第八話『あぁ、目がいたい耳が痛い・・・だからおまえもいたがればかやろう』
お久しぶりですです野菜ともうしますです
遅くなってしまいごめんなさい!
今回はMayの異常性というか異質性を伝えようと四苦八苦したけっか・・・ひどいことになりました\(^o^)/
僕毎回こんなこといってますねww
今回は他に言うこともありませんのでそのまま本編です!
では・・・ゆっくりしていってね!
第八話『あぁ、目がいたい耳が痛い・・・だからおまえもいたがればかやろう』
side 秋
何が起きたのかを理解するのにしばらくの時間を有した。
目前で起きた圧倒的な光量を誇る音の爆発・・・俺がとっさにできたのは反射的に目をつぶり隣のコンテナの裏側へ転がり込むことだけだった
いてぇ・・・なんかこれは見覚えあるぞ
ゲームなんかでよくあるスタングレネード・・・視覚と聴覚を潰すための携帯爆弾
しかしMayの変化の巛でそんなものを隠して携帯できるとは思わないしそもそもあいつ投げる動作なんかしなかった
でも巛だけで再現できるのか?
光なら確かマグネシウムを加熱すると出せた気がするけど・・・ダメだどんぐらい光るのかわからん
・・・とだんだん耳が聞こえるようになってきた
目は・・・まだか・・・まぁもろに直視したもんな・・・
「聞こえたら返事してくれるかな~?そろそろ耳は使えるんじゃない?」
・・・まぁ逃げられるわけでもないし・・・しゃーないか
「なんだよ?にしてもずいぶんとせこい技を使うんだな?それともなんだ?こういうことをしなくちゃ怖くて対峙できないとか?」
視覚の回復のために時間を稼ごうとわざわざ挑発的な文面にしてMayに問いかける
「まぁあながち間違えてないよ、怖いもん。私は弱者だからね・・・でもこれはせこい技じゃないよ。そこだけは訂正する・・・これは生きるための『術』だ。」
またMayの雰囲気が変わる。情緒不安定というのとは少し違うのだろうが彼女の急激な『変化』にはどうもついていけない
「君はまだ日常に生きているつもりなんだろうね。まだこの平和に見える日本という国の国民のつもりなんだろう。まだ私の起こした『変化』についてこれてないんだろうね。」
Mayの履く厚底のローファーが床を叩き音を響かせる
変化したのはMayの雰囲気だけではない、この倉庫の中の全てが変化したように感じられた
自分が背をつけるコンテナがその鉄の硬度を失い僕を飲み込んでいるような感じがする
自分が足をつけている筈の床が遠く感じる
そこまでいってようやく自分が彼女にのまれていることに気がついた
気づいたからといってどうすることもできない、彼女は歩きながら、近づきなが言葉を紡ぎ続ける
「ならその『変化』に適応させてあげるのは私の仕事・・・サービスは終わり。
私と一緒においで?みんな歓迎してくれる。君の願いを叶えてあげられる。
君はこれまでの17年という人生を捨てて他のあらゆるすべてを手にする権利を得た・・・それを捨てるの?私と一緒に来ないということはつまりはそういうこと・・・くだらない、自分とは全く関係のないその他大勢を助けて夢を叶えて当然の権利を持つ私達の邪魔をする・・・あらゆるものを捨てて・・・絶望の中で死に至った私達の最後の希望すらも壊そうとする勝ち組・・・身勝手な理由で本当の意味での犠牲者から目を背け、ましてや証拠の隠滅をはかるかのように私達を狩る。私達には『グール』だなんて名前を・・・自分達にはまるで希望を意味するかのような『シード』だなんて名前をつけるような卑しい奴ら・・・嗚呼!憎んでも憎みきれない・・・ねぇシュー君?君はどう思う?」
何をいっているのかわからない
巛を使ったのであろう背をつけた筈のコンテナの中から話しかけられる
いつの間にここまでの接近を許したのか・・・そんな戸惑いを察したかのようにコンテナからは手が伸び、自分の存在を強調するかのように俺の体をはい回る
そんな状態に恐怖を感じ急いでコンテナから離れる
「なにを怯えているの?なにに怯えているの?私はただ聞いてるだけだよ?」
離れたコンテナから後を追いかけるように出てくるMay
さっきから何も『変化』していないあの異様な雰囲気を纏ったままの彼女は答えを返さないことが不満なのか端正なかおを歪ませている
「シュー君、教えてあげる・・・私の目的はね?君を家に連れて帰ること。・・・ね?こっちにおいで?」
連れて帰る?シードとグールは敵対しているんだろう?
「そ、そんなの無茶苦茶だ。俺は昇奇霊でお前は狂輪霊だろう!?」
おかしな話だ。騙しているとは言わない、それこそ理由がないからだ
正直なところいくら身体能力が上がったとしてもこのままMayと戦ったとして勝てるとは思えない。
絶対に負ける
なのに殺しに来ないのは警戒していると言うより他の理由があるからと考えられる
ならば連れ帰ると言うのは確かに本当なのかもしれない。・・・人質情報工作・・・考えられるものはいくつでもあるが正直なりたての僕がお役にたてそうなことはなにもない。
なぜ?どうして?僕をつれていくことになんのメリットがある!?
「そんなの関係無いんだよ、私達のボスの前ではね。」
ボ・・・ス?
level・・・5・・・グールの頂点
「それにしても・・・グールでいいんだよ?確かに名前をつけたやつもそれに疑問も抱かず使う奴も殺したくなるほど腹が立つけど・・・シュー君なら許そう」
そういって彼女は表情を崩して僕を迎えるかのように手を開く
それでも俺は動かない
それを見て諦めたのか笑顔を消して手も下げていく
彼女の傷ついたかのような表情を見ていると心がいたんだ・・・それでもMayのおさそいにのるわけにはいかない
「・・・ダメか・・・ま!仕方ないよねー」
さっきまでの雰囲気を霧散させるといきなりクルクルと回りだすMay
その決して長くないスカートからは男子にとってとても危険なモノが見えそうになっている
見えそうで見えない・・・そんな位置を保ちながら回転をしていたMayは飽きたのかその厚底のローファーの先でキュッと器用に回転を止めると顔だけこちらに向けて微笑みながら爆弾を落とす・・・
「また迎えに来るよ。もともと今日は生死確認と所在確認だけのつもりだったわけだしね、これ以上は逆効果だよ。・・・次はシュー君がこっちに来たくなるようなお土産を持ってくるからね☆」
とパチリッとウインクをして見せる。・・・なんだろうか・・・今の・・・Mayの言うお土産というものにすごく嫌な予感がした
止めるまもなく手をふりながら地面に飲まれて消えていくMay
俺はそれをなにもできずに見送っていた
ちなみにMayのスタングレネードはマグネシウムと火、あとはスナップの音量と向きを変化させて出しています。
といっても所詮は小細工のようなものなので効くのは人間と実践なれのない経験不足のシードくらいのものでしょうけどね。
まぁその代わり素材を持ち込む必要がないわけですからまぁ便利と言えば便利なんでしょうねー。