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フロンティアグリーディア〜今日と今日から〜  作者: 無食子
憂越は鬱りて、尚陽炎を見ず
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第三十六限 七不思議その4、謎の教室in準備室&安置室

喉が痛すぎて頭がぼーっとする。

教室に着くと、アルト先生が待っていた。


「おや、今日も時間通りですか。お二人ともとても優秀ですね。助かります」


「やっぱ有意義だし、楽しいですから、先生との授業」


「でしゅ!」


「それはそれは……非常に嬉しいことを言ってくださいますね。ありがとうございます。それでは、授業を始めていきましょうか」


何事もなく授業は進んでいく。

この早い授業スピードにも慣れてきた。

あんだけ分からないを連呼していたレイちゃんも、ちゃんと授業に喰らい付いていた。復習とかしてたのかな?


内容として、前半は属性魔法の会得方法を知ること。後半はこれまでの総まとめといった感じだった。

どうやら明日からはよりグレードアップした授業内容となるらしく、そのためにこれまで習ったところを復習しているのだとか。


レベルアップ以外で魔法を会得する方法とか有るんだ……

何か条件を達成すると会得できる魔法とかもあるのかも……?


そんなことを考えながらも授業は進み、そして今日の分が終わる。


「それでは今日はここまでとしましょうか。お二人とも、お疲れ様でした」


「ありがとうございました!」


「でしゅ!」


ちょっと長くなっちゃった……まあまだ……許容範囲……だよね?

この学校ももう5日もいるのか……時の流れは早いなぁ。


「さて……行こっか! レイちゃん」


「了解でしゅ!」


私たちは二人が待っているであろう校舎裏へと走る。


到着すると、やはりネストくんとアルスさんが待っていた。


「今日は少し遅かったな」


「いやぁ、ちょっと長引いちゃって……」


「まあまあ……ネスト、あなたがいつもここにいるのがおかしいだけですから」


「な……それは関係ないだろ!」


「サボりはよくないでしゅよ?」


「う、うるせぇ……!」


ネストくん……薄々そうなんじゃないかって思ってたけど、やっぱりサボり魔だったんだね……


「とにかく……今から行くんだろ? なら早く行くぞ。もし昨日みたいに誰か来たら調べれずに終わっちまうからな……」


「ですね……ミライさんとレイさんは準備できてますか?」


「もちろんでしゅ!」


「私も同じく! アルスちゃんとネストくんはとっくにできてそうだね」


アルスちゃんとネストくんはいつぞやかで見たローブを纏っている。

流石に夕方とはいえその格好は目立つのでは……と思うんだけど……


「……またその格好でいくの……?」


「はい。この格好だと顔がバレませんから」


「確かに悪目立ちはするだろうが、この格好の方が都合がいいからな」


そう言いながら、ネストくんは私たちも着ろと言わんばかりの目をする。


「……もしかして……私とレイちゃんもこれ着ないとダメ?」


「もちろんだ」


「その方が潜入している感じがして良いですよ?」


うわ……アルスさんはそっち側だったか……くっ……なら着るしかない……絶対目立つぞぉ……こんなローブ……


私たちはローブを纏った。


「今度こそ、これでオッケー!」


「でしゅ!」


「よし、じゃあ行くぞ」


私たちは隠密魔法をかけ、西館4階へと速やかに駆け上がっていく。

そして、あの看板の前で今一度立ち止まる。


『この先立ち入り禁止』


やはりダークな雰囲気を醸し出すその廊下は、煌々と赤く照らされている窓とは対照的に、カーテンで閉められたかのような薄暗さを纏っていた。

この先はおしゃべり禁止……何が起きるかわからないからね……


いざ、2度目の立ち入り禁止区域へ……!


そこは、暗さ以外、ただの廊下のようであった。

なんの変哲もない内装である。

中には、教室が3部屋あり、それぞれ上の看板? 部分に「404教室」「準備室」「安置室」と書かれていた。

私たちは前回、「404教室」を調べた。

次に調べる場所はもう決めてある。


(準備室を調べよう!)


レイちゃんが了解と頷くような動作をとる。

すぐさまネストくんが扉に近づき、魔法を使い鍵を解除する。


ネストくんがこっちに来いと言っているような動作をすると、私たちもすぐにその部屋へと入る。


そこは、ただの準備室のような見た目をしていた……が、置かれているものは変なもので溢れていた。

当然かの如く窓は全て塞がれている。

そして、机と椅子が積まれて置かれており、さらにダンボールの山積み、掃除用のロッカーがこの部屋には置かれていた。


(みんなどこに……ってはや!)


