表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
フロンティアグリーディア〜今日と今日から〜  作者: 無食子
憂越は鬱りて、尚陽炎を見ず
30/163

第二十限 残りの七不思議、捜索開始

七不思議といえば……そうです鏡花回です。

「さて、そろそろ着いてそうだね〜」


「でしゅ! 急ぐでしゅ!」


私とレイちゃんはキョートと別れた後、全速力で戻っていた。

さっきのファイアワークスさん……長いからファイアさんと呼ぼう……あの人がキョートの言っていた悪友だったとは……

しかも女性だったし……もしかして恋人?


「そんなことないかぁ〜」


「でしゅ?」


「いやいや、なんでもないよ〜」


おっとっと……こういう癖治しとかないとなぁ……

それにしても……フレンド申請も来るとは……受諾したけど、ほんとによかったんだろうか……


「まあいっか……あ、そろそろ着きそうだね」


「でしゅね……急いだ甲斐があったでしゅ」


私たちはいつもの場所……校舎の裏側へと着く。

そこには、いつも通り、ネストくんがいた。


「あれ? アルスちゃんは?」


「あいつは生徒会活動だ。」


「あー、そゆこと」


確かに生徒会所属とか言ってたな……

生徒会とか大変そうだし絶対入らないけどね私なら。

まあ、責任感ある人がする仕事だし。うんうん。

私なんて責任感はこれっぽっちもないから……うんうん。


「ところで、今日はなんの七不思議を探すの?」


「今日はまだ発見しきってない七不思議を探す。」


七不思議……今解決したのは「夜中1時に鳴る謎のチャイム」のみ。


「あるはずのない謎の部活」、「音楽室の肖像画」、「謎の教室」、「トイレの鳴き声」、「夜中に現れる吸血鬼」……そして、「黒い謎のカード」

この6つがまだ解決してないやつだ。


「今日は、「音楽室の肖像画」と「トイレの鳴き声」を解決する」


「えっ? 一気に二個?」


めっちゃスピード上げるじゃん。おねーさんびっくりしちゃったよ。

とはいえ、時間もないしそりゃそうか……


「今のところ、しっかりと場所が把握できているのはこの二つだけなんだよ。しょうがないだろ」


「なるほど……」


二つの噂は、かなり有名らしい。

まあ、現実でも相当有名なやつだし……トイレの花子さんとかベートーヴェンの肖像画が動くとか……そんなのと一緒でしょ……? 多分。


ネスト曰く、それぞれ特定の場所で現れるらしいのだ。

「トイレの鳴き声」は東館3階の女子トイレ、

「音楽室の肖像画」は西館2階の音楽室、とのこと。


「ずいぶんと離れてるね……」


「だけどな、学校の七不思議って言うように、この馬鹿でかい学校の中で有名と言われてるくらいのやつだ。それくらいは普通だろう。」


「うーん……たしかに……」


なるほどまあ納得はいくか……全部この学校が無駄に広いっていうのが駄目ということでね☆


「……そういえばさ、前の放送室は北館だっけ?」


「あぁ、そうだな。北館の方にある部屋だ。あそこは部活動とかすることが主だからあんまり普段はいかないんだけどな」


「へぇ〜……てことはアルスちゃんもあそこにいるの?」


「全部が全部あそこに入ってるわけじゃない……それにアルスの入ってるやつは生徒会だ。先生校舎に入ってる」


およ、初耳情報だ。


「先生校舎ってどこなの?」


「校舎的には『南校舎』って呼ばれてるところだ。俺たちがいる場所とは反対側だな」


南校舎……南側にあるのかな?

