第11話 スキル
村に向かっている間、モンスターと何戦か交えた。
その戦いは全て一撃で終わり、レベルも1つ上がった。
「それじゃあ、ボス部屋を見つけたら、即連絡する事。合流してからボス部屋に入るから。」
「了解。」
俺は連絡する気なんてなかった。ここらの敵を一撃で殺れるし、スキルも幾つか使える様になっているからだ。
「さ〜て。スキルでも取ってみますか。」
今使えるスキルは以下の通りだ。
『・攻撃力小上昇 (Lv1/20)
・防御力小上昇 (Lv1/20)
・追撃成功率上昇 20% (Lv1/5)
・追跡成功率上昇 20% (Lv1/5)
・隠蔽成功率上昇 20% (Lv1/5)
・耐状態異常 小 (Lv1/30)』
だ。もちろん、これらの派生スキルも存在する。攻撃力中上昇、攻撃力大上昇、攻撃力極大上昇などだ。
「もうちょい強いのを取れてもいいと思うんだけどな〜。」
そう思うのも無理もない。何故なら、取れるスキルが2つしかないのだ。
「耐状態異常は絶対入れるとして、もう一つをどうするかなんだけど……」
「追跡を押すべきよ。ボスに挑むならね。」
「ん?お前!まさか!!」
声がした方を向いても誰もいなかった。だが、声だけでも分かった。あの声は電子の声だと。
俺は電子に教わった通りに追跡を選択し、再びボス部屋を探し始めた。だが、それはあっという間に終わった。追跡スキルを試しに使うと、1つの足跡が出てきて、それを辿るとボス部屋に着いたのだ。
部屋の扉を開けようとすると、逆に部屋が空き、中から出てきた人物と、その発言に驚いた。
「ここのボスは俺が殺った。信次、俺と勝負しろ。もし、お前が勝てたならゲームマスターに会えるだろう。」
そう言って出てきたのは、行男だった。
「は?」