ネストくんは机と椅子を、アルスちゃんはダンボールを、レイちゃんは掃除用ロッカーを見に行っていた。

迷いなく物色しに行くとは……まあこの部屋怪しいもんね……

私は数が多そうなので、ダンボールをアルスちゃんと一緒に見ることにした。


ダンボールの中は、一見すると普通の……しかし確実にここにあるようなものではないものが置かれていた。

そこにあったのは大量の蝋燭と燭台、そして正方形の紙とナイフのようなものであった。


なんというか……すごい不穏な気配……なんでこんなのがここに……?


そんなことを思っていると、アルスさんがこちらを見つめていることに気付いた。

見ると手元に何か持っている。

それを渡すようにジェスチャーすると、アルスさんが素直に渡してくる。

近くで見ると、それは本のようなものであった。

タイトルのところには、「神話部規定書」と書かれていた。

私はその本を開く。


『注意、この本に書かれている内容は全て秘密にする必要があります。』

『この本は持ち出し禁止です。無くした場合も厳重に処罰されます。ご注意ください。』

『この部活は、創立から現在にかけて、秘密裏に受け継がれてきた我が校のトップシークレットの一つです。表向きはただの部活として装います。』

『この規定は、我が校の安全を守るために、原則守る必要があります。』

『次ページ この部活の活動について』

『神話部68代目部長 アルト・ブルーム』


…………なんだこの本……

神話部……? 持ち出し禁止……? トップシークレット……? そして……『アルト・ブルーム』……?

全ての意味がわからない……なぜここにアルト先生の名前が……? どうしてここにこんな本が……? 神話部って何……?


まだ1ページしか読んでいない何もかかわらず、私の身体は少し震えていた。それは寒さと言うより、異様な不安、不可解が入り混じったようなものであった……


そんな私の意識を戻したのは、ちょっとした肩の衝撃だった。

気がつき、振り返るとそこにはアルスさんが居た。

その右手は私の肩の方へと伸びており、さっきの衝撃はアルスさんがしたのだろうと直感的に理解した。

アルスさんは私を見るなり少し微笑む。私の身を案じていたのだろうか……少し嬉しい。

ダンボールの中を今一度探しても、特に重要なものは見当たらなかった。


ダンボールの中を探索し切った私たちは、他の二人の方を見る。

どうやら、二人とも終わったようで、既に入口の方へ待機していた。


(おまたせ〜)


私がそうジェスチャーすると、二人とも別々のリアクションを取った。

レイちゃんは「いえいえそんなに待ってないですよ」と言わんばかりに頭を横に振る。

ネストくんは「遅い、はやくしろ」と言わんばかりに頭を縦に振る。

正直言って笑ってしまうところだった。


準備室を出た私たちは次に安置室と書かれた部屋に侵入する。


その中に入ると、教室には似つかわしくない真っ白な部屋であった。

その部屋の中央奥に、教卓が置かれているだけで、他に置かれているものはなかった。

足音を出せば響きそうなくらい何もないところ。

教卓だけが私たちの目に留まる。


全員で教卓をしっかりと探索した。

教卓は、私たちの思っていた2倍は大きく、普通の教卓よりはるかに大きい。まるで巨人が使うようなサイズであった。

実はグランドピアノですと言われた方がはるかに普通に見えるほどのその教卓の下側に、なにかが彫られていた。


じっくり観察すると、それが「魔法陣」であることがわかった。

なんのための魔法陣……? これはなんのための部屋……?


さっきからわからないことが多すぎて私の頭はパンクしそうになっていた。


教卓を探し終えると、さっさと逃げ出すために急いで部屋を出る。

そんな時、廊下の奥からまたしてもコツン……コツン……と足音が聞こえてくる。


部屋から出た私たちは急いで階段を降りて、校舎裏まで逃げた。


「はぁ……はぁ……はぁ……なんとか……達成した……かな……?」


「その……ようだな……」


「あそこは……もういきたくない……ですね……」


「おんみつこーどー……疲れるでしゅ……」


なんとかやり切った私たちは情報を交換することに……


「情報交換……する前に……少し休ませて……欲しいかも……」


ということで、少しの休憩を挟むことにした。

まだ夜は明けていない。まだ時間的余裕はあるね……

それに4つ目を実質的にクリア。あとは3つ……とチャイムだけ!! これならいける!


だが、私はまだ知らなかった。

このクエストは、ここからが本番だと言うことに

次回も鏡花回です。

その次くらいに景兎回しようかな。

体調悪いから少し投稿が遅れてるけどごめんね。許してください。

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