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3話 初めてのペットは雌犬姉妹

調子に乗って詰め込み過ぎた…


6/13 ご指摘頂いたHPを修正


常識の違いに絶望しかけた俺だが、何気なく入った梅屋のトイレに大量の葉っぱが棚に重ねられているのを見て、いっきに気分が向上した。

トイレ掃除に現れた店員さん(勿論NPC)に聞いてみると、庶民はトイレットペーパーの代わりに葉っぱを使用するらしい。


さらに都合が良いことに店員さんは冒険者志望らしく、ここでバイトしているのも客として訪れる冒険者達から生の声を聞くためらしい。

勉強熱心な彼は、冒険者としての知識だけなら既に一人前らしい。そんな彼が未だに冒険者にならずにバイトをしているのは、親が冒険者なんて野蛮な職業に就く事を猛烈に反対しているかららしい。



彼のNPCとしての役割は、冒険者として必要な常識や知識をプレイヤーに伝える事のようだ。

そんな彼に話しを聞いてみると、性奴隷にお尻を綺麗にさせるのは基本的に高位の冒険者のみらしい。

ちなみに、高位の冒険者にこのような方法が広まったのは、過去実在した伝説の冒険者がそうしていたと逸話が残っているからなのだそうだ。


なんでもその冒険者は、腕は超一流、性欲も超一流、鬼畜さも超一流で、ダンジョンに潜れば必ず隠された財宝を見つけてくるという幸運の持ち主だったそうだ。

そんな彼が後の世の冒険者の為に手引書を出版したのだが、その手引書にこの方法が書いてあるそうだ。

それ以来、一流の冒険者は偉大な先輩の逸話通りに、性奴隷に下の世話をさせているらしい。

一種のゲン担ぎのような物なのかもしれない。


「何故冒険者に広まったかと言うと、何とこの行為で幸運値が一時的に10プラスされるのです」

「は? その、トイレの仕方だけで?」

「一般的には知られていませんが、条件を満たす者が、特定の行動を取る事で一定時間、能力が上がるシステムがあるんです。逸話システムとか、ゲン担ぎシステムとか言われているらしいですよ」


色んなシステムがあるゲームだな。まあ、メリットがあるシステムなら大歓迎だけど。

それに一時的に能力値が上がるのは良くあるシステムだから、それほど珍しい訳じゃない。

ただ、料理を食べると能力値が一時的に上がるのが一般的なのに、上がる条件が特殊過ぎないか?


「幸運値プラス10は常に命の危険が付きまとう冒険者には魅力的ですし、性奴隷を保有していれば条件はクリアされるお手軽さが広まった最大の要因ですね」

「冒険者には幸運値を上げる手段として広まったけど、一般には冒険者の鬼畜な所業として広まっているのか」

「冒険者なんて職業は一般的にはやくざな商売ですからね。実態と噂がかけ離れた職業なので、両親の説得が大変なんです。まあ、噂も実際にある話しなんで、否定出来ないのが辛いですね」


一部の悪い部分だけ取り上げられて、冒険者全員がそうだと思われているのか。

俺も冒険者と聞くと、ロマンと富を求めていると同時に欲望に素直なイメージがある。

そういう俺も、冒険者として成功したらメイドさんを夜の奉仕付きで雇うつもりだし。


「この他にも逸話システム、ゲン担ぎシステムには15歳以下の男子が、神殿のシスターのスカートをめくって逃げ切ると敏捷値が5プラスされる、などもあります」

「なんか、30歳まで童貞だと魔法使いになれそうだな」

「あ、それは称号システムであります。なんでも職業魔法使いでは習得出来ない、特殊なスキルを習得出来るそうです。なかなか強力で便利なスキルらしですよ」


いくら強力で便利でも、流石に30歳まで童貞を守る自信は無い。

いや、そもそも守る気も無いが。


「この逸話システム、ゲン担ぎシステムは、どのような行動をすれば発動するのか完全には解明されていませんし、発動条件は常に増減しています。分かっているのは、皆が『こうすれば、こうなれる』と言う想いが一定以上ある場合は発動条件に加わり、一定の値を下回れば発動条件から外れる事だけです」

「発動条件とか探すのは結構面白そう、隠し要素っぽいし」

「逸話システム、ゲン担ぎシステムの発動条件を探求する逸話探求会と言うサークルがあるくらい、発動条件を探すのはマニアの間では流行っています。会員になれば逸話探求会が把握している発動条件を開示してくれますし、未発見の発動条件を報告すれば報奨金が出ますので、興味があるなら訪ねてみるのは如何でしょう?」


逸話研究会か、機会があれば訪ねてみるのも良いかもしれない。

その逸話を実践するかは別にして、知っていて損は無いシステムだ。

いつかはレベル上げの限界が訪れて伸び悩む時が来る。そんな時に能力値を底上げする手段は必要だろう。


「あと、何か知っておくと為になる事ってある?」

「そうですね。冒険者として知っておくと便利なのは、ブーストシステムですね。これは名前の通り、一時的に能力値にプラス補正を付与するシステムです」

「名前だけ聞くと自己支援スキルみたいだけど、スキルじゃないの?」

「スキルと似ていますが、似て非なる物です。このシステムは一定以上の名声値、悪名値があるキャラクターが専用のキーワードを唱える事で、世界のバックアップを受けて一時的に能力値を引き上げる事が出来ます。能力値の上げ幅は、そのキャラクターの名声値と悪名値が多ければ多いほど上がります」


名声とか悪名って、そういう効果があるのか。正直、意味の無いステータスだと思ってたよ。

この感じだと魅力にも何か意味があるのかもしれないな。

幼女の説明だと、他者に好かれる、だけだったが何かしらのシステムと連動している可能性は十分考えられる。


「後はキーワードを登録する際、既に登録者がいるワードを登録すると、二人目以降の登録者はブーストシステム使用時の能力値の上げ幅が下がりますので、注意してくださいね」

「つまり、ブーストシステムをフルで使用する場合は、オリジナルのキーワードを登録する必要があるって事か」


トラ○ザムとか、現実世界で有名なヤツは登録しない方が無難だな。他のプレイヤーが登録いるかもしれない。


「それで、どうやって登録するか知ってます?」

「名声値や悪名値が一定以上ある人物に、神様からの啓示があるみたいです。私も本で読んだだけなので、詳しくは知らないんです」

「ブーストシステムの事を教えてもらっただけで十分ですよ。逸話システム、ゲン担ぎシステムも教えてもらったし」


いや、バイトの兄ちゃんに、ここまで教えてもらえるとは予想外だよ。

もしかすると、この店に案内してくれたガドイも、この兄ちゃんがいるのを知っていて案内してくれたのかも知れない。


他に何か知っておくべき事とか無いかな?

