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パソコンがトリップ  作者: ふす≒代筆者
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0009 常闇世の帳 その2

 主人公が強すぎる……。世界の法則に当てはまらない敵なんてものがたくさんいれば倒せそうなものですが、それはそれで出すのが難しいからな……


 強敵第一号。

 デロムから見て、この男は信頼に足るかどうか不明だ。何しろ今日この村に来たばかりであり、ろくろく話していないのだから。


「この村に来た風来者として、問題を解決してほしいのだ」

「厄介な魔物ならば倒そう。デロムはやつを倒せるか」


「不可能だ。そもそもやつを倒せるものがいるのなら、ジェリガ氏、貴殿に頼んだりはしない。この騎士団以外に村で戦闘能力を持つ人間はいない、ただ一人の例外もなく」


「ただし、俺はまだそこまで強くないようだ」


 あれで、まだそこまで強くないというのか。


「次のソフトはふたつから選べる…… 「野獣先輩」ゴベルムトと「永劫道程(えいごうDT)」ホマス、このふたつだ」


「何を言っているのか分からんが、「野獣先輩」…… 聞いたことがあるぞ」


 五体を強化する呪文のみを身に纏い、剣を帯びずにその爪と牙で敵を倒した。その戦いぶりから「野獣」というあざなが付き、後年は爪と牙を使う方法を親身に教えたことから「先輩」と呼ばれることが多く、そのふたつが結びつき「野獣先輩」となったのだと伝えられている。ちなみにただの人間であることは意外にも知られていない。


 ホマスは夭折の天才だ。空間を自在に曲げ伸ばしする呪文を考え出したが、寿命を延ばす魔法を模索し始めたところであっさり病死した。


「どちらも強いのか」


「それはそうだろう。五体を以て戦う術に、空間を自在に曲げ伸ばしする異形の魔法。永久に魔法が届かないという恐ろしい効果もあったようだし、爪で真空波を生じうるのは彼だけだろうからな」


 野獣というのは比喩ではない、並みの獣よりは素早く、そして鋭い一撃を放つのだ。寡聞にして彼の子孫がいるという話は聞かないが、肉体を鍛える集団「隠武(いんむ)」の開祖であるという説もある。


「パソコン、ごちそうだよ」

「ああ、悪いな。それではデロム、俺は宴を楽しんでくる」


 楽しみなど知らないかのような顔で、パソコンはデロムの視界から消えた。




 ささやかな村のちょっとした料理ではあるが、それは十分においしい料理だった。もっともろくに食事を口にしたことのないパソコンには、どのような食事でも同じだったのかもしれないが。


 ふんだんにジャムをつけた、どっしりした黒いパンに、うまいたれを付けた肉。ささやかなぜいたくを許したようなものに思えるが、いまのこの村にはこれが限界なのだ。


「申し訳ない、我々はいま耕作に必要な人々を多数失っているのだ」

「いえ、おいしいです!」


 変われば変わるものだとは言うが、カオリの変わりようは不気味なほどだ。


「パソコン殿、いかがかな」

「俺は味というものを知らなかった。これは『いい味』だ」


「それはそれは。では『甘い』ものを、どうぞ」

「ありがたい」


 正直すぎるのも考え物ではあるが、村長がそれを素直に受け止めるのも、大人物である証拠なのだろう。


 二人は、確かに宴を楽しんでいた。




「トラミウスが出たぞ――ッ!!」


 その言葉が広場に響いた瞬間、恐ろしい勢いで鐘が鳴り、蜘蛛の子を散らすように人々が散り散りに逃げていく。灯りが消え、人も引っ込み、瞬く間に村は静まり返る。後に残ったのは飛び散った食べ物と荒れた机たち、そして闇だ。


 しん、と無音に閉ざされた広場に、ジェリガとカオリは立っていた。


「え、なにこれ」

「黒いマントのような怪物が出るそうだ」


「なにそれ…… そんなに怖いかな?」

「怖くなければ逃げないだろう」


 ばたばたばた、と布が風に吹かれる音が聞こえ、二人は空を仰ぐ。


「あれか……」

「えいっ」


 氷の槍が飛翔し、その布のようなモノに穴を開けた。だがそれは布ではなかったのか、すぐに端から埋まって修復してしまう。脅威を察し、ジェリガは剣を作りだした。


 にわかに強い風が吹き、ばさばさと黒いものが揺れる。


 それは意思を持つかのように、とてつもない速度でジェリガへと突撃した。


「早いな」


 横へと移動し、瞬時に逆手へ持ち替えた剣で布を裂く。布は硬くもなく丈夫でもなかったが、逆にその不思議な手ごたえは不安を覚えさせる。


「カオリ、これが何だか分かるか」

「ううん、全然」


 黒い布である、というようなことは見たままの印象に過ぎない。


 こんなにも柔らかい布はそうそうないだろうし、そもそも布が自分から宙に舞って人間を襲い消したりはしない。なにかおぞましいものである、ということだけは確かだ。昔話の語る「常闇世」は元の世界でいう地獄にあたるのだろうか。


 地獄からの使者、などという陳腐な文句は語らせまい。


 不意に強く風が吹き、布はそのまま飛ばされて行った。

 すいませんふざけました。原作者様に許していただける限りどれだけでもふざけます。自粛なんて言葉は知りませんね。いやそれも冗談です。


 もちろん、原作者様からご注意があればすぐにでも修正しますのでだいじょうぶ! 心配ないですよ。

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