかったように思い出すことができない。
それでも目を覚ましてから10分も経つ頃には段々と覚醒してきたのか。周りの医師達が呼びかけているのに対して反応を返すことが出来るようになってきた。
「意識が徐々に戻ってきてるみたいだね。岡林くんわかりますか?」
40過ぎの中年の医師が俺の名前を呼んでいるのがわかった。
「わかりますよ太田先生。自分はどうして病院のベットで寝てるんですか??なんか身体は動かないし、少し前のことを思い出そうとすると頭が酷く痛むんですが、、、」
この医師は太田先生という救命センターの救急医で、普段から傷病者を搬送してきた際にお世話になっている先生だった。
「色々あったみたいだからね。とりあえず命に別状はないみたいだけど、災害のショックでよく思い出せないんじゃないかな?時間が経てば少しずつ思い出せるようになると思うよ。上司の人も待ってるみたいだし、ここに通してもいいかな?」
「災害のショックってことは、自分は出場中に事故にでも巻き込まれたんですか??上司ってうちの隊の隊長ですか??」
太田医師が困ったように頭を掻きながら
「僕の口からはなんとも上手く説明できないから、直接聞くといいよ。何かあったらナースコール鳴らしてね。」と先生は上司に声をかけに行ってしまった。
「何が起きたのかさっぱり思い出せないな〜。まぁ、隊長に聞いてみればわかるかな。」
そんなことを考えているうちに入ってきた上司の顔を見て、俺は何か大変なことに巻き込まれたんだと改めて気がついた。
「山崎局長!?どうして局長が自分なんかの付き添いに??」
「岡林くん。君が生きて帰ってこれただけでも良かったよ。他の二人については残念だったね。」