あ、クエストの受けた方とか知らないな。冒険者になればクエスト報酬とドロップ品で生計を立てるのに、その方法を知らないのは問題だろう。

そもそも、俺はクエストの受注方法すら知らない。恐らく冒険者ギルドで受注するのだろうが、具体的な方法が分らない。

現実世界で言えば、人材派遣のバイトに登録すれば派遣のバイトが出来るのは知っているが、どうすれば派遣のバイトを人材派遣会社から斡旋して貰えるのか知らない状態だ。


「あと、クエストの受け方とか教えて欲しいですけど」

「そういう一般的な事は、僕より冒険者ギルドの職員に聞いた方が良いよ。冒険者ギルドも、基本的な事はきちんと登録時に教えてくれますし、彼らの方が専門ですから」

「そうですね、冒険者ギルドの人に聞いてみる事にします」


確かに、冒険者ギルドで聞いた方が確実だな。

冒険者ギルドもクエストの仲介料を取っているだろうから、冒険者がクエストをクリアしてくれないと儲けが出ない。

それに、クエストを受注して達成してくれる冒険者がいなければ、冒険者ギルドの売上が減ってしまうし、依頼者も次のクエスト依頼を出さないだろうから将来的にも冒険者ギルドは損してしまう。

それを防ぐ為にもクエスト受注方法などは、親切丁寧に教えてくれるだろう。


「それじゃ、僕はそろそろ仕事に戻るね」

「お仕事中にすいません、引きとめちゃって」

「いいよ。柄の悪い冒険者の対応も仕事の内だからね、店長にはそう言っておくから」

「…俺の対応はサボりの理由ですか?」

「柄の悪い冒険者の対応した時間の7割はサボりで、3割は本当に対応しているよ。まあ、同僚を含めて冒険者対応は都合の良いサボりの理由だけど。おっと、この事は店長にはナイショだよ」


親切に冒険者の事を教えてくれると思ったが、どうやらサボりの時間でもあったらしい。

ここは店内からは見えづらいトイレの前だから、外から見れば俺(冒険者)がバイトに言いがかりをつけているように見えるかもしれない。


「…そろそろ行きます」

「もう行くのかい? 僕としてはもう少しこのままでも良いと思うんだけど」

「真面目に働いてください」


いや、俺も余り人の事は言えないが。

長期休暇にやっていたバイトも、そこまで真剣にやっていた訳じゃないし。


トイレと店内を区切るドアを開け、そのまま梅屋の出口へと足を進める。

店員さん達のありがとうございました、の挨拶を背に梅屋を後にする。

目指すは冒険者ギルドだ。

と、気合を入れて冒険者ギルドを目指すが、元々冒険者ギルドの近くで食事をしていたので、梅屋の角を一つ曲がれば冒険者ギルドなのだが。




冒険者ギルドは梅屋の角を曲がり、10メートル程歩いた通りにあった。

外観は石造りの四階建ての建物で、デザインは辺りの建物と同じで装飾が無い為か無骨な印象を与える。

この建物が本当に冒険者ギルドなのか自信は無い。二本の剣が交差したそれっぽい紋章だけが、ここが冒険者ギルドだと感じさせる。

看板の一つでも出ていれば良いのだが、そんな親切な物は一切存在していない。


「よし、行くか。間違ってても、所詮はゲームだからな」



知らない建物に入る恐怖を殺し、冒険者ギルドの両開きのドアを開ける。

ドアの向こうは想像していた冒険者ギルドらしい無骨な感じではなく、現実世界の銀行のような堅い感じの窓口が並んでいた。


堅い感じなのは、冒険者ギルドを訪れる冒険者が一人もいないからだろう。

あるのは窓口と、窓口に待機している女性職員のみだ。その女性職員も着飾っている訳ではなく、地味な制服姿で表情も無表情だった。


その窓口も数が多く、どの窓口に行けば良いのか迷う。

窓口の立て札を見ていくと、入口の一番近くの窓口に総合案内と書かれた窓口があった。

俺の他には客はいないので、間違っていても迷惑にはならないどうと総合案内に足を進める。


「いらっしゃいませ」


俺が総合案内の窓口に行くと、窓口の女性職員がビジネスマナーのマニュアルに出てきそうな挨拶をして来た。

NPCだからなのか、その動作は機械的で正しい動作に見えるが、感情が現れていない為どうしても不気味に感じてしまう。


「すいません、冒険者になりたいんですけど」

「冒険者登録ですね、登録窓口は二階になります。こちらの番号札をお持ちください」

「二階ですね、ありがとうございます」


女性職員から番号札を受け取る。番号札の番号は、客は俺しかいないので当然1番だ。

俺は二階へと足を運ぶ。

二階も一階と同じように窓口が並んでおり、無表情の女性職員が待機していた。

窓口の立て札には新規登録の文字があるので、ここで冒険者の登録を行うのだろう。


四つある窓口の一つ、一番左側の窓口に一番と書かれた立て札が置いてある。

先程受け取った番号札と同じ番号なので、一番左側の窓口に進んでみる。


「すいません、冒険者になりたいんですが」

「新規登録ですね。どうぞお掛け下さい」


窓口にある椅子に座り、女性職員と向き合う。

女性職員は知的な感じで20代後半に見えた。


「それでは、冒険者についてはどの程度知っておられますか?」

「すいません、殆ど知りません。何となく、ダンジョンに潜るイメージはあるんですが」

「いえ、一般の方の認識はそのようなものですので、特に気にしないでください。それでは、まずは冒険者がどのような職業なのかをご説明致します」

「宜しくお願いします」


冒険者登録は、冒険者がどのような職業なのかの説明から始まるようだ。

しかし、その程度は調べとけよ、と現実世界なら一喝されそうだな。

そこはゲーム世界の弊害、いや特権なのか? どちらにしろ、不審に思われていないのは助かる。


「冒険者は基本的にモンスターを狩り、モンスターがドロップする魔石を売却して生計を立てます。魔石については知っていると思いますが、様々なマジックアイテムの動力に使用される燃料ですね」

「動力に使用される燃料、石油みたいな物か」

「石油? 話しを進めますが、魔石は世界に満ちる魔力が結晶化した物です。魔力は通常結晶化しないのですが、人々の負の念が魔力と結合する事で固体化します」

「負の念と結合? 何故負の念と結合するのです?」

「古の邪神の呪いと言われています。邪神の呪いにより、本来無色であるはずの魔力が負の念と結び付くようになりました。そして負の念と結び付いた魔力は邪気と呼ばれるようになり、邪気はモンスターと呼ばれる存在を誕生させました。と、この話しは日曜学校で習いませんでしたか?」

「…すいません、不真面目な生徒だったもので」


おぅ、これはこの世界の一般常識だったのか。

しかし、NPCなんだから流してくれれば良いのに。


「そうですか、それなら仕方ないですね。誕生したモンスターは全て、周囲の魔力を吸収し邪気を生成する特殊な器官を持っていました。そして、モンスターは自身が生成した邪気を利用して、さらなる強大な存在にランクアップしやすい特性を持っていました」

「それじゃ、モンスターは人よりランクアップしやすかったんですか?」

「そう言われています。人がランクアップする確率を1とすれば、モンスターがランクアップする確率は10と言われていました。そんな人とモンスターは生存をかけて争いましたが、人とモンスターの争いはモンスターの圧倒的有利に進んだそうです」

「まあ、ランクアップする確率に10倍の開きがあれば、そうなりますよね。それに、モンスターを誕生させる邪気が、人の負の念により発生するって事は…」

「はい、人が死ねば死ぬほど負の念は発生し続けたそうです」


まさに、負のスパイラル。

負の念が邪気を生み、邪気がモンスターを生む。そして、モンスターがさらなる負の念を生みだし、邪気を生みだす。

次第にモンスターは数を増やしただろうし、人より強い力を持っているのにランクアップにより強大な存在になりやすい生物。

どうやって人間は生き残ったのだろうか?

