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爪弾きの白薔薇妃  作者: 橙真
6章 白薔薇の娘
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這い寄るは闇


 アカネース国が用意した夕食の席は立食形式の小規模なパーティーであった。

 リーゼロッテは女性ということもあり準備に時間が掛かると言われてしまい、先に会場に案内されたレオナルドはまだ訪れないリーゼロッテを気にしてちらちらと視線を扉の方へ向けている。

 リーゼロッテの側にはイヴァンが付いているため、身の危険は心配していない。この場に訪れない理由は気になるが、レオナルドが探しにこの場を離れるわけにいかなかった。


「レオナルド様、お一人ですか?」


 鈴が転がるように軽やかな声を掛けられて、レオナルドは振り返る。

 自分と同じ年頃の娘が三名、上目遣いに頬を染めていた。

 小柄で愛らしい顔立ちには、こういった場に不馴れなためか強張った微笑みが浮かべられている。

 ふわふわと綿毛のように柔らかな金糸の髪を耳に掛け、先頭の娘が俯きがちに一歩踏み出した。


「よろしかったら、少しお話ししても宜しいでしょうか?」


 アカネース国の美醜の基準はレオナルドにはわからなかったが、小動物のように大きな瞳と果実のようにふっくらとした桜色の唇を持つ少女は確かに可愛らしかった。

 レオナルドはグラスに口を付ける振りをして辺りを見渡した。

 まずは何らかの意図を疑わずにはいられない。

 グレインの姿は近くに見えず、ミレイニアは離れた位置で見目麗しい娘達と表面上は楽しそうに談笑していた。

 同世代で目を引かれる娘たちの中に混ざっても霞むことないミレイニアの美しさには、流石のレオナルドも感心するしかなかった。

 そのようなことは今はどうでもよく、レオナルドは一度目を伏せると目の前の娘へと微笑んでみせた。


「僕なんかよりもヴァインス兄様とお話しした方が楽しいと思いますよ」


「そのようなことは……。私はレオナルド様とお話ししたいのです!」


「どうして?」


 そっと目を細め、レオナルドは悪戯な笑みを向ける。

 見ようによっては年相応の無邪気な微笑みなのだが、娘の足元に絡み付くような冷たさが油断を許さない。

 逸らされることのない眼差しを受け、声を掛けた娘は言葉を探して口ごもる。付き添いの令嬢達も、自分に飛び火しないようにと目を伏せていた。

 口ごもる時点で、本心からレオナルドに興味があって話しかけてきたわけではないことが明らかであった。

 理由を探しているのだろう。初めから考えて声を掛ければいいのに、とレオナルドは内心でため息を吐いた。

 レオナルドに引き合わせるとなれば、まだ社交界にデビューして経験も浅い娘にならざるを得ないのだろうか。誰の差し金かは知らないが、レオナルドも経験の浅い娘に簡単に踊らされるつもりはなかった。

