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フロンティアグリーディア〜今日と今日から〜  作者: 無食子
憂越は鬱りて、尚陽炎を見ず
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第四十七限 黒藍の吸血鬼、その7

ペテンシー欲しいのに全然当たらない!!

2ボックス高かったのに当たらない!!

めっちゃ使いたい!!プロキシじゃ我慢できない!!

どうすれば!!

ってことで、第四十七限です

俺はこれまで起きたこと、ミライが手に入れた情報、そして、「吸血鬼」に関する情報……これらを2人に教えた。


「ふむ……なかなか興味深い……本当なら当事者に話を聞きたかったところやけどねぇ……」


「残念ながら、ミライは今からやることがあってな。今日はここには来れないんだ」


「うん、授業のことだろう? 僕も受けたことがあるからわかるよ」


話はサクサク進んでいく。

やはり、賢い大人たちと言うのは理解力が高いんだろうな……俺とかとは大違いだ……


「そして、クラン「探索者(シーカー)」のお偉いさん方を呼んだのは、ある提案をしにきたからだ。」


「ウチらに提案……ねぇ?」


「その提案とは、一体どんなやつだい?」


絶対何を言うかわかってるだろ……

やっぱ怖いな大人って……


「それは……今夜、俺たちはユニークモンスターの一体、『青の吸血鬼』と戦闘する予定だ。だから、俺たちと一緒にその吸血鬼を退治しようぜって言う話だ」


「なるほど……ん?」


「おっと……今夜……?」


突然、2人の体が硬直する。2人して顎に手を当てて考えているような素振りを見せる。

なんだ……? 俺が話したことに驚いたのか?

だが、答えは俺の予想したものとは違っていた。


「……すまない、今夜となると僕達はご一緒できない……」


「……なに……!?」


「いやぁ、ウチらも今夜別のところに行っててさ。この魔導学府に居ないんだよね。今夜じゃければ行けたんだけど……外せない用事でさ……」


おいおいマジかよ……結構頼みの綱にしてたんだけど……!?


「マジかよ……えーじゃあどうすればいいんだ……?」


「キョートくん、延期することはできそう?」


「いや、それはできない……俺の連れは今日倒すと言っている……だから今日のは延期にできないし、その次があるかも分からない……」


ミライはおそらく今日決着をつけるつもりだ。

普段情報をかなり溜め込む節のあるミライが俺にこれだけの情報を与えたのだから、そうなんだろう……


「あんたたちが最初に言った『ユニークモンスターの調査』も未達成になりやすい……ってことだな」


「うーん……それは少し……いやかなり、こちらとしても困るね……」


マロンさんはそう言いながら、インベントリを操作する。

おいおいながら見はダメだぞ。

とそう言いかけた時、マロンさんは言う。


「でも……そうだね……少し力を貸すことはできるかもしれない……」


「力……?」


「それには条件が必要だけどね……」


マロンさんは、目つきを少し変えた。

傍聴者から質問を投げかける側へと変わったかのように鋭くも朗らかな目つきで、俺を見る。


「そもそも、ウチらのクランの目的について、キョートくんは知ってる?」


「え……そうだな……探究的な……このゲームのことを記した攻略本作り的なやつ……とか?」


「うーん、少し違うかな。僕たちが……」


「ウチらの目的は「このゲームのすべての情報を集約した事典を作る」こと。攻略本とは少し違うけど、大体合ってるよ」


「あ、ちょっとリーダー。割り込みで話すのやめてくださいよ」


「ウチが話してたところに割り込んだのがヴェルノっしょ? だから当然の摂理ってわけ」


「はぁ……ほんとにわがままですね。リーダーは」


そのままの勢いで、マロンさんは俺に向かって言う。


「だから、私たちは実際に戦うことを選ばなくても、情報さえ取れればオーケーってスタンスなの。とは言っても、戦う必要があったら全然戦うけどね」


「なるほど……それで、力を貸すってのはどう言う意味だ……?」


「そうだね……ウチらは、まだユニークモンスターの強さってのをよくわかっていない。ウチらの事典は「伝聞」と「事実」に基づいて作られてるからね。実際に著者が体験しなくても良いって取り決めになってるの」


「僕たちが各地で自由に集めながら、他の人たちでリアルタイムに情報交換できるし、それを基に新たな事典の1ページを作ることだってできるからね」


「私たちが行くのは危険だし、魔物退治は冒険者達に任せたいと言う気持ちもある。だから、ウチらのクランは依頼した冒険者に対して、一律でこれを貸し出してるの」


そう言ってマロンが出してきたのは丸い球体のようなものであった。

一つの面にはガラスのようになっており、その中には黒い何かが入っている。


「……これは……?」


「これは自律機動型写像生成鉄眼球。通称:カメラだね」


いやカメラかよ!!