って、神様の力を借りたんだろけど。


「モンスターが地上にあふれた頃、人々は神々に祈りました。人々の祈りに答えた神々は、邪気を吸収する装置を創りだし、地上に存在していた全てのモンスターと共に地下の牢獄に封じ込めました」

「でも、今はモンスターが地上に存在してますよ? 全てのモンスターを地下に封じ込めたなら、なんで存在しているです?」

「人の業ですね。神々の計画では地下に封じ込めたモンスターも生物である以上、寿命があり何れ死に絶えます。新たな邪気により生みだされるモンスターも、邪気を吸収する装置と共に設置された邪気を浄化する装置の力により生みだされないはずでした」

「あ、何となく分った。浄化する邪気よりも、発生する邪気の方が多かった」

「その通りです、浄化されなかった邪気は新たなモンスターを生みだしました。やがて、その数はモンスターを封じていた牢獄の容量を超えました。それだけならば、神が創りだした牢獄が破られる事は無く、地上は無事なはずでした」



ふむ、話しが段々と確信に近付いてきたな。

恐らく、何かきっかけがあったんだろう。神の創った牢獄を破る程の、何かが。

予想だと、邪神の復活とかかな?


「牢獄に封じられたモンスター達は互いに争い、喰らい、ランクアップを続けたのです。そして、ついに神の牢獄を破る力を得る程のランクアップを行った個体が現れました」

「その個体が、神の牢獄を破った?」

「はい。牢獄を破ったモンスターは再び地上を蹂躙しました。牢獄で力を得たモンスターは人の勝てる存在ではなかったのです。」


壺毒って奴か。牢獄で争ったモンスター達、やがてその争いが最強のモンスターを生みだした。


「神の力を超えたモンスター、後に魔王級モンスターと呼ばれる存在を封じる力は神々には存在しませんでした。そして、魔王級モンスターも生物という枠内にいる以上、命を生みだす神々とって命を奪う事は許され無いことでした」

「神様達が、なんで牢獄に封じて自然に死滅するのを待ったのか疑問だったけど理由が分りました。神様にとって、どのような存在でも生物の命を奪う事は出来ないのか」

「その通りです。神々がモンスターと戦えない以上、人間がモンスターと戦う必要がありました」

「神々の力を借りて、モンスターを戦って事? 聖剣とかで?」


神様から授けれた力と聖剣で魔王を倒すのがお約束だ。

でも、この方法だと職業システムがある理由が無いな。このゲームを造った幼女の説明だと、邪神が生み出したモンスターに対抗する為に与えられた神の祝福が、職業システムだったはず。


「力を借りたとしても、その力は神の力です。その力で生き物を殺す事は出来ません。その為、神々はランクアップ以外の、ランクアップよりも容易に力を得る事が出来る職業システムを創りだしたのです」

「職業システムで強くなった力は人の力だから、モンスターを殺しても問題無いって事ですね」

「その通りです。先程貴方が言った聖剣も、神の力を使わない武器、世界に満ちる魔力を吸収して攻撃力に変える類の武器が創られ、人の手に渡ったそうです」

「あの、その方法は大丈夫なんですか?」


なんか、神様の力を使って創られた武器でモンスターを殺すって、さっきのルールから考えるとアウトな気がするのだが。

それとも、何か抜け道があるのか?


「神の力で生き物を殺さなければ、禁忌に触れる事は無いようです。この類の武器の場合、モンスターを殺すのは集めた魔力ですから」

「凄い理屈。その理屈だと、人に魔力を集める能力を与えても良かったんじゃ?」


この方法なら、職業レベルを上げるとか面倒な手間をかけずに強くなれる。

ようは、職業システムは本人の力をチマチマと増やしていく方式、聖剣は他から一気に力を集める方式。

どう考えても、後者の方が楽だと思うのだが。


「最近の研究の結果、並みの人間が上級モンスターを殺せるだけの魔力を吸収すると、肉体が耐えられずに爆発して死ぬそうですよ」

「…何事も、身の丈にあった方法が一番ですね」

「そうですね」


肉体が爆発って、どんな猟奇ゲームだ。

まあ、理屈から考えれば自然な事なんだろうけどさ。

容量を超えたモノを積み込めば、容器は破裂する。

聖剣が聖剣たりうるのは魔力を吸収出来るからではなく、それだけの魔力を吸収しても無事な容量あっての事か。


「さて、話を戻します。人は職業システムによりモンスターと戦う力を手に入れ、ついには魔王級モンスターを討伐する事に成功しました。しかし、全てのモンスターを駆逐する事は物理的に不可能でした」

「まあ、邪気により無限に発生するなら、モンスターを滅亡させるのは無理だな」

「はい。幸い、神々が創った邪気を吸収する装置が無事でしたので、モンスターが発生する場所が牢獄に限定されるとは言え、その牢獄の檻は既に開かれています」

「…檻が開かれた牢獄。それって、ダンジョンの事?」

「その通りです。ダンジョンは、かつて神々が創りだした牢獄が、魔王級モンスターによって檻が破壊された為に発生します。勿論、全てのダンジョンがこのパターンで誕生した訳ではなく、例外的に中のモンスターを人に討伐させる為、神々が檻を開いたダンジョンも存在しています」


女性職員の話しと、ここに来るまでのNPCの説明を総合するとダンジョンは複数存在する。

つまり、ダンジョンの数イコール、同じ数の魔王が存在したかもしれないって事だ。

神々から檻を開いたダンジョンもあるみたいだが、例外がそう多く発生する事は無いだろう。



なんか怖い、魔王復活イベントとかありそうで。



「また、牢獄は創った神により内部構造が異なり、その広さも違います。そして、迷宮の広さと誕生する魔王の力は比例します。この街のような大迷宮クラスの牢獄が生み出す、魔王級モンスターの魔王ランクはSクラス、大陸をも滅ぼし得る力を保持しています。まあ、初心者ダンジョンの元になる小規模牢獄が生み出す魔王級モンスターの魔王ランクはDと低いのですが、魔王級である時点で神の封印を破る力を得ており、種族ランクで言えば種族ランクSS以上なので間違っても魔王と戦わない方が身の為です」


…格下魔王でも、SSランク以上なのか。

確か人間って、幼女の説明だと種族ランクDなんだよな。



よし、魔王復活(誕生イベント?)があったら真っ先に逃げよう。



「モンスターが誕生した経緯は分りましたが、地上にモンスターが生息している理由は何なんです? そんなに牢獄が破られたり、ダンジョンから出てきたりしているんですか?」