 目の前の娘の意図に乗ってやるつもりはないが、狙いを把握せずに追い払うのも勿体無い話であった。

 柔らかな微笑みを浮かべると、レオナルドは小さく首を振って見せた。


「そんな真剣に考えないでください。僕はリーゼロッテ様をお待ちしておりますので、お構い無く」


 もしも娘が誰かの指示を受けリーゼロッテを陥れようと考えているのであれば、彼女の名を出せば娘は引き際を見失うだろう。

 そう考えたレオナルドの予想は当たったようで、娘は慌てた様子で顔を上げると一歩レオナルドへと詰め寄った。


「で、でしたら尚更に、お話しできませんか? リーゼロッテ様がいらしては出来ないお話もあるでしょうし……」


「レオナルド様も色々と大変なのではありませんか? 何しろ、リーゼロッテ様とは随分お歳が離れていらっしゃいますもの」


「私たちも将来は歳の離れた旦那様の元へ嫁ぐかもしれませんし、他人事とは思えませんわ」


 次々に繰り出される娘たちの声に勢いに圧されつつ、レオナルドは当たり障りのない微笑みで首を降った。

 彼女達はレオナルドをこの場に留めるために声を掛けたのかと思ったが、娘たちの目的はそうではなく単純に歳の近い娘でレオナルドの気持ちを引こうとしているようであった。

 女性が男を誘惑して思う通りに操ろうとすることは珍しくはない。レオナルドを誘惑してリーゼロッテとの仲を裂こうとしているのだろう。


「僕は彼女が妻となってくれて良かったと思っていますよ。あのように素敵な女性を、この国が育ててくれたというのなら、僕は感謝してもしきれません」


 皮肉の混じったレオナルドの物言いに気づいたのか、娘達は気まずそうに顔を見合わせる。

 リーゼロッテがアカネース国で受けていた待遇を、レオナルドが知らないわけがない。

 その上で、感謝などという言葉を口にするのだ。娘達は何を言えばいいのかわからない。


「歳が離れているから不幸な婚姻だ、なんて考えない方がいいと思いますよ。これは不幸な婚姻なのだと思って始まった関係が、良好なものになるとは思えないでしょう?」


 付け入る隙を与えないレオナルドの物言いに、益々娘達は口を閉ざした。

 この先何度も娘から誘惑じみた誘いを受けることは面倒だ。早い段階でレオナルドは釘を刺す。


「ですがレオナルド様……その、リーゼロッテ様は色々と良くないお話も多く……」


「例えば?」


「え? その……リーゼロッテ様の母はただの使用人でしたし……」


「でも父はデュッセル様でしょう? どこに問題が?」


「その……」


 口ごもった娘の後ろから、勝ち気な瞳の娘が顔を出した。


「リーゼロッテ様は何をしてもミレイニア様には及びませんでしたのよ。歌も、躍りも、裁縫も、お料理も、何も取り柄がないということではありませんか」


 ミレイニアと比べての評価を真のリーゼロッテの姿なのだと疑うことのない娘に苦笑を浮かべたレオナルド。

 例えば本当にミレイニアに劣っていたとして、そこにどんな問題があるというのか。


「そうですか。例えミレイニア姫に劣っていたとしても、貴女達よりはよっぽど上手なのではないでしょうか。……それに僕が見た限りではリーゼロッテ様は何をやらせても満足できる腕を持っていように見えていますよ」


 穏やかな口調とは裏腹な毒の含まれたレオナルドの言葉を受け、娘達は顔を真っ赤にして口をつぐんだ。怒りか、羞恥か、心の内までレオナルドには見て取れないが、図星だったのだろう。


「婚姻というのは、お互いに利点を求めて行うものでしょう? リーゼロッテ様を妻としてレオナルド様に何の利点があったのですか? 少なくともアカネース国で、リーゼロッテ様に利点を見出だした方はいないのですよ?」


 鋭い利発そうな眼差しが目を引く娘が、誰もが胸にしつつも口に出せなかった事実をレオナルドへと突き付けた。

 二人が困惑の表情を浮かべる中、その娘は不安を表情に出さぬようきつく唇を噛み締めていた。

 王族への不敬罪として罰せられてもおかしくはない発言だ。しかし、レオナルドにとっては今までの二人よりもよっぽど好感の持てる率直な問いかけであった。


「レイノアール国にとっては嫁いでくる王女に利点は特別求めているわけではありません。あくまでもこれは和平条約の一つとしての婚姻ですから、アカネース国とレイノアール国の王子王女が結ばれればそれでいいんですよ。強いて言うのであれば、アカネース国の王女を受けとることが利点なのです」


「でも……押し付けられるような形だったのではありませんか?」


「ミナン! さすがに言葉が過ぎるわ……!」


 勝ち気な瞳の娘がミナンの腕を掴む。

 ミナンは一瞬目を丸くしたが、言葉にしてしまった手前逃げることができずレオナルドを真っ直ぐに見つめた。


「レオナルド様、お気を悪くしないでください。ミナンは先日、それこそ一度もお会いしたこともない二十も年上の伯爵家に嫁ぐことが決まりまして……自分と似た状況のお二人に自分のことを重ねてしまっているのかと……」


 レオナルドがリーゼロッテに好感を抱いていることを感じ取った勝ち気な方の娘が、ミナンを庇うように言葉を続ける。レオナルドの前でリーゼロッテを非難するような言葉を口にすることの危険性に気付いているのだろう。

 確かにミナンの言い方には刺があったが、その理由が自分自身の内側に押し込まれた不安によるものなのだと気付いてしまうと、彼女を責める気持ちは生まれそうにない。

 今までの上部に貼り付けた笑みとは違う、本心からの微笑を浮かべてレオナルドはミナンへと向き直った。


「僕だって初めはこの婚姻を歓迎はできませんでした。元々どんな相手が妻となってもどうでも良かったけれど、政略結婚に使われたなって気持ちは拭えなかったのでね」


 これはレオナルドの偽らざる本心であった。

 今となっては考えられない程にリーゼロッテの側を心地よく思っている。

 目の前の娘にも同じように思える日が来るのかもしれない。それを願って、レオナルドは言葉を続けた。


「だけど、夫婦となるのだから関係性を悪くしない努力は必要だと思うのです。何も知らないのに相手を悪く思って初めから努力を放棄するのは勿体無いことだとは思いませんか?」


