表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
憧れの悪役令嬢に転生したからと言って、悪役令嬢になれる訳では無い!!  作者: 瑠美


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5/32

5.意識が戻ると

うっすらと意識が戻ってくる。

胸の奥が少し苦しくて、息が上手くできない。

ここは……。


ぼやけた視界の上に見えるのは、天蓋のカーテン。金糸の装飾がゆらりと揺れている。


ボソボソ誰かが話している声が聞こえる。


耳に届くのは、ボソボソとした人の声。


息苦しくてうまく声が出ない。

体を少し起こそうとしたが、力が入らない。

(……あれ? なんか、気持ち悪い……)


視界の端で、ニーナが薬草のような香りを放つ器を用意している。

もうひとり――誰かがいたような……。


「ルミ様っ!お気をつけ下さいと何度も申し上げましたのに……」

ニーナは心配そうな顔で小さな器を差し出して体を起こしてくれる。


なんか薬草みたいな匂いがする……。

(これ……。飲むの?)

先程の食事と言い、この国のものに慣れることはあるんだろうか……。


「全部お飲みください。」


(うわ、また変な匂いのやつ……)

先ほどの食事の悪夢が蘇る。

でも、こっちはきちんとした薬草の匂いがする。


本来の悪役令嬢であれば、どう言葉にするのだろうか。

『こんな不味いもの食べられないわ!私の口に合うものをご用意なさい?』『ご自身で味見なさったら?』とか?

ダメだ。悪役令嬢ってのがなんだか分からなくなってきた。


気が向かないものには何かとケチをつけて、高飛車にワガママし放題で良いな~とか思ってたけど、今の現状、何が良いかさっぱり分からなくなってきた。


「はぁ……美味しいものが食べたい……。」

ワガママは言いません。せめて、せめて味が整ったものをお願いしします……。


すると、ニーナが奥からパンとスープを持ってきた。

「私が用意したものですので、ご安心ください。」


そう言って、ニーナは私にスープの器を差し出した。

暖かい陶器の器に、小さなスプーンが添えられている。


かぼちゃの優しい甘みと、ほどよい塩気。

まさに、求めていた“普通の味”だった。


美味しいっ!!

これよこれ!!


なんであんなにまずい食事が出て来たのか。

この国の食事が全部あんな感じだったらどうしようか、と絶望したけど、希望はあったようだ。


柔らかな眠気が再び押し寄せてきて、まぶたが重くなる。

「……前途、多難だなぁ……」

そんなぼやきを最後に、意識はゆっくりと沈んでいった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