「地上に生息しているモンスターは基本的に、牢獄が破られた際に魔王級モンスターと共に地上を襲ったモンスターの子孫です」

「モンスターは邪気から発生するんじゃ無いんですか? それに邪気は牢獄に吸収されるから、地上じゃモンスターは発生しないんじゃないですか?」

「モンスターも生物である以上、繁殖によって個体数を増やす事が出来ます。地上に生息しているモンスターは主に、自然繁殖によって固体数を増やしたモンスターです」


自然繁殖によって数を増やしたモンスターか。

・・・18禁ゲームだと、モンスターが女冒険者を孕ますのが王道だし、自然繁殖もそれ程変な事じゃないのかもしれない。

それと、17歳の高校生が18禁ゲームの内容を何故知っているかは秘密だ。



「それでは、冒険者と言う職業の誕生までをご説明しますね。魔王級モンスターは勇者と呼ばれた方々の活躍により討伐されましたが、モンスターを死滅させた訳ではありませんし、邪気によりモンスターは無限に誕生し続けます。誰かが、モンスターが増えすぎないよう間引く必要がありました」

「それが、冒険者?」

「はい。当時はモンスターと戦う危険で、実入りが少ない職業だった為になり手がいなかったそうです。当時の冒険者は世界の安全を守るという使命感のみで戦う、高潔な存在だったと伝わっています」


なんか、俺の冒険者のイメージと反対だな。

今の冒険者は強欲で、傲慢なイメージなんだけど。


「当時の冒険者もモンスターのドロップ品を売っていたのですが、商品として扱われたのはモンスターの牙や毛皮などの、ドロップ率が低いアイテムだけだったそうです。冒険者一人一人のドロップ品は数が少なく、冒険者達がドロップ品を持ちあう事でなんとか安定的に市場に流せる量になったそうです。そして、やがて冒険者は冒険者ギルドと呼ばれる組織を立ち上げ、ギルドを通じてドロップ品を市場に流す事が通例となりました」

「その説明だけ聞くと、細々と運営されている感じなんですが、どうやってここまで発展したんですか?」

「それは大陸中の国々からダンジョンの管理権を押し付けられたのと、魔力が結晶化した魔石の資源化に成功したからです。文明を支える資源となった魔石の一番の供給源は、モンスターのドロップ品でした。それまでは使命感でモンスターを狩るのが冒険者でしたが、魔石が富を生む事に気が付いた人々はそれまで忌避していた冒険者という職業に飛びつきました」

「俺みたいなのが増えて、冒険者の絶対数が増えたと。冒険者の絶対数が増えた事で冒険者ギルドが扱う商品も増えて、次第に冒険者ギルドの規模も大きくなったのか」


まあ、冒険者が毎日魔石以外のドロップ品を手にする確率は低いし、同じモンスターを狩り続ける訳でもない。

それなら、冒険者一人一人が売るよりも、冒険者全員のドロップ品をまとめれば安定的に供給出来るようになる。

そしてそれは魔石が発見された後も変わらず、現実世界でいうオイルマネーが冒険者ギルドに集中したって事だ。


「さて、話を元の冒険者とはどのような職業か、に戻しましょう。現代ではモンスターを狩り、魔石を手に入れて生計を立てる職業と定義されます」

「あの、それじゃクエスト報酬って無いんですか?」

「勿論あります。地上のモンスターを狩るのとダンジョンのモンスターを狩るのでは、後者の方が効率良く稼げる為、冒険者が地上のモンスターを狩る事は少ないのです。しかし、人々が恐れるのは地上のモンスターです」


それは確かにその通りだ。

見えない強大なモンスターよりも、目の前の弱いモンスターの方が一般人は恐れるだろう。

前者のモンスターが明日にでも自身を害する可能性は少なく、後者のモンスターは明日にでも自身を害するかもしれないのだから。


「住んでいる村がモンスターに襲われそう、畑を荒らすモンスターを倒してくれと冒険者に頼んでも、魔石収入が少ない為に冒険者が討伐に訪れる事は滅多にありません。そこで、クエストという形にして、少ない魔石収入を補てんするクエスト報酬を出す事で、人々は地上に生息するモンスターを駆除するように冒険者に依頼するのです」

「それじゃ、クエストは討伐依頼しか無いんですか? お使いクエストとか採取クエストとかは無いんですか?」

「わざわざ冒険者にお使いクエストを依頼する依頼主はいません。よろずやに頼んだ方が安上がりです。採取クエストは魔の森など、モンスターが生息している森から貴重な薬草を採取して欲しいという依頼は稀にありますが、数は多くありません」


お使いクエストは無いのか。まあ、確かに冒険者に頼むよりも、よろずやに頼んだ方が安上がりだろう。

そもそも、お使いクエストを冒険者がやらなくてはならない状況なんて、そうそう無いだろうし。

…手紙を届けるだけなら、子供でも出来るからなぁ


「クエストの種類としては商人護衛などがありますが、商人の方も面識のない冒険者よりも面識のある冒険者を個人的に雇う事が多いので、冒険者ギルドに依頼される事は少ないですね」

「何だかんだで、冒険者の一番の収入は魔石って事ですか?」

「そうですね。クエストは基本、魔石だけの収入では暮らしていけない初級から中級の冒険者が受けるものです」

「魔石で生活出来るように頑張ります。買い取りは冒険者ギルドで行っているんですか?」

「冒険者ギルドの一階窓口で行っています。冒険者としてのランクが上がった場合は、三階の特別室での買い取りになります」


特別室か、ちょっと憧れる。

現実世界では特別室とか、まったく縁がない生活を送っていたからどんな場所か気になるのだ。

…それに窓口って混むから、なるべく人の少ない静かな所で対応して欲しいし。


「あの、冒険者のランクって?」

「冒険者のベースレベル、職業レベル、冒険者ギルドへの魔石売却の合計額を総合してランクが決まります。ベースレベル、職業レベルは冒険者自身の能力を、冒険者ギルドへの魔石売却の合計額は冒険者の実績となります」

「なるほど」

「冒険者ランクにより、冒険者ギルドや提携店から受けられるサービスの質が向上します。また、冒険者ランクは個人に対するランクになりますので、パーティやギルドには場合は別のランクシステムが存在します。パーティやギルドのご説明は必要ですか?」

「今回は大丈夫です」


ぼっち生活の俺がパーティやギルドの説明を聞いても、意味があるとは思えない。

まあ、世の中にはソロギルドを作っている人もいるから、まったく無関係では無いけど。


でも、今は個人の話しの方が重要だ。

つまり個人のランクは、強くなるだけじゃ冒険者ランクは上がらないのか。

しかも、冒険者ギルドへの魔石売却の合計額って事は、冒険者ギルド以外に魔石を売却してもランクは上がらないって事だ。

俺としては冒険者ギルドの買い取り額よりも高いなら他に売っても良いけど、ランクが上がらないデメリットを帳消しにしてくれる額である事は絶対条件だ。


多分、他の冒険者もこの絶対条件は同じだろう。

そうなると他の業者も冒険者ギルドから仕入れるよりも、仕入れ原価が高くなる可能性があるから買い取り業務を行っているか分らないな。


「冒険者ギルドからのサービスですか。ちなみに冒険者になる事で発生する義務ってありますか? 上納金を納めないといけないとか」

「冒険者になって生じる義務は特にございません。強いて言えば、モンスターを狩る事が冒険者の義務ですね。他には、別の冒険者の方とトラブルになった場合は、冒険者ギルドの調停に従ってください」