「何も知らないからこそ、嫌だと思うのではありませんか……」


「そう考えるのなら、貴女は不幸を嘆くばかりで幸せにはなれないでしょうね」


 彼女の人生に対してレオナルドが責任を持つ義務はない。彼女の考えが変わらないのであれば、レオナルドがこれ以上何かを言う必要はなかった。

 ミナンは僅かに眉を潜めると目を伏せた。

 レオナルドの言葉を受け止めた彼女の心がどのように動いているのか、表情からは掴み取れない。


「僕は最初はリーゼロッテ様のことを何とも思ってはいなかったけれど、今ではとても大切な人ですよ」


 三人の娘達はそれ以上何も言うことは出来ず、口を閉ざした。

 彼女達がどれだけレオナルドを誘惑したところで、振り向くことがないのは今までのやり取りで明らかとなった。

 しかし、簡単に引き下がることも出来ず、この場を去ることも出来ない。


「……レオナルド様のような方に嫁ぐことのできたリーゼロッテ様が羨ましく思えます」


「リーゼロッテ様だって、僕と同じように考えてくれていましたから。僕たちが他人から見て羨ましいと思われる関係になることは当然だと思います」


 躊躇うこと無く言い放たれてしまい、益々娘達は顔を俯けた。

 レオナルドを誘惑し、アカネース国に訪問している間リーゼロッテから引き離すようにと遠回しに頼まれていた娘達も、レオナルド相手では通用しそうになかった。


「……もう宜しいでしょうか? あまり女性と長く話をして妙な噂になっても困りますから」


 話を切り上げるようにレオナルドが片手を上げると、三人は互いに顔を見合わせたのちにレオナルドへと軽く会釈をしてその場から立ち去った。

 一人取り残されたレオナルドはほっと息を吐くと、再び扉の方へと視線を向けた。

 扉が動く気配はなく、レオナルドの胸には不安が音もなく満ちていった。

 リーゼロッテに何かがあったことは確実だろう。本当は今すぐにでも探しに向かいたかった。


「レオン様」


 気配もなく隣へと忍び寄ったジョルジュが、レオナルドの耳元で彼にだけ聞こえる声でその名を呼んだ。

 突然のことで大袈裟に肩を震わせたレオナルドに、にこりともせずジョルジュは囁く。


「リーゼロッテ様のことですが、様子を見てきました。単純に部屋を出られないだけのようで、特に害を与えられているとかではありませんでしたよ」


「ありがとう、ジョルジュ。どうしてこちらに来れないの?」


「イヴァンの話によると、呼びに来ると言って出ていった侍女が戻ってこないそうです。別に構わずに行けばいいだけなのですが、中途半端に遅れて参加して悪目立ちするのなら出ない方がマシだとか」


 言われてみればそうかもしれないとレオナルドは頷いた。

 おそらく、先ほどの娘たちのようにリーゼロッテの目のないところでレオナルドと接触を取りたかったのだろう。夕食の席でもリーゼロッテがいないことを気にするアカネース国の者がいないということは、日常的に見られる光景だったのだろう。

 そうなれば、急いでリーゼロッテが駆け付けたところで良い結果は生まれない。むしろ、遅れたことを嗤う者が現れるだけでリーゼロッテは救われない。

 リーゼロッテがこの場に現れなければ、そのような王女を嫁とした哀れな王子、と嗤うアカネース国の人間もいるかもしれない。しかし、レオナルドはそれでも構わなかった。リーゼロッテが馬鹿にされるより良い。


「俺は良い判断かと思いますよ。顔を出しても出さなくても悪く言われるのなら、今から急いでも意味はないですからね」


「僕も同感だよ。開き直ってゆっくり休めば良い」


「用意されたお部屋が別々でしたよね? 良ければ後で顔を見せてあげてください」


「うん、そうするよ」


 素直に頷いたレオナルドに、仮面の奥で微笑むとジョルジュは満足した様子で頷いた。

 レオナルドが動じなければ、何が起こったとしても対応していくことは出来るだろう。


「……レオナルド王子、少しお話よろしいかしら」


「ミレイニア姫……。はい、何か?」


 二人の間に割って入るように、ミレイニアが悠然とした足取りでレオナルドの正面に立った。

 マリーゴールドの花畑のように鮮やかな黄金色の髪を高く結い上げ、うなじから肩までの美しいラインを艶やかに見せつける大胆な緋色のロングドレスを身に付けた彼女は間違いなくこの空間の華であった。

