第三十二限 属性と属性外属性、神秘の力
少し長めの回です。
私は会議とやらが終わった後、レイちゃんと学校の方へと戻っていた。
私はさっきの話を頭の中で反芻していた。
さっきは勢いでユニーククエストのことを言ってしまった……ただ、ほんとは言うべきではなかった気がする……あの人たちが良い人であるという確証が私にはないから……それに、一応専売特許な情報ではあったし、もう少し発言には気をつけた方がいいかもしれないな……
それはそれとして……あの絵本と七不思議に関連があるとは言ったものの……ただの偶然の可能性ももちろんある……ただ……それだとその文字を隠して表示する必要性がないんだよね……
あの虫眼鏡が受け継がれてきたのもあれを見せるためのものだろうし……てことは明らかに重要な情報ではあると思う……それにまだ9巻が見つかっていない……てことは……まだ探索の余地が….
「あの……ミライしゃん? 大丈夫でしゅ?」
「へ? あー、うん。大丈夫だよ! 少し考え事をしてただけだから!」
どうやらレイちゃんに心配をかけていたみたいだ。
そんなに顔に出てたかな……
「もしかしてさっきの話のやつでしゅ?」
「……うーん、まあそんなとこかな……」
「さっきの話、やっぱりよくわからないでしゅ……」
「あー、やっぱレイちゃんには難しいかぁ……」
「そうでしゅね……なんていうか……色々よくわからないでしゅ……」
「どんなことがわからないの?」
NPCからの情報は基本的に流さず聞く。これで攻略の糸口が見える可能性があるからね。
「この学校に原初の十四罪が居る可能性があるのはわかったでしゅ。皆さんが考えたことでしゅ。
でも、なんで目の前に出てこないのかがわからないでしゅ……」
「……というと?」
「だって、原初の十四罪は皆んなが知っている一番強い人たちでしゅ。なのに、こんなコソコソしたような行動ばかりとっているのがよくわからないでしゅ……」
なるほど……まさかNPCがこんなことを言ってくるなんて……つくづく面白いね、このゲーム……
「なるほどね〜、なら、その謎を解き明かしに行こうよ」
「でしゅ……?」
「だって、この七不思議を解いていけば、自ずとわかることでしょ? それに、レイちゃんはそこまで顔に皺寄せて悩む姿より、笑ってる姿の方がずっと可愛いよ」
「で、でしゅ!? ミライしゃん、何言ってるでしゅ!!」
「あはは! ほんとのことだよ。ささ、早く授業受けに行こっか!」
「……で、でしゅ!」
私たちは授業を受ける。いつも通りアルト先生が授業をしてくれるようだ。
「ミライさん、レイさん、おはようございます。今日も授業を行っていきましょう。」
「アルト先生、今日は何をするんですか?」
「授業に積極的なのは嬉しい限りです。この前、適性検査をしましたよね?」
「適正検査……しましたね」
「でしゅね」
あんのトラウマ級のやつか……はぁ……なんで割れちゃうかなぁ……もしかしてプレイヤーってあんな感じの人が多いのかな……いやでも……ヴェルノさん? だっけ? あの人がここの生徒って言ってたし……ほんとにあれはなんだったんだ……ほんとに私がおかしいのかな……
「そこで、今回の授業はその属性魔法とは違うもう一つの魔法について、属性魔法との違いなどを説明しながら、教えていきましょう」
もう一つの魔法か……たしかいつぞやかで見た記憶があるな……たしかwikiで……
「そうですね……まずは復習です。ミライさん、属性魔法とはどんな魔法でしたか?」
おっと、問題が来た。
これは確か前にしたところなんだよね〜
「えーっと、たしか……『マナを形成する「属性」を持ち、その属性が前面に出ている魔法』です!」
「……えぇ、大方はあっています。属性魔法とは、魔法の核的なものであり、どの魔法も、この属性を持った状態で放たれます」
先生はさらに説明を続ける。
「では、これらの属性が前面に出ていない魔法は存在するでしょうか? レイさん」
「えっと……すると思うでしゅ……」
レイちゃんがか細く答える。自信がなさげなのかな?
「正解ですレイさん。実は魔法には属性が前面に出ない魔法も存在します。代表的なので言うと、【インスタントヘルス】等でしょう。」
あ、【インスタントヘルス】って属性魔法じゃないんだ。知らなかった……
「そして、これらの魔法は特殊な魔法とも言えます。属性魔法が一般的な魔法ですからね」
なるほどなるほど……
「ただ、属性はないにしろ、何かしら明確に効果を持っています。」
「どんな効果があるんですか?」
「そうですね……例を挙げるとするならば、病気、呪い、陰、陽、聖、邪などでしょうか」
ほう……ほぼ同じか……『邪』が新しく追加されてるけど……最近見つかったとかなのかな?
「……それらの効果には、何かしら名前とかあるんでしゅ?」
レイちゃんが質問をする。私的にはないと思うけど……少なくともwikiには書いていなかった。もしかしてあるのか……?
「ありますよ。我々はこれを『属性外属性』と呼びます」
名前あるんかーい!
というか……待てよ……『属性外属性』……? イデア!?
「イデアというと……この魔導学府の名前も"イデア"ですけど……」
「そうですね、イデアです。この魔導学府は、ここから取られてきてるんですよ」
「へー! そうだったんだ!」
「初めて知ったでしゅ……」
まさかこんな繋がりがあるとは……
「それについて、より深く知ること……これが今日の授業内容となります。早速授業を開始しましょう」
ということで、授業が始まった。いつも通り前半は座学、後半は実践という形であった。
これがこの学校の授業のテンプレなのかな?
授業は順調に進んだ。
いつも通りのハイスピードではあるが、問題なく喰らいつけるようなスピードだ。
レイちゃんはというと……
「な、なるほどでしゅ!」
どうやらついていってるらしい。
少し前は頭にハテナマークとか付いてたのに……ちゃんとついてきてる。偉い!
「……ですので、『属性外属性』の中でも特に特徴的かつ特殊なイデアはそれぞれ職業として根付いています。例えば、神を信仰することであることができるイデア……聖属性と称しましょうか。これは、神官などが使用します。」
このような興味深い話も聞けるのだ。
やはりこの学校へ来て良かったと言えるだろう!
てか、アルト先生かっこいいのに夢女子とかいないのだろうか……少なくとも私が最初に会うってわけではないだろうし……女性が来れば一人は居そうなんだよなぁ……
そんなことを頭の隅っこで考えながらも、授業は進行していく。そして……
「ということで、座学はここまで。次は実技です。その前に休憩をとりましょうか」
「やったー! 休み時間大好き〜」
「でしゅ〜!」
まあ、と言ってもすることなんてないから教室でご飯を食べるんだけどね〜
レイちゃんもそれに賛同してくれたし。
それに……
『俺は嘘は言ってない、アルト先生は俺の師匠であり、闇魔法の使い手だ。』
……この言葉がずっと引っかかっている。
七不思議を解いてきてずっと出てくる謎の存在……『アルジサマ』……おそらくあのモンスター達のご主人……だろうか……どちらもシンボルモンスターだったし……
たかだか4日ほどしか出会ってないが、私は妙に心地いいと感じている。
だからこそはっきりしたい。
アルト先生……あなたは……
って、いやいや、たかだかNPCだよ。何そんなヤケになってるのさ……
てか、それであればネストくんやアルスちゃんの方が絆を感じてるし、考えることでもないじゃん。
「はぁぁぁぁぁあ…………」
「でしゅ? どうしたでしゅ?」
「ん? あーいや、なんでもないよ」
「そうでしゅか……あまり無理しちゃメッでしゅよ?」
「あはは、お母さんみたいなこと言うね、レイちゃんは」
やっぱ考えすぎは良くないな……
そうこうしているうちに休憩は終了した。
「さて、実践ですが、今日も自分の得意な属性魔法の練度を高めていきましょう」
「「はーい!」」
私たちは魔法を撃ち続ける。その間に経験値がどんどん入ってくる。どう言う仕組みだこれ……
「【アクアバルーン】!!」
私は泡をさらに細かく作り、様々な形に組み合わせた泡を作る。
これを作るのにもだいぶ精神をすり減らした……
「どう先生、すごいでしょ!?」
「おや、この精度……流石ですねミライさん」
「でしょ〜?」
「では、他の属性の魔法も使ってみましょう。そうすることでもっと練度を高めることができますよ」
「えー……これ作るだけでもキツイのに他のやつもかー……」
「これができると成績がさらに伸びますよ」
「それが効くのは学校の正規の生徒だけですよ先生」
「あなたも正規の生徒ですよ。私的には」
おや、ありがたいね……ほんと……
レイちゃんも順調のようだ。
「できたでしゅ! 【ボルフレア】を【フレア】サイズに圧縮できたでしゅ!!」
「おー! すごいじゃん! レイちゃんてんさ〜い!」
「そんな……照れるでしゅ……」
「ふむ……これは……流石ですねレイさん。成績を上げる必要がありますね」
「ありがとでしゅ!」
なんだかんだこの時間は楽しい。
やっぱ知的好奇心を満たされると人は嬉しくなっちゃうもんだね!
そんなこんなで時間はあっという間に過ぎていった。
そして……
「今日の授業はここまでです。次は明日ですね。ではお疲れ様でした」
「お疲れ様でした〜!」
「お疲れ様でしたでしゅ!」
さて……終わったということは……
「行きますか、レイちゃん」
「でしゅ!」
さて、まだ解き明かしてない謎は4つもあるんだ……5つか、まあいいや……
私たちは七不思議を解決するために、約束の場所へと向かった。
遅ればせながら
Switch2ものすごいですね。
私は絶対に買います。
そんなこんなで今回は属性外属性の話です。
面倒だと思うのでイデアと呼びますが、これはかなり重要です。単語はそれほど重要ではないかも()
次回は七不思議編です。お楽しみに