「何か物騒ですね、モンスターとの共存は出来ないんですか?」


もし、この世界の風潮がモンスターは全て殺せ、だったらモンスターをテイム出来ないじゃないか。

メイドハーレムと並んで、女の子モンスターハーレムも夢見てるんだけど。


「人とモンスターが共存する例はあります。所謂テイムモンスターがそれにあたります。テイムモンスターは人と絆を結ぶ事で、魔力を吸収して邪気を生み出す器官が邪気を吸収して正常な魔力に還元する器官に変化する事が確認されています」

「本当ですか?」

「本当です。また、テイムモンスターはランクアップする事で強さだけでなく、浄化出来る邪気の量が増えますので聖獣として扱われます」


聖獣として扱われるなら、俺の女の子モンスターハーレム計画に支障なさそうだ。

そう、俺は聖獣を性獣として扱うのだ。


「それでは、新規登録を始めても宜しいですか?」

「はい、お願いします」


特に義務が無いなら問題無い。

義務として上納金の支払いとかがあったら考えるけど、特に義務が無いなら登録しておいても損は無し。


「それでは、こちらに必要事項を記載してください」


女性職員が差し出した用紙は、一番上に申込用紙と書かれたA4サイズの紙だった。

項目を確認すると記入するのは、氏名、年齢、性別の三つしか無い。


「ベースレベルとか、職業レベルとかは記載しなくて良いんですか? 先程の説明だと、冒険者ランクにはベースレベルと職業レベルが関係するって事でしたが」

「そちらに関しては計測後に此方で記載致します」

「分りました」



申込用紙は日本語で書かれているので、日本語で記入する事にする。

氏名の欄で本名を記載しそうになるが、意識する事でゲームキャラ名であるアレクを記入して、後は自然に17と男の文字を記入して女性職員に申込用紙を提出する。


「アレク様ですね、只今冒険者証明カードを発行致しますので少々お待ちください」

「冒険者証明書カード、ですか?」

「はい、こちらになります」

「って、発行はやっ!」


冒険者証明書カードの質問をしようと思った瞬間、既にカードの発行は終わっていた。

女性職員が取りだしたカードは現実世界の免許書と同じサイズで、カードには冒険者証明と記載されている。そしてカードの右側にICチップのような物が埋め込まれていた。


勿論、俺が先程申込用紙に記入した氏名、年齢、性別が記載されている。

免許書との一番の違いは、生年月日が記載されていない事、住所が記載されていない事、顔写真が無い事だろうか?

…原付の免許を持ってる友達の免許書を何度か見ただけなので、そこまで詳しく無いのでよく違いが分らないが。


「ベースレベルと職業レベルが空欄ですね」

「そちらは計測結果が表示されます。アレク様、カードのこの部分を触れてみてください」

「ここですか?」


女性職員が指さしたICチップのような箇所に触れてみる。

すると、何か力が抜ける感覚と、何かが体を駆け巡る二つ感覚を覚えた。


「以上で冒険者証明カードへの登録と、レベルの計測が終了しました」

「あ、レベルが表示されてる」


今まで空欄だった冒険者証明カードのベースレベルの欄には1が表示されていた。

…無職の為か、職業レベルは相変わらず空欄だ。


「簡単に冒険者証明カードをご説明致します。こちらのカードはアレク様が冒険者である事と、そのランクを証明するカードになります」

「ちなみに、ランクってどうやって証明するんですか?」

「職業レベルの下に空きスペースがあると思いますが、そちらにランクに応じて星マークが表示されます。現在アレク様のランクは駆け出しの為、星マークは表示されていません。ランク1になる条件はベースレベル3以上、職業レベル1以上、魔石売却額1000ゴル以上になります」

「駆け出しを卒業出来るよう、頑張ります」

「ふふ、頑張ってくださいね。それでは、カードの裏面をご覧ください」

「裏面ですか?」


カードを裏返して見ると、そこには10個の星マークが記載されていた。

10個の星マークの内、左から7個までは黄色に染まっており、8個目も半分程度黄色く染まっている。


「裏面の星ですが、10個全てが染まるとベースレベルが上がります」

「本当ですか。なんで分るんですか?」

「アレク様のベースレベルを計測した技術の応用です。ベースレベルは後どのくらいでレベルアップするのか分らない為、冒険者ギルドの技術力の粋を集めて作成したのがこのカードなのです」

「凄い便利じゃないですか」

「ありがとうございます。この表示はリアルタイムで更新されませんので、現在の状況を確認する際は事前に計測を実施してください。また、カードを再発行する場合は手数料がかかりますのでご注意ください」


現実世界のゲームみたいに、リアルタイムに経験値の取得状況が分からないのは不便だが、全く分からないよりはマシだ。

それに、この表示を信じるなら後少しでレベルアップ出来る。

プルンを15匹倒してもレベルが上がらないから、スキルの熟練度の例もあるしレベルが上がりにくいのかと思ってたよ。


「以上で、アレク様の冒険者登録は終了です。何かご質問はございますか?」

「いえ、大丈夫です」

「本日は、ご登録ありがとうございました。またのお越しをお待ちしております」

「ありがとうございました」


登録窓口を離れ、これからの予定を考える。

冒険者ギルドにある時計に目をやると、15時を回ったところだった。

このまま散歩をして時間をつぶすのも良いが、折角後少しでレベルが上がる状態なので今日中にベースレベルを2にしてしまうのも良いかもしれない。


冒険者ギルドから出て左右を見渡す。

確か冒険者ギルドは街の北東地区に存在しているので、ここから街の外に出る近道は、北門か東門になる。北門から出ると大農園が、東門から出るとパルキア要塞がある。

なんとなく要塞がある方より、農園がある方が安全な感じがするので北門から街の外に出る事しよう。


プルンを15匹倒して、冒険者カードの星が7個と半個の色が染まった。数値に直せば75%はあるだろう。

なら、プルンを一匹倒せば5%上がる計算だから、後5匹倒せばレベルアップできるはずだ。


そんな計算をしながら北門に向かって歩いていくと、門が開いている城門が見えてきた。

・・・開いてて良かった。

それが正直な感想だ。また東門みたいに、勝手に開けなくちゃいけないのかと内心不安だったのだ。


「あの、城門が開いているんですが、外に出ても大丈夫ですか?」


城門を監視している衛兵NPCに声をかける。

下手に外に出て、帰ってきたら城門が閉じていたでは洒落にならない。


「装置の故障だとかで、当分はこのままだよ。キチンと身分を証明してくれれば、出入りはある程度自由に出来るよ」

「ありがとうございます。それでは、少し街から出ますので」

「おう、気をつけてな」


装置の故障か、俺のせいじゃないよな?

