瀬久原部長は爆乳美神の夢を見るか──夢の中で、彼は覇者になり、妻の鼻を摘む
大和テクノロジー株式会社・情報システム部の部長瀬久原丈士は、オフィスの自分のデスクから、部下の女性社員双子座智子を見ていた。
デスクのテーブル上には四台の液晶ディスプレイと二つのキーボード、そしてテーブルの下には二つのキーボード。
智子は両手両足を駆使してキーボードをブラインドタッチしてマウスを操作クリックし、装着したインカムで遠隔地に指示を出したりしてオフィスワークをしている。
その表情は穏やかな笑みを浮かべ、忙しさから来る焦りも苛立ちも感じさせないが、彼女独りで4×何乗という仕事をこなしていて、その仕事ぶりに周囲の誰もが息を呑む。
瀬久原は責任者として、一人の社員に依存することは部署全体の能力低下を招く事を危惧して、智子以外の部下たちを叱咤して仕事を割り振って業務を遂行させる。
智子は眼鏡をかけた知的で温和な印象の美女だ。
身長172cm、B99 W59 H90という完璧なプロポーションを包むタイトなオフィスウェアと、完璧に近いワークスキルから、社内では「情シスの美神」と囁かれている。
瀬久原は智子を規格外の能力を持ち、劣等感と嫉妬心を抱かせる苦々しい存在と思っている。
終業時間、智子は椅子の背に持たれて両肩を交互に揉んで嘆息した。
「──む、やはり見た目通りに、胸が重くて肩が凝っているみたいだな」
瀬久原はほくそ笑み、服の下に何か入れているのかと思うほど太った腹を擦りながら、智子のデスクに近づき声をかける。
「やあ、双子座君。
ひどい肩凝りみたいだね。
俺が揉んで解してあげようか?」
瀬久原の言葉に、智子は一瞬フリーズしたが、直ぐにいつもの穏やかな笑みを美貌に浮かべた。
「でしたら部長、お願い出来ますか?」
夜の、誰もいなくなったオフィスの一角、静まり返った会議室で、瀬久原は智子と向き合う。
智子がジャケットを脱ぎ背を向けると、ブラウス越しにもわかる完璧な背中のラインが露わになった。
瀬久原の指が、ためらいがちに智子の肩に触れた。
「……ここ、だね」
瀬久原は囁き、指先に力を込める。
「あっ……」
智子は吐息と声を漏らした。
瀬久原は指を、智子の肩から首筋へと滑らせる。
「部長……そこ、気持ちいいです」
「双子座くん……もっと、気持ち良くしてあげようか?」
瀬久原が囁くと、智子はゆっくりと振り返った。
美貌は熱に浮かされたように紅潮し、潤んだ瞳で瀬久原を見上げる。
もう、そこに「情シスの美神」の仮面はない。
欲情して体を火照らせた、一人の女だ。
次の瞬間、瀬久原は智子の美貌を両手で包み、彼女の瞳を覗き込む。
彼女の脳内に、俺だけの存在を刻みつけてやる。
彼はそう決意し、智子を抱きしめた。
「双子座君、きみは、お前は、俺の……俺だけのものだあ!」
「嗚呼ぁ、部長おおおおー」
瀬久原が叫び、智子が応じた──所で、彼はハッと目を覚ました。
オフィスの会議室ではなく、自宅の寝室。
隣には、彼同様に太った妻がいびきを立てて寝ていた。
夢を見ていたのだ。
瀬久原は寝間着のパンツをそっと持ち上げ、
「……っ……ぐぅ……!」
と嘆きの呻き声を上げると、腹いせに妻の鼻を摘むのであった。
このstoryは、ノベルアップ+で連載している『双子座智子のつらつら綴り』という小説の宣伝目的で投稿しますた