たしか、ここは北校舎と西校舎の間にある。

ということは、ネストくんの言うように反対側にあるというのはあながち間違いではない。


「北校舎には一般的な部活がある。南校舎に生徒会が置かれている。ということ?」


「まあそういうことだ」


なるほどね……

おっと、忘れていたが聞かないといけないことがあった。


「ところで、どっちから探索するの?」


「まずは「音楽室の肖像画」から探していく……ただまあ、下見になるだろうが……」


「あー、たしかに近いもんねここから」


「アルスが終わる前に色々調べ終わるのが目標だ」


「分かったよ」


「でしゅ!」


ということで、私たち3人は西校舎2階へと足を運んだ。


「てか、鍵どうするの?」


「そのための魔法だ」


ネストくんはキッパリと答える。

私は少し呆れたように言う。


「あのさ……前はその場のノリに流されて使っちゃったけどさ……ここって魔法使用禁止なんだよね?」


「んあ? そうだが……特に気にしている奴はいないし、それに禁止されているのは「破壊を伴う場合」のみだ。だから大丈夫だろ」


「あれ? そうなのでしゅか?」


「そうだったんだ……」


「そんなのも知らなかったのか?」


なんかうざいな……確かに知らなかったけども!


私がそんなふうに思いながら見ていると、ネストくんは魔法を使い、鍵を開けた。


「あと、この音楽室は今は使われていないからな」


「え? そうなの?」


「よし、入ろう」


無視かい……よくないぞ〜ネストくん。そんなのだからアルスちゃんとくっつけないんだぞ〜。

とは口では言わない。沈黙も美少女の嗜みなのだ。


音楽室の中には誰もおらず、簡単に入ることができた。


「ここが音楽室……なんかすごく普通だな……」


見た目はよくある音楽室だ。

少し違う点としては、壁にこの世界の偉人(多分)を貼っつけているということくらいで、ほとんど想像通りの音楽室と言っても差し支えなかった。


「この肖像画だな……」


これが……

これ誰なんだろ……見たことない人だな……

てか若いな……

そんなことを考えていると、レイちゃんが話す。


「そういえば、この七不思議ってどう言った現象がおきるでしゅ?」


「そう言えば言ってなかった……これは……夜な夜な肖像画が動き出し、音楽を演奏する……というものだ」


ほう……なんか聞いたことあるような怪異だね……

ん? ということは……


「これって夜中じゃないと駄目なのでは?」


「まあ、そうだな……だから言っただろ、今はここの探索だ」


なるほどね……


私たちはくまなく調べた。

ネストくんが闇魔法を肖像画にかけた時、変化が起こった。


「……!? なんだこれ……」


「どうしたの? 何かわかった?」


「こいつは……魔法生物……つまりモンスターだ……」


「え? ……えぇ!?」


「でしゅ!?」


え、モンスターなの? 誰かが操ってたとかじゃなく? 魔導学府っていうでっかい街にモンスターって居ていいの?

そんな疑問が湧く。すると、ネストくんは続けて言う。


「ただ……夜以外では動かないように魔法がかけられている……一体誰が……?」


動かない……? 自分でかけた? いや、それは意味がわからないし……だとしたら人がかけた?

だとしたら、夜に行動させる必要がある何か理由がある……ということ……?

それは何……? 

ネストくんの言葉を聞いた私は、思考を巡らせた。


「てことは、これらの肖像画全部がそういうモンスターってこと?」


「そうだ」


まじすか……


「ちなみにだけど、破壊することはできる系?」


「おそらくは可能だ。」


「じゃあ、さっさと壊しちゃうでしゅ!?」


「そうだな……壊すのが一番手っ取り早い……が、アルスが来てからでいいだろ、そういうのは」


あー、確かに。一応学校の備品という扱いだし、色々大変そうだもんね……


「んまあ、そうだね〜」


「ただ、俺はこんな偉人を知らないけどな」


「……え? 知らないの?」


「あんまり歴史学についての授業を聞いてなかったからな」


それネストくんの学がないだけでは?

と思いながら、呆れる私にネストくんは言う。


「な、なんだよ……悪かったな勉強してなくてよ」


「いやまあ気にしないけど……」


私たちは、ある程度の探索を終えた。


「てことはここの探索は終了かな?」


「そうだな……次は東館だ」


「と、遠いでしゅ……」


「ほらほら、頑張れ〜」


「で、でしゅぅ〜……」


私たちは東館を目指して歩き始めた。


◇◇◇

ある物のウラガワ(・・・・)


「ケテ……ケテヨ……」


「ダレカ……タスケ……」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