きっとあれだ、テスターが毎回城門を開けるのは面倒だから、誰かが最初に開けたら故障が発生して開けっ放しになる仕様なんだ。

きっとそうだ。


警官の目の前を通り過ぎる犯罪者の気持ちで、出来るだけ目立たないように城門を抜ける。

城門を通り過ぎた後も衛兵NPCが監視しているかもしれないと、ある程度の距離を歩くまで警戒態勢を続ける。


警戒態勢のまま歩き続け、城門からある程度離れたところで目の前を横切る一匹のプルンを見つけた。


「ヒャハ!!」


緊張感から解放された影響か、テンションが上がった俺は奇声を発しながらプルンに突撃する。


まずは先制の一撃をプルンに叩き込む。

そしてプルンの攻撃体制が整う前に、プルンに二連撃を叩きこむイメージを強く思い浮かべる。

イメージした瞬間、体が勝手に動く。素早く体を引き戻し、瞬時に二連撃をプルンに叩き込む。

計三発の攻撃はプルンの体が弾ける。


「今のはノーダメージだったし、良い感じだったな」


冒険者カードを取りだし、ICチップのような部分を指で持つ。

何かが俺の体を駆け巡る。駆け回る感覚が無くなった後にカードを裏返すと、8個目の星マークが完全に黄色く染まっていた。


「後、星二個でレベルアップか。この感じだと、やっぱり後四匹でレベルアップ出来そうだな」


目標が分れば、モチベーションも上がる。

残りSPは3で、ダブルアタックは使えない。先程のようなノーダメージ戦法は使えない為、ヒットアンドアウェイ作戦で残りの四匹を倒そう。



午前中と同じように一匹で活動するプルンを探し、見つけると背後から一撃。

プルンの攻撃を回避し、さらに二撃目を叩き込む。

再びプルンの攻撃を回避し、止めの三撃目を叩き込む。

これだけの作業でプルンの体は弾け、プルンがいた場所には石ころが残っている。


この石が冒険者ギルドで聞いた魔石なのだろう。

この魔石売却の合計額が、冒険者ランクの判定基準の一つになっているからきちんと拾っておく。

ちりも積もれば山となる、の精神だ。


同じような作業で、一匹で活動しているプルンを続けて二匹倒す。

四匹目を見つけた頃にはSPが5まで回復したので、最後の四匹目は先程のノーダメージ戦法で倒す事にした。


まずは一撃目。これは今までと同じように背後からの一撃だ。

だが、ここからが今までとは違う。

今まではプルンの攻撃を回避してきたが、プルンが攻撃する前に二連撃を叩き込む自分をイメージする。

すると伸ばしていた右腕が瞬時に引き戻され、次の瞬間には俺はプルンに対して二連撃を叩き込んでいた。


スキルの発動をイメージしてから、スキルの効果が終了するまでの時間は殆ど一瞬だった。

しかも、とても次の攻撃には移れない体制だったはずなのに、俺が普段体制を整えるのに必要な時間よりも短い時間で攻撃を終わらせている。


「これがアクティブスキルの効果、なのか?」


どんな体制でも瞬時に攻撃に移れるのか、検証してみるのも面白いかもしれない。

仮に倒れた体制からでも瞬時に攻撃に移れるなら、それは俺にかなりのメリットをもたらすだろう。


0になったSPも、四匹目を倒した瞬間に全快している。

折角だから、ちょっと寝っ転がってアクティブスキルの検証をやってみるか。

思い立ったら即行動、ちょっと寝っ転がろうとしたところ何かの音が聞こえた。


「プギィ!」

「豚の鳴き声か?」


流石に安全を確認する前に寝っ転がる勇気は無いので、豚の鳴き声が聞こえた方に足を進め、鳴き声の正体を確認する事にする。

三メートル程進むと、下り坂が見えてきた。その下り坂の先に豚面の怪物がいた。


豚面の怪物は二本の足で立ち、右手には棍棒を手にしている。

その体型は一言で言えば力士体型だ。その体は巨大で、腹には贅肉が付いている。

その顔と相まって、とても見るに堪えない。


「あれがオークかな?」


ゲームではお馴染みのモンスターだ。力と体力はあるが、馬鹿で本能で行動しているイメージがある。

それはこのゲームでも同じなはずだ。ログインする前の幼女の説明だとそうだった。

ただ、筋力と体力が二桁あり、俺の筋力の初期値と比べると三倍の差がついている。

ちなみにオークのHPは200で、HP50の人間の四倍だ。


「何かを襲っているのか?」


棍棒を振り上げるオークの足元には、何か別の獣が二匹いた。

ココからでは毛皮しか見えないが、確かに生き物がいるのは間違い無い。

しかも毛皮は美しく、とても野生動物の毛皮には見えない。


「子犬? いや、二本の足で立ってるな」


二本の足で立ってるって事は、襲われているのもモンスターなのかな?

