第7話 梶川輪子との出会い
「取り敢えず、パーティーの加入を許すことにするけど、アナタは私達とは別働隊の梶川輪子と組んでもらうわ。異論は?」
「理由を聞いてもいいかな?」
「まず第一に、私は10年前の事を許した覚えもないし、これからも許す気もない。」
なるほど。信頼されてないから除け者にされた訳だ。
「それに貴方の事だからどうせスパイ行動に向いてるスキルばっか取ってるんでしょ?なら、別働隊で働いてもらう。それだけよ。」
まぁ、スキルについてはご名答だ。なので、否定出来ない。
「了解。」
そう言うしか無かった。
そして、早速行動しようとし、
「梶川さんの所まで連れて行って貰おうかな?」
「海人、よろしく。」
「へいへい。」
そして、俺は海人に連れられて梶川輪子の元に向かった。
歩くことおよそ10分。梶川輪子の元に辿り着いた。
「コイツが梶川輪子。お前の上司にあたる人物だ。」
(人物って。女の子で良いじゃんか。普通に可愛いし。)
「んで、このボケっとしてるオーラが出てる男が」
「酷い!土井信次だよ〜。よろしく。」
「……よろしく。」
輪子は聞こえるか聞こえないかの声で呟いた。
(俺の苦手なタイプキタァァァァァ!!)
心の中で思いっきり叫びつつ、俺は右手を差し出した。
だが、輪子はキョトンとして俺の差し出した右手を凝視し始めた。
「ん?あぁ。言い忘れてたけど、コイツ極度のコミュ障だよ?ただ、右手を差し出しても意味が全く分かってないから。」
マジっすか!?コイツアリエネー。
まぁ、そんな事はどうでもいいとして。良くないけどね!
「えっと、俺本当にコイツの下で働くの?」
「もちろん。レベルで言えば、俺と同じの14だよ?」
「ダウトォォォォ!!!!」
「偏見が強いなぁ〜。少しは信じろ。まぁ、論より証拠だ。輪子、見せてやれ。」
ラッキー。普通ステータスは個人にしか見れないはずだ。
アイテムの所持数、性別、スキル熟練度など、全ての機能を見れるからだ。
だから、なんでこんなに簡単に見せるんだか分からなかった。
「これでいいの?海人。」
「oh…ギリギリじゃねーか!お前当分モンスター狩るの禁止な。」
「……了解……」
そういう事か。千早と同じレベル、若しくは上のレベルになっちゃダメなんだな。
リーダーが1番強いってほとんどのRPGプレイヤー特有の考えだなぁ〜。ポケ○ンとか思いっきりそんな奴らばっかだし。だから、最初に躓く事が多いんだよな〜。
でも待てよ。このパーティーのレベルの平均ってめちゃくちゃ高くね?という事は……
(俺の出番無くね?てか、要らなくね?)
ガーンという効果音が頭の中で流れつつ、主人公なのに……という負の感情が湧き上がってる中、今レベル12だから、もっと強くなってやると思いつつ、俺は辺りを見回した。だが、案内役の海人は消えていた。輪子がいる事を確認すると、帰ったのだろう。一言声掛けてくれたら良かったのに。友達として。
海人が帰ってから数分が経過した。
……やっていける気がしない。ヤバイ。めちゃくちゃ空気重い……やる気が削がれる。
そんな事考えてる時、突然右裾を強く引っ張られた。犯人は、もちろん輪子だ。
顔を向けてやるといきなり、こんな事を言われた。
「明日、この時間までに千早ちゃんよりもレベルを上げてきて。」
「ハイ?」
……やっぱりやっていける気がしねぇぇぇぇぇ!!




