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フロンティアグリーディア〜今日と今日から〜  作者: 無食子
虹の旅路よ、世界に響け
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三人寄れば文殊の知恵、四人寄れば……・下

Switch2発売まで残り一週間ですね。皆さんは当たりましたか?

私は当たりませんでした(血涙)

時は少し遡る。

キョートが前に出始めた頃、私も私で準備をしていた。


「レイちゃん! 私のことちょっとの間だけ守ってくれない?」


「……? わかったでしゅ!!」


レイちゃんに護衛を任せた私は、インベントリを漁る。

その中から、一つの鍵を取り出した。


「さて……使ってみたかったんだよねぇ……この鍵……」


私の手にあるのは藍色の鍵だ。


「〈憂鬱の鍵〉……先生を倒した時に入手した報酬……」


この鍵の効果にはこのようなことが書かれている。


「とある枷を力へと変換するための鍵。

鍵を差し込み回すことで、外れる代わりに自身に「神罪:憂鬱」を付与する。」


ここに書いてある"枷"について、私はずっと気になっていた。

そして、ある仮説を打ち立てることになる。


この"無手情舞(むしゅじょうまい)"というアイテム……これに、この鍵を挿せるんじゃないか……と。


無手情舞は手錠のような見た目をしている。

その見た目はさながら「枷」であり、鍵穴もしっかりとある。


おそらくだがこの鍵穴は説明文にも書いてあるように〈無情の鍵〉が必要になるのだろうが……

この〈憂鬱の鍵〉も、どうやら入りそうな感じがするのだ。

このことから、〈憂鬱の鍵〉もこのアイテムに入るのではないか……と考えた。


「そうと決まれば……試して見るしかないでしょ……!」


私は鍵を差し込むために無手情舞を掲げる。

すると、警告文が表示された。


「わぁ!? ……って、なにこれ……?」


赤いウィンドウに白い文字で読みにくいが、確かに警告と書かれていた。


「えっと……「この鍵を差し込むことで一段階解錠されます。本当に実行しますか?」か……」


ここから先は引き下がれないって言ってるのかな...…ってことは……


「しろって言ってるってことね! まかせてよ……!」


私は、はい を押した。


『システムアンロック:”罪常機構” 対象:PN(プレイヤーネーム) ミライ 実行します』


機械的な音声が、私の頭の中で響く。

システム音声ともまた違う...…異質な女性の声が頭でこだまする。


「なに……? システムアンロック……?」


言葉的に……なにかのシステムが解放されたってこと...…?


「……なら、やって見るしかないでしょ……!」


私は、〈憂鬱の鍵〉を差し込む。

すると、無手情舞が藍色に染まり、光り出す。


「うわっ!? めっちゃ光る……!?」


『対象:ミライに、神権「憂鬱」を付与します』


その言葉が終わると同時に、(あお)い光が私を飲み込む。


…………


………………


……………………


「……これは……」


光が収まると同時に、私にとてつもない重圧がのしかかる。


「……っ!? これが……憂鬱……!」


だがしかし、確かに力が湧き出てくる感触がある。

頭の中でどんなスキルを覚えたのかが直感としてわかった。


「……よし、ちょっと重すぎるけど……やりますか……!」


◇◇◇


髪色が藍色に染まり、髪がまるで昆布のように垂れているミライの姿は、新鮮であると同時に意味がわからなかった。


「なんでそんな姿に……?」


「話は後! ほら、攻撃きてるよ!!」


「うお、忘れてた!?」


俺は再度モンスターの群れと向かい合う。

どうやら、先ほどの魔法のようなものでかなり鈍くなっているようだ。


「まだこんなにいるのかよ……なら……もっと暴れるぜ……!」


俺は戦月兎・直剣と戦月兎・円盾を仕舞い、再度「雷電」を取り出す。


「3分でケリをつけてやる……! 〈起動(ブート)〉!」


俺は雷を纏い、神速の速さを得る。


「これだけじゃない……まだまだ行くぜ……! 〈兎脚〉(ラビットフィート)!!」


更に速さを……!

いくらでもぶん殴れるくらいの速さを……!!


