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昨日の敵は今日の舎弟?どうでもいいけどフラグ急すぎ

「おはようございます!アニキ!」

 先に言っておこう、俺に兄弟はいない。

 ましてや昨日殴り飛ばした先輩にアニキなどと呼ばれる筋合いはない。

「俺はあんたと血縁関係を持った覚えは微塵もないんだが…」

「いや、この相川隼人、あなたを心のアニキと定め、ついて行くと決めました!」

「まて!勝手に定めんな、決めんな!」

 こんなチャラ男のアニキなんて断固拒否する。萌え系の妹の兄なら大歓迎だ、絶対「おにーちゃん」と呼ばせる。

 おっといかん、話が逸れた。

「だいたい、あんた昨日俺に殴られたのになんでそんなことになるんだ!?」

「あの一撃と、アニキの言葉になにか、普通の人と違うものを感じたんです!」

 なにそのキモチ悪い青春アニメみたいな現象…

 アニメならまだ良かったけどリアルだといっそうキモチ悪い。………一応全国の青春アニメ好きに謝っておこう、これは俺個人の価値観による感想です。

 っていうか相川のこれが嘘じゃないからタチが悪い、表面上は慕うふりをして実は恨んでいてやり返す、とかならまだいいんだが…

 [好感度]80%

 ほっほぅい、杏奈より上じゃん!こんなん親友かゲイレベルだよ、あんたに何があったんだよ!?

「よしわかった、いや何がわかったかまったくわからんがわかった!だが断る!」

「なんでですか!?」

「てかキモチわりーよ!あんたそんな性格だった!?そんな喋り方だったっけ!?」

 俺の記憶が正しければこいつの喋り方は「THEチャラ男」的な感じだったはずだ!

「なんか…アニキにはこうなっちゃうんすよ、他のやつらは普通なんですけど」

 いらねぇー!そんな設定いらねぇー!ホント何があったの!?医者いった方がいいってマジで!

「とにかく!お願いします!これから真太郎さんをアニキとして、ついて行かせてください!ホントお願いします!」 

「ちょっ、あんたなにしてんだ!」

 相川はまだ登校してくるやつがたくさんいる校門で俺に土下座してきた、目立つ!目立つって!

「ああもう!わかったよ!好きにしろ!」

「ありがとうございます!!!」

 ………………こうして俺は、年上の舎弟を手に入れた。同時に校門付近にいた生徒のなけなしの好感度を失った。あと、「凪真太郎が先輩をシメて土下座させてた」というあながち間違ってない噂が広まりかけた。

 

 3日後、相川を杏奈に謝らせて、同時になぜか俺の舎弟になったことを説明した。

 杏奈は処理落ちしたのか頭から煙をだし、

「ああ~、そうなんだ!」

 となんか納得してた、引かれなくて本当によかった。

 そんなわけでやっと俺の平穏な日常がかえってきたのだ。

 これで友達が二人できたことと、キモチ悪い舎弟ができてしまったこと以外は、見えてしまう好感度のせいで上手く人と接することができない、いつもと同じ日々になるだろう。

 それはそれで青春真っ盛りの高校生としては悲しい気もするが、だって好感度見えちゃうしなぁ。

「シンタロー、ちょっと教えて欲しいことが…」

 俺の思考を遮るように、杏奈が声をかけてきた。

「杏奈、三分前にも同じ発言をしなかった?」

「い、いやー、さっきのはなんとか解けたんだけど…次のは問題文すら理解出来なくて…」

 分かると思うが杏奈はバカ、と呼ばれるたぐいの人間だ。悲しいかな平均ど真ん中の俺と比べても圧倒的なほどに。

 余談だが種川は頭いいよ。

 今は放課後、なのに俺達は勉強をしている。なんでかわかるかい?

 補習だよ……………

 まあ俺はこないだ風邪引いた日にたまたま小テストがあったからだけど…

 杏奈は……察してあげてほしい。

 そして今現在は先生が急用で一時的におらず、補習で自習というよくわからない状況になっている、さらに俺は杏奈の専属講師状態だ。

 まあ俺にとってはこうして杏奈と話せている状況が幸せだと思う、本来ならボッチまっしぐらだったんだ。

 これからもこんな日常が続けば………

「凪真太郎っている!?」

「はい?」

 続かなかった、この日、この時、補習室に乗り込み俺の名前をよんだこの女の子、原由佳里と出会ってしまった時点で、俺の平穏はずっと失なわれることとなった…




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