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フロンティアグリーディア〜今日と今日から〜  作者: 無食子
憂越は鬱りて、尚陽炎を見ず
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第六限 その者、不審者につき

「誰だお前ら……」


沈黙が少し続く……

次に口を開いたのは男の方だった。


「まさかお前ら……学園の回し者か!? 俺が闇魔法使えるからってイジメに来たのか!?」


そう叫ぶ彼は、手を翳す。

明らかに魔力を溜めているような状態だった。


「待って待ってちょっと待って! 私たち今日転入してきたばかりなの!」


「転入……? たしかにそんな仕組みがあったような……って、騙されないぞ!!」


「ええ!? じゃあどうすれば話を聞いてくれる?」


「そんなの……さっさとここから立ち去ることだ!」


「それは無理と言ったら?」


「なんで無理なんだ……?」


「キミとお友達になりたいから」


「……はぁ?」


(なんだこいつら……俺と友達に……?)


闇魔法……? あれ……そんな魔法あったっけ……

てことは……新規魔法!!?

知りたい知りたい!!

それに、現地での情報を知りたいし!


「というか……闇魔法っていじめられるものなの?」


「なんだ……? 闇魔法のことについてもわからないのか?」


「うん」


「なんだお前……まあいい……教えてやろう……闇魔法ってのは属性魔法のうちの一つだ。」


「え? 属性魔法に闇魔法なんてあった?」


「は? あるだろ? 何を言ってるんだ?」


「なるほど……いやぁごめん! 何せ転入したてだったから!」


プレイヤーには秘匿されている……?

それとも、見つけれてない?


「やっぱお前ら俺をイジメに来たんだろ!?」


「なんでそうなるの!」


「あの……なんでこんなところにいるでしゅ……?」


そうレイちゃんが言うと、辺りは一瞬静まり返った。


「はぁ……わかるだろ……俺は闇魔法使いだ……闇魔法使いは忌み嫌われている……そんなやつが人前で修行できるわけがない……わかったか?」


「なんで忌み嫌われているのかわからないんだよねぇ……」


「私も疑問でしゅ……そんなこと言われてるでしゅか……?」


さらっと疑問を投げかける。


「それは……地味だからだ!!」


「はぃ!?」


「でしゅ!?」


「地味なんだよこの魔法は……だから魔法の研鑽も進んでいないし……目に見える魔法が少ない……つまり派手じゃない……だからか知らないがこの国では忌み嫌われる……」


何それ〜……

というか……そうか……地味が故にプレイヤーに見つからなかったのかな……?


「なるほど……じゃあさ! 闇魔法を見せてよ!」


「はぁ? なんで見せないと……」


「私が見たいから」


「はぁ……ところで、名前は?」


「え?」


「お前らの名前だよ」


「あー……私はミライ。こっちはレイちゃん」


「どうもでしゅ……」


「……俺は、ネスト……エルダー・ネストだ。」


「ネストくんね、よろしく!」


「なんだそれは……まあ……よろしく……」


私は少し離れたところに立つ。

ネストは手を翳す。


「行くぞ……【ブラインドネス】」


瞬間、視界が暗転した。


「……なにをしたでしゅ?」


「側から見たら何もしてないように見える。だけど、かかった側には変化があるはずだ。」


「え! すごい! なんか見えないって新鮮! でもあんまり長く喰らいたくない魔法……」


「これが闇魔法だ。かけてやったからさっさと……」


「すごい! ねぇ! 友達になろう!?」


「……はぁ!?」


(なんなんだこいつ……ミライ……だったか? 俺のことが好きなのか!?)


流石に無理かな……割と強引な女ムーブしてるもんね……これでダメなら諦めよう……


「……分かった……分かったからどっか行ってくれ……」


「ほんと!? やった〜! んじゃ、今