モンスターで犬型って事は、コボルトが襲われているのかもしれない。


「ふむ。どうしよう、助けようかな?」


犬好きな俺としては、モンスターとは言え犬型の生き物を見殺しにはしたくない。

が、身体能力が格上のオークに戦いを挑むのは嫌だ。

しかも位置関係が俺、コボルト、オークになっているから、得意の背後攻撃が使えない。

今からオークの背後に回っていたら、オークの背後に辿りつく頃にはコボルトはミンチになっている可能性が非常に高い。


「正面突破なんて柄じゃないんだけど、ゲーム初日だし、まあいいか」


安全第一がモットーなのだが、ゲーム初日の記念日だし勇者的な行動をしてみるのも良いかもしれない。

それに、所詮はゲームだ。死んでも現実世界に戻るだけだ。


「そうと決まれば行動だ!」


この時の俺は、どうかしていたのかもしれない。

もしかしたら、レベルアップした事で気分が高揚していたのかもしれない。

腰に装備している初心者のナイフを確認し、右手でしっかりと護身用のナイフ握りしめる。


そして俺は下り坂を駆け下り、今まさにコボルトに棍棒を振り下ろそうとしていたオークに飛び蹴りを喰らわすのだった。

オークと俺とでは体重差があるからか、飛び蹴りが胸に直撃したにも関わらずオークは二歩後ろに後退しただけだった。


が、今はそれで十分。

俺はオークと二匹のコボルトの間に着地。オークが突然の攻撃に混乱する隙をつき、その贅肉で覆われた腹にナイフを突き立てる。

ナイフの根元まで差し込んでも、オークが倒れる様子は無い。

逆に怒りにより混乱から脱したオークが、俺に向けて棍棒を振り上げる。

その姿を捉えた俺は素早くナイフを引き抜き、プルンで鍛えた背後に回り込む動きで棍棒を避ける。

そして今度はオークの背中にナイフを根元まで突き立てる。


しかし、やはりオークは倒れない。

何時までもオークの背後にいてはコボルトを守れない為、ナイフを引き抜きオークの脇腹を切りつけながら、再びオークとコボルトの間に体を割り込ませる。


再びオークが棍棒を振り上げる。

咄嗟に後ろのコボルト達の位置を確認し、今の位置からではコボルト達に棍棒が当たらない事を確認。

再び背後に回り込むように棍棒を回避する。

また背中を刺しても効果があるか不明な為、オークの背中に駆け寄りつつ足元に壁があるイメージを行う。


イメージは実現し、俺の足元で結界術が発動した。

出現した壁を踏み台にしオークの背中をよじ登り、両腕をオークの首に巻きつける。


勿論、その際にオークの首にナイフを突き立てるのは忘れない。

オークの背中におぶさる形で、右手のナイフでオークの左首にナイフを突き立てている状態だ。


「暴れるなって!」


首にナイフを突き立てられても絶命しないオークは暴れ、俺を振り落とそうとする。

振り落とされないよう、首に突き立てているナイフの柄を両手でしっかりと握った。

皮肉な事に、オークが暴れて俺の体が振り回される事で、余計にナイフによる傷が広がっていく。

そして頚動脈が切れたのだろう、オークの首から血液が噴水のように出血した。


勝った。首からの出血を見た瞬間、俺は油断した。

今まで力を入れていた両手から力が抜け、俺はオークの背中から振り落とされてしまう。


「かはっ」


背中から地面に落ちた俺は、その衝撃で一瞬呼吸が出来なかった。

怒りに燃えるオークはその隙を見逃さす、倒れている俺めがけ棍棒を振り上げる。

倒れた体制では、流石に避けられない。このままでは、オークの棍棒に潰される。


咄嗟に腰に装備している初期装備、初心者のナイフに手を伸ばす。

念の為に持っていた、二本目のナイフだ。

ナイフの柄を握った瞬間、オークに二連撃を叩き込むイメージを強く、さらに強く思い描く。


俺のイメージを感じ取ったシステムがアクティブスキル、ダブルアタックを発動させる。

地面に倒れていたはずの俺は立ちあがり、オークが棍棒を振り下ろすより先に、その腹にナイフの二連撃を叩き込んだ。


…頚動脈が切れていたオークは既に瀕死だったのだろう。

ダブルアタックをカウンターで受けたオークは、そのまま崩れ落ちるようにその巨体を地面に横たえた。



「…死ぬかと思った。やっぱり、ヒーローは柄じゃない」



今回は本当に危なかった。

予備のナイフが無かったら、アクティブスキルが倒れた体制からでも瞬時に攻撃出来なかったら、俺は死んでいただろう。



「お前ら、大丈夫か?」



俺が死ぬ思いで助けたコボルトは無事かと、後ろにいるはずのコボルト達に視線を向ける。

どうやらコボルト二匹は無事のようだ。

一匹がもう一匹を抱きしめていたコボルト達だが、怪我をしているようには見えない。


気になるのは、二匹とも妙に熱い視線で俺を見てる事だ。

目線を合わせると、今度は捨てられた子犬の目で俺を見つめてくる。

…犬好きの俺にはたまらない。


と、そこで突然目の前に、A4サイズの画面が出現した。


[コボルトAとBが仲間にしてほしそうにこちらを見ている。仲間にしますか?]


表示されているメッセージの下には、YesとNoのボタンがあった。


「…テイムイベント?」


何が条件かは分らないが、目の前の二匹のコボルトをテイム出来るようだ。

どうしよう、犬好きの俺としては仲間にするのは良いのだが、その前に確認したい事がある。


「君達女の子?」


そう、俺は女の子しかテイムしないと決めているのだ。

まあ、可愛いからオスでも良いのだが、気持ち的には女の子の方が良い。


「って、言葉分らないか」


捨てられた子犬の目で俺をじっと見ているコボルト達を見ていると、手が自然とYesのボタンに伸びてしまう。


[コボルトAとBが仲間になりました]


「あ、押しちゃった」


コボルトの魅力に負けた俺は、無意識にYesボタンを押してしまった。

そして仲間になった事を示すメッセージが表示されると、コボルト達の頭上に三色のバーが見えるようになった。

二匹ともHPを示す赤いバーが半分以下になっているので、結構危なかったようだ。


「あ、謎のボタン発見」


コボルトAのバーを見つめていた所、詳細の文字を見つけたので、詳細の文字をクリックするイメージ。

すると、以下の情報が表示された。



キャラクター名 コボルトA(変更可能)

種族:コボルト  性別:メス  年齢:2

ベースレベル3

職業 装備不可

称号 族長の娘

HP 29/60

MP 6/6

SP 7/7


筋力 3

敏捷 4

器用 2

知力 3

体力 4

精神 3

運気 2


魅力 15 (5+10)

名声 0

悪名 0


取得スキル

なし


「やった、女の子なんだ。そして、俺よりもベースレベルが高い」


コボルトBの情報も確認してみる。




キャラクター名 コボルトB(変更可能)

種族:コボルト  性別:メス  年齢:1

ベースレベル2

職業 装備不可

称号 族長の娘

HP 35/60

MP 6/6

SP 6/6


筋力 2

敏捷 3

器用 4

知力 3

体力 3

精神 3

運気 2


魅力 14 (4+10)

名声 0

悪名 0


取得スキル

なし


「あ、こっちの子も女の子だ。二人とも称号に族長の娘があるから、君達は姉妹なのかな?」

「?」

「?」


やはり俺の言葉は伝わらないらしく、二匹は可愛らしく首を傾けただけだった。

ああ、可愛い。


「会話出来ないのは不便だし、あのアイテム使っちゃうか」


テスター特典の[知恵の実]、これを使えばテイムしたモンスターと会話出来るようになる。

三つしかないアイテムなので慎重に使わなければいけないのだが、そんな物はこの可愛さの前には無意味なのだ。



「よし、使っちゃおう」



計画性のかけらも無いが、別に良いのだ。

可愛いは正義なのだ。


このつぶらな瞳と愛らしい顔立ち、触ったら気持ちよさそうな犬毛。

身長は俺より40センチ程低いので、恐らく130センチ前後だろう。小さくて可愛い。


「ハウジング」


[知恵の実]は、異空間内にある家の炬燵の上に置いてある。

という訳で、早速[知恵の実]を取りにいく事にする。


「ついておいで」


コボルト姉妹に呼びかけ、ついて来るように促す。

今度は俺の意志が通じたのか、俺の後ろをピッタリとついて来た。

二匹は家の中に入ってもピッタリとついて来る。


「待て」


二匹の鼻先に手のひらをかざし、これ以上は進まないように指示を出す。

このまま汚れた足で家に上がられると、床が汚れてしまうので二匹には土間で待っていてもらおう。


リビングのドアを開け、二匹が土間で待機しているのを確認してからリビングに入る。

炬燵の上に置かれた果実を二つ手に取り、すぐさま土間に戻る。


幸いな事に、二匹はきちんと土間で待っていた。

よかった、床が汚れたら掃除しなくちゃいけないからな。

掃除、面倒なんだよな。


「さ、これをお食べ」


二匹のコボルトに[知恵の実]を差し出す。

妹を守るように抱きしめているコボルトAは、俺の差し出した[知恵の実]と俺の顔を交互に見ている。

恐らく、安全な食べ物なのか警戒しているのではないだろうか?


「あ」


姉の警戒を無視するように、妹コボルトの手が[知恵の実]に伸びる。

俺が差し出した[知恵の実]を手に取り、躊躇無く口にしようとする妹を見た姉は、慌てて俺の手から[知恵の実]を受け取り、妹より先に口にする。

先に[知恵の実]を受け取った妹も、姉が口にしたのを見届けた後に手の中の果実を口にした。



・・・姉を毒見役にしたのか?