「これを貸し出す……というよりは半ば強制的にってかんじだけどね……それを使って録画してほしい。その代わり、私たちも最大限サポートしよう」


「なるほど……つまり、動画を撮影しながら戦闘してくれることを認めてくれたら、最大限サポートしてあげるよって……そういうことか?」


「うん、そういうこと。飲み込みが早いね」


そう言いながら、またもやインベントリをいじるマロンさん。その手には、何かアイテムのようなものを出した。


「それと、こっちも……ね」


「リーダー……!? それも渡すつもりですか!?」


「だって、ある方が便利でしょ。それに確率が上がるとなれば尚更ね」


「……たしかに」


「それに、私はキョートくん……そしてその友達のミライちゃんを評価してるからさ。厚待遇にしたいの」


「まあ……僕は異論ないですよ」


マロンさんは、机の上にその取り出したアイテムを置く。そこには、2種類ほど用意されていた。


「……これは……?」


「こっちはね、「豪運の宝玉」って言ってね。ステータスのどれか3つを大幅にパワーアップしてくれる代物だよ」


「なるほど……ステータス次第だが強力なアイテムだな……」


「それが7個と……」


「ほぅ……」


「それとこっちは、「再起の祈符(きふ)」って言ってね。HPが0になっても一度だけ回復してくれる代物だよ」


「ほうほう……普通にぶっ壊れなアイテムだな……」


「それが14個ね」


「これ全部くれるのか?」


「もち〜。これも投資ってことで。これを使ってまで負けたら、承知しないよ〜?」


「ふっ……ここまでお膳立てされてんだ。絶対に生きて資料を持って帰ってやるぜ」


「僕からもお願いするね。そのアイテム達は使い捨てだし高いし、正直言ってこちら側は大幅な損だ。でも、君たちなら、それ以上の活躍をしてくれることを願っているよ。」


「もちろんだ、ヴェルノさん。俺とミライは強いからな!」


「終わったら、またここで集合ってことでいいかな? リーダー」


「それでいーんじゃない? キョートくんもそれで良き?」


「あぁ、俺はそれで良い」


これで、クラン「探索者(シーカー)」との話し合いには折り合いをつけたか……さて次は……


「ところで、アグリさんはどうするんだ?」


「わ、私ですか!?」


「うん。一応夜遅くから開始ってことになってるから、寝ないといけないとかだったら不参加も可能だけど……どうする?」


「私は……是非参加させてください!! お役に立ちますから!!」


「……止めはしないですよ。ただ、ここから先の戦いは、いつもの魔物との戦闘ではないですし、平和的に行くとは到底思えません。それでも、いいですか?」


「もちろんです! 私も強くなってますから!! 例えどんな魔物だろうと怖気付いて逃げるなんてことはしません!!」


「……なら、参加ってことで、よろしくお願いします。アグリさん。」


「はい!!」


やっぱ元気だなぁ、アグリさんは。


かくして、俺とクラン「探索者(シーカー)」による談合は終了した。

アグリさんには、集合場所と集合時間を伝えた。

マロンさんからはカメラの使い方を、ヴェルノさんからはアイテムの使い方を教えてもらった。


さて……このあとは、何をしようか……


「そうだ……仮眠しよ!」


俺は一度ログアウトして、仮眠をとることにした。

夜に戦うんだし、しっかりと休めないとな!!


約束の時間まで、後12時間…………

さて、いよいよ近づいてきました!

ここで、設定を吐き出したくなった病気が来たので吐きます。今回はアイテムについて。

〜アイテムについて〜


◯豪運の宝玉

高価なアイテム

使用するとランダムなステータスを大幅に上昇させるアイテム。

このアイテムは、割ることで効果を発揮し、その割ったところから一番近くに居た対象に向かって行使されます。

この効果で上がる可能性のあるステータスは、STR,DEX,AGL,MGC,LUK,TEC,DEF,INT,MST,VITのいずれか3つとなる。


◯再起の祈符

高価なアイテム

一番近い対象のHPが0以下になった際に発動する。

そのHPを半分まで回復し、即座に起き上がらせる。

また、回復後は、一定時間の間、あらゆる攻撃を無効化する。ただし、その時間の間、自身の攻撃も無効化される。

このアイテムは、使用宣言をしなくても良い。


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