 ミレイニアはわざとらしく周囲を見渡すと、冷たい眼差しのまま微笑んだ。


「御姉様はやはりいないのね」


 周囲に人が少ないからか幾分か砕けた口調でミレイニアは息を吐く。

 彼女の態度は想定内で、レオナルドも特に気にすること無く頷くだけであった。

 ミレイニアが思っていたほどリーゼロッテを憎んではいないだろうことは、以前祝宴で話をした際に感じていた。

 そして、現在この場にリーゼロッテが姿を現せないことに、ミレイニアは関与していないだろうとレオナルドは確信している。


「何か知っているの?」


「さぁ? 御姉様を夕食の席に出席させたくないと考える人が誰かということなら何人か思い当たるけれど」


 冷笑と共にミレイニアは手にしていた皿をレオナルドの前へと差し出した。


「レイノアール国では野菜が不足気味だと聞いているわ。宜しければどうぞ?」


「え? あ、ありがとう……」


 赤、緑、黄色と色とりどりのサラダを受け取るレオナルド。突然のミレイニアの行動に、その表情からは困惑が隠しきれない。

 戸惑うレオナルドに満足したのか、ミレイニアは僅かに表情を緩めると小さく息を吐き出した。


「貴方って素直な人なのね」


「そんなことないと思うけど」


「そう? 私や御姉様、あと他にも色々な人と比べてみれば十分に素直だと思うわ」


 そんな極端な例と比べられても。喉まで出てきた言葉を飲み込み、レオナルドは曖昧に首を傾げておいた。

 ミレイニアは機嫌を良くしたのか、グラスに残っていた甘い果実酒を飲み干した。


「もし……もしもの話だけれどね」


 軽やかに弾むカナリアの囀りのようなミレイニアの声が、レオナルドの鼓膜を優しく揺さぶった。


「レオナルド王子が御姉様のことを大切だと思うのなら、マリンハルトには気を付けなさい」


「マリンハルトに……?」


 マリンハルトといえば、リーゼロッテの従者だった男だ。

 この国で最もリーゼロッテを害することの考えられない男の名が出てきたことに、レオナルドは驚きを隠しきれない。

 微笑みを浮かべていた瞳に険しさを取り戻すと、ミレイニアは一段と声を潜め頷いた。


「御姉様がいなくなって、あの男は緩やかにおかしくなっていったわ。その上、グレインがあの男が抱えた闇を増幅させた。御姉様がこの国に戻ってきた今、私はあの男が何をするかわからない」


「……マリンハルトは、リーゼロッテ様のことを好いていたのですか?」


「今も好きなんでしょう? だからおかしくなっていった」


 ミレイニアに言い切られ、レオナルドは唇と噛んだ。

 人を想う気持ちを、レオナルドは知ってしまった。

 だからこそ、マリンハルトの気持ちが理解できてしまう。

 しかし、理解できたとしても今彼女の隣に立つのは自分で、彼女を守るのも自分だ。


「ジョルジュ、今の話をイヴァンに伝えておいてほしい。ただ、リーゼロッテ様の耳には絶対に入れないように」


「承知しました。すぐに戻ります」


 ジョルジュもまたミレイニアに悪意がないことを感じ取ったのだろう。

 レオナルドをその場に残し、ジョルジュはその場を離れていった。マリンハルトの姿が広間にない今、夕食を終えてからなどと悠長なことは言っていられない。

 走り去るジョルジュの背中を眺めていたミレイニアは、姿が見えなくなると視線をレオナルドへと戻した。


「あの男、顔に火傷しているの? あんな仮面だと逆に目立つのではないかしら」


「火傷の痕がひどくてね。顔の半分を覆っているんだよ」


 流石に人前で晒せるような範囲の痕ではないため、何らかの方法で隠すしかなかった。仮面が目立ちすぎるというのはレオナルドも同感であったが、ジョルジュが選ぶのなら仕方がない。

 ミレイニアは納得したような、した振りをしているような、どちらとも取れる意味深な眼差しを向けて頷いた。


「……忠告はしたわ。あとは勝手にして」


「ミレイニア姫は何故僕にそんな話を?」


 背中を向けようとしたミレイニアをすかさず呼び止める。

 ミレイニアがリーゼロッテを憎みきれていないことはわかっているが、あえて忠告する理由がレオナルドにはわからなかった。

 マリンハルトの暴走を助長させたのがグレインだというのであれば、妻であるミレイニアが邪魔をする必要があるのだろうか。

 首だけで振り返ったまま、ミレイニアは眉ひとつ動かさず唇に弧を描く。


「御姉様が貴方に笑っているから」


「え?」


「理由なんてそれで十分でしょう?」


 これ以上話すことはないと微笑みの壁を生み出して、ミレイニアはレオナルドを置いて歩き出してしまった。

 呼び止めたとしても、もう彼女の足は止まらないのだろう。

 リーゼロッテは考えの掴みにくい性格をしているが、ミレイニアも中々良い勝負である。

 レオナルドは自分の手元に残されたサラダに視線を落とす。これはきっとレオナルドに話しかける口実でしかなかったのだろう。

 その不器用さは、リーゼロッテに通じるところがある。


「……妙なところで似た者同士だなぁ」


 片手に持っていたグラスをサイドテーブルに置くと、レオナルドは添えられていたフォークを手に取った。

 食べ慣れていない新鮮な野菜のみずみずしさに感動しながら、レオナルドはミレイニアの不器用さに一人微笑んでいた。


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