「…美味しくない」

「●●●、主様に頂いたのだ。毒でも笑顔で食べろ」

「はーい。姉さんは真面目すぎ」


あ、二匹の言葉が分かる。

やっぱりこの二匹は姉妹なんだ。


「なあ、俺の言葉分かる?」

「はい、分かります」

「さっきまで主さんの言葉、分からなかった」

「さっきお前らが食べたのが、そういうアイテムなんだよ」

「そのような貴重な物、私達が頂いてよろしかったのですか?」

「ああ。お前たちは俺の初めてのペットだからな。折角だから使ってみた」

「勿体のうございます」


どうやら姉のコボルトは少し真面目で固い性格のようだ。

そんな姉コボルトのステータスを再度確認し、[知恵の実]の効果を確認してみる。



キャラクター名 コボルトA(変更可能)

種族:コボルト  性別:メス  年齢:2

ベースレベル3

職業 装備不可

称号 族長の娘

HP 30/60

MP 13/13

SP 7/7


筋力 3

敏捷 4

器用 2

知力 10

体力 4

精神 3

運気 2


魅力 15 (5+10)

名声 0

悪名 0

取得スキル

会話Lv1



姉コボルトのステータスを確認すると知力が増えているのと、取得スキルが増えている。

どうやら、この[会話Lv1]でお互いに言葉が分かるようになったようだ。



「なあ、名前を教えてもらっても良い?」

「これはとんだ失礼を致しました。某は●●●と申します」

「うーん、何か上手く聞き取れないみたいだ。そうだ、これからはリンって呼んでも良いかな?」

「某に名を頂けると! それではたった今より、某はリンと名乗ります」


上手く名前が聞き取れないから、俺が聞き取れるように無理矢理名前をつけたのに、姉コボルト、リンは正座をして額を土の床につけて感謝の意を示してくれる。

何か、可愛いと思ってしまう俺は変なのだろうか?


「主さん」

「ん?」

「私も名前、欲しいです」


リンにだけ名前をつけて、妹は何時までも妹コボルトじゃ不公平だろう。


「それじゃ、君の事はリオと呼ぶね」

「うん、今日から●●●はリオ」


平身低頭のリンとは対照的にリオはまったく頭を下げないが、どことなく嬉しそうだ。

リンとリオと共通しているのは、二匹とも尻尾が高速で振られているところだろう。

立っているリオは兎も角、いまだに額を床につけているリンの尻尾は土の床を掃いている状態なので、土埃が気になってしまう。


「俺はアレク。駆け出しの冒険者で、今はナイフが得意。でも、そのうち剣に持ち替えるつもり。これから宜しくね」

「主様、こちらこそ宜しくお願い致します。某は族長より槍の手ほどきを受けていましたので、槍の扱いには慣れております。救って頂いた御恩、某の槍にてお返しいたします」

「宜しくね、主さん。姉さんみたいに訓練は受けてないけど、お母様には手先が器用って褒められてた」


手先が器用というリオのステータスを再度確認してみる。



キャラクター名 リオ

種族:コボルト  性別:メス  年齢:1

ベースレベル2

職業装備不可

称号 族長の娘

HP 36/60

MP 13/13

SP 6/6


筋力 2

敏捷 3

器用 4

知力 10

体力 3

精神 3

運気 2


魅力 14 (4+10)

名声 0

悪名 0


取得スキル

属性矢作成Lv1

会話 Lv1



確かにリオのステータスを見ると、リンよりも器用値が高い。

その分、筋力値や体力値はリンより低いが。


いや、それよりも何でリオは二つもスキルが増えてるんだ?

リンのスキルは一つだったはずだ。念の為、もう一度リンのステータスを確認してみる。



キャラクター名 リン

種族:コボルト  性別:メス  年齢:2

ベースレベル3

職業 装備不可

称号 族長の娘

HP 30/60

MP 13/13

SP 7/7


筋力 4(3+1)

敏捷 5(4+1)

器用 2

知力 10

体力 4

精神 3

運気 2


魅力 15 (5+10)

名声 0

悪名 0

取得スキル

槍修練Lv1

会話Lv1



ステータスを確認してみると、リンも取得スキルが増えている。

ステータスを確認したタイミングを考えると、テイムしたモンスターに名前を付けるとスキルを一つ取得するのかもしれない。

それに取得したスキルを考えると、本人の特性に応じたスキルを取得するようだ。

槍が得意なリンには槍修練が、手先が器用なリオには生産系のスキルが、という具合だ。


「なあ、リンは槍とか持ってないの?」

「申し訳ございません。村がオークに襲われた際に失ってしまい」

「そっか、それじゃちょっと待ってて」


リビングに置いてあるガチャ景品の中に、槍があったはずだ。

俺は使う予定が無いし、リンにあげた方が有効活用できるだろう。

ついでに、使ってない弓はリオにあげよう。

矢に限りがあるから使わないつもりだったが、矢の作成スキルを持つリオになら丁度いいだろう。


俺が槍と弓を持って土間に戻ってくると、リンの顔が輝いていた。

もしかして、と期待しているのが手に取るように分かる。


「この槍をリンに、弓をリオにあげる。俺が持っているより、この方が良いだろうから」

「ありがとうございます!」

「ありがとう」


受け取った槍を抱きしめるように持って全身で喜びを表現するリンと、受け取った弓を優しく持ちかすかに口元を緩めて喜びを表現するリオ。

本当に、対照的な姉妹だ。


「さて、疲れてるところ悪いんだけど、夕飯を食べに街に戻らなくちゃいけない。俺はいったんここを出て、街に移動するから待っててくれる?」

「なんと水臭い、主様がいかれるなら某もお供いたします。頂戴したこの槍で、主様の敵を薙ぎ払って見せましょう」

「リオも一緒」


リンは槍を掲げてみせ、リオは俺のジャケットの裾を掴む。

まあ、オーク以外はプルンにしか遭遇していないから、二匹と一緒でも問題無いだろう。


「よし、それじゃ三人で行くか」

「はい。どこまでも着いて行きます」

「ずっと一緒」


こうして、俺達は三人で夕飯を求めアルトエルンに出発するのだった。

あ、折角レベルが上がったのにステータス確認するのを忘れてた。

あとオークの魔石、回収してなかった。




キャラクター名 アレク

種族:人間  性別:男  年齢:17

ベースレベル2

職業 なし

称号 なし

HP 50/50

MP 15/15

SP 10/10


筋力 5 (3+1)

敏捷 5 (3+2)

器用 9 (7+2)

知力 10

体力 5

精神 5

運気 3


魅力 7

名声 0

悪名 0


[スキル]

魔力 Lv1

気 Lv2

回復術 Lv1 熟練度5%

短剣修練 Lv3 熟練度3%

ブリーダー Lv1 熟練度50%


[パッシブスキル]

魔力向上 Lv1

気向上 Lv2


[アクティブスキル]

ハウジング Lv1

魔力放出 Lv1

気放出 Lv2

結界術 Lv1 熟練度42.3%

ファーストエイド Lv1 熟練度5%

ダブルアタックLv1 熟練度15%


取得アイテム

プルンの魔石×20


という訳で、メインヒロインその1と2が登場。

しかし、見事にペース配分をミスった感じだ。


あとサブタイトルが完全に18禁小説だよね。

まあ、それを意識してつけたんだけど、全年齢向けでこのタイトルはOKなのかな。

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