第15話 再会
「久しぶり。それじゃあ、こんだけレベルが上がった理由と、千早達の情報をとっとと吐いてもらおうかしら」
「久しぶりに会って、第一声がそれかよ……ここは普通『元気にしてた?』とか、『すっごく心配してたんだからね!!』とかを恥ずかしがりながら言うもんなのに」
久しぶりに会って、俺自身の事は全く関心が無さそうに言ってくるから、ついうっかりツンデレ要素を求めると、
「あぁ、そう。そんなにそう言ってほしいのね。数時間前に、謎の人物っぽいアドバイスの仕方をしたのに、あっという間にリストラされてるし、行男を殺ったらしいし。ホント、アンタ何しに行ったのって言わないであげていたのに、別キャラを求めて、謝罪の1つもない人に、なんで貴方の要望だけ叶えないといけないのよ?」
「全くもって正論です。すみませんでした……!!マジで許してください。色々あり過ぎて、自分でも整理がついてないけど、順を追って話しますから!!」
後悔した。思いっ切り後悔した。キレる寸前だったのに、それに気付かず調子に乗って。ホント、俺最低だな。
電子が落ち着いた所で、俺は順を追って話し始めた。千早達と合流して、輪子という名の鬼と共に過ごした事。輪子から出された試練に対して、教わった場所で、1回限りのクエストを受けて、報酬でここまでレベルが上がった事。、その後に、ボスを倒しに行こうとしたら、行男が倒していて、互いの条件を賭けたデュエルをして勝った事。それに勝ったのに、条件は果たされず、行男がGMコマンドなる物を使って死んだ事になった事、拷問されて、ほっぽり出された事などを全て話すと、電子は、信じられないって言いたそうな顔をしたけれど、納得はしてくれた様だった。
「分かった。取り敢えず、宿屋に移動しましょうか。それからよ」
その言葉をキッカケに、俺達は、第3層の宿屋に向かった。
はずなんだけど……
「ねぇ、なんでこの層はこんなに宿屋が多いのかしら?」
「さぁ?どれも1泊の値段も団栗の背比べだし、どこかに入れば?」
「それで、もっと安い所があったら?他にも、2泊したら、半額になるとかがあれば?そこもきちんと考えた上での発言よね?」
「そんなの考えてる訳ないじゃん。今結構金あるし。だから、少し高めでもいいかなって思ってるんだけど?」
「あらそう。なら、ゴチになろうかしらね/」
「へいへい」
そう言って、この層で、結構高い方の宿屋に60日間契約で泊まることになった。ちなみに、金はすっからかんになったのは、言うまでもない。電子はと言うと、
「それじゃあ、1時間後にロビーで」
と言い残して、部屋に戻って行ったので、俺も情報を整理すべく、部屋に向かった。