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憧れの悪役令嬢に転生したからと言って、悪役令嬢になれる訳では無い!!  作者: 瑠美


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15/32

15.まさかの呼び出し

この屋敷には花を愛でながらお茶を楽しめるスペースがいくつかある。

その中の一つが、

今、私が、気まずすぎる尋問にあっている、

はなれの温室に併設されたティースペースだ


普段なら、温室で栽培されている珍しい花々を眺めながら、ティータイムを優雅に過ごせる場所。


そんな、静かで、使用人もおらず、ひっそりとした空間に、私とレオンは丸い小さなテーブルに、並んで座っている。

なんか、距離、近くない?


レオンの静かな視線が、頬ずえをつきながら私をじっと見つめている。

そんなに見ないで欲しい。

緊張するからっ!


私は、気を紛らわせようと、そっとティーカップに手を伸ばし、良い香りのハーブティーを口にする。

その間も、レオンは私の動作をジッと目線で追っていた。


私は、緊張したままティーカップをソーサーに戻し、視線から逃れるように温室の植物に目をむけた。


「日中は何をして過ごしている?」

レオンの開口一番がそれだった


「えっ!??!」

思わずレオンの方をぱっと見ると、バッチリ目が合った。

過剰に反応してしまった後悔をぬぐい去るように、しどろもどろになりながら、取り繕う


「いえ……あの……」

「言えないことをしているのか?」


「いえ。いや。えっと……。」

頂いたドレスを切り刻んでます。なんて口が裂けても言えない。


そもそも、貴族の令嬢が、自分でドレスを仕立てようとしてるなんて言語道断。

自分では何もしないということが、ステータスを表す。みたいな存在なのに、自分のことを自分でやってるなんて、世間体的には、婚約者にあたるレオンの『恥』にあたるからだ。

だからこっそりやってるのに……。

どうやって誤魔化そう……。



「……言い方が悪かったな。」

レオンが少し視線を落とし、息を整える。

それまで張り詰めていた空気が、ふっと柔らかくなる。

温室の中の静けさが、一層、彼の声を際立たせる。


「使用人が日中部屋に入れて貰えない。と言っている。」


「………。」

その通りなので、否定出来ずに目が泳いでしまう。膝の上で手をぎゅっと握りながら、どうにか、何か言い訳を考えようと必死になった。


ドレスが好みじゃないので、分解しました。

とか、

刺繍足そうかなって思って。

とか……。

お庭から花を勝手にいくつか拝借しようとしたところは、既に目撃されているし。

もしや、バレてる?!


すると、レオンは口調を和らげて

「別に、怒っている訳では無い。」

と言って、私が膝の上でぎゅっと握っている手の上に、レオンの手が、緊張を解すように優しく重なる。


どどど………どうすればっ!!

私は、違う方向に焦り始めた。

ち、近いっ!

私の心臓がドキドキと音を立て始める


私が焦っていると、レオンは

「この手で、何を作っているんだ?」

っと聞いてきた。

私は、反射的に、顔を上げてしまう。

『バレた』っと顔に出ていたと思う。


でも、

レオンは穏やかな表情で私を眺めていた


なんか、全部お見通しですって言われてる気がする……。

私は大人しく白状した。

「すみません。…………ドレスを……」


「??」

レオンは目を丸くして私を見つめる


「ドレスを作っています」

「……自分で?」


「は……………い…………」

「………………。」


レオンはじっと私を見つめ、何か考えているようだった。

そうですよね………。

だって、あなたが送ったドレスを気に入ってませんとか、言ってるようなものですよね……。


しかも、サイズも合わないし、ディテールも好みじゃないし、なので仕立てからやってます。とか、知られたら本来大問題……。


でも、直接、ドレス派手すぎて着れません。とか言えないじゃん?


毎日暇すぎるし、

ドレス好みじゃないし、

1つくらい自分用の好みのドレスを自由につくってみてもいいかなって。

夢くらい見させて欲しい。


謎に自分に言い訳をして、この現場を切り抜けるメンタルを整える。


「ルミ……?」

レオンが名を呼ぶ声が、思ったよりも優しくて、自分の鼓動の音が、やけに大きく聞こえる。

そして、静かに彼の言葉が落ちた。


「君のことを、もっと知りたい。」


レオンは私の手を取り、口元に近づけた。


なっ!!!??!


びっくりして、勢いよく立ち上がると、緩まったレオンの手をすり抜け、そのままの勢いで温室を飛び出して、部屋まで一心不乱に走った。


きっと耳まで真っ赤に違いない。

どうしよう。

だって、手が…。

レオンの温もりがまだ残っているようで--

しばらく、このドキドキは、止まりそうになかった。

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