「行くぜ……全員痺れさせてやるよ……!」


俺はモンスターの群れに向かって走り出す。

それに反応したのか、モンスターの群れも俺の元へと狂ったように走ってくる。

いくら遅くされてるとはいえ、今の俺の装甲であんな質量攻撃は受けれない……だが……


「受ける前にぶん殴れば良いんだよ!! 〈兎斬〉(ラビットスラッシュ)!!」


剣の斬撃性能を強化し、モンスターを各個撃破していく。

最初は無数に見えたその数も、度重なる攻撃により、ついに隙間が空くほどにまでなった。

しかし……


「クソっ……思ったよりも多すぎる……スタミナ持たねぇぞ……!」


思ったよりも多すぎる数に、俺のスタミナがもたなくなってきていた。

そんな俺の背後から声が聞こえる。


「キョート! 離れて! 【憂滅弾】!!」


ミライの手から藍色の弾が放たれる。


「おわっと!?」


その弾自体はそこまで早くなかったため簡単に避けることができた。

その弾は一直線に進み、やがてモンスターにぶつかると、当たったモンスターは塵となって消えていく。

その威力に、思わず声が出てしまうほどだった。


「うえっ……!? あんなの食らったら一発でお陀仏だぞ……?」


ミライの魔法の威力に驚いていると、レイの居る方向から声が聞こえる。


「でしゅ! こっちは片付け終わったでしゅ!」


「マジかレイ! でかしたぞ!」


後は俺の居るところを片付けるだけ……

だが、まだ数が多い……スタミナは後少し……どうすれば……


その時、天皇河さんが矢を射る動作に入っていることに気づく。


「そうか……一発で葬ればいいじゃねぇか……!」


そうと決まれば……


「持ってくれよ……俺のスタミナ……! 〈兎脚〉(ラビットフィート)!!」


全速力で駆け回り、敵の周りをぐるぐると回る。

モンスターがその行動にたじろぎ、1箇所に集まっていく。


「後は縦にするだけだ……! 〈兎斬〉(ラビットスラッシュ)二連撃!!」


斬撃を縦に飛ばし、モンスターを切り裂く。

それにより、モンスター達が更に寄る。


だが……ここまでくれば……!


「行けぇ! 天皇河さん!」


「キョートさん! 避けてくださいね! 〈三矢撃ち〉!!」


天皇河さんが矢を放つ。

その矢は、一直線になっていたモンスター達を全て貫き、一掃する。


〈Voice:大量発生(スタンピード)が終了しました。〉

〈Voice:レベルが上昇しました。〉


…………


「あっぶねぇ……なんとか避けたぁ……!!」


「キョートさん、大丈夫ですか!?」


天皇河さんが近づく。それに応じてミライとレイも近寄ってくる。


「あぁ、なんとか避けれたわ。だけど……スタミナ切れたから走れなくなった」


雷電の効果により、スタミナが削られまくっている……当分は走れそうにないな……こりゃ。


「それは大変だね〜。とりあえず街に行こうよ」


「そうですね……!」


ミライさん、冷たすぎないか? いくらなんでも。


「ミライ……ちょっと……肩貸してくれ」


「えぇ? ……はぁ、しょうがないなぁ……」


そこまで口にするほどの余裕もなかった俺は、ミライに肩を借りて次の街まで進んでいく。


「……お二人は仲良しなんですね」


「でしゅ! キョートさんとミライさんは仲良しでしゅ!」


◇◇◇


時が流れ、大量発生(スタンピード)と遭遇した日から5日後、俺たちはとある国の前までやってくる。


「ようやくついたぜ……旧大陸最後の国…… 「ネウトレイリス協商国」!!」


俺たちは、ネウトレイリス協商国へと到着した。


「本当に長かったですね……」


「本当にね。レイちゃんも眠くなっちゃってるし」


「でしゅぅ……眠いでしゅ……」


「まあまあ……いつも通り宿屋でも取るぞ」


あの大量発生(スタンピード)以降、特にこれといって事件やイベントは起こらなかった。

それどころか、道ゆく道が全て平和であり、本当に眠たくなるほどのどかであった。


「平和なのは良いかもしれんが……ゲーマーとしては物足りないな……」


「まあ、道中の国とかは良かったけどね」


「そうだな」


俺たちは今、国へ入る門の前まで来ている。

約束の時間まで後1日。

本当にギリギリの時間なのがうざったい。


「さて……準備して……明日に備えるか……」


そう思いながら、俺達はネウトレイリス協商国の中へと歩みを進める。

余裕を持った投稿です。

それでは、なんか少しだけお話


無手情舞(むしゅじょうまい)について(憂鬱編)

無手情舞(むしゅじょうまい) 罪常状態:憂鬱

無手情舞(むしゅじょうまい)が変化した姿。

この状態中、装備者に『闇属性耐性』を得る。

装備者はAGL(敏捷)が1/4になる。

装備者のMGC(魔力) を3倍にする。

装備者は自身が受ける光属性のダメージを倍増して受ける。

この効果は、戦闘が終了する、使用時から6時間経過する、使用者が解除するかのいずれかを行うことにより消失し、再度使用者のインベントリに〈憂鬱の鍵〉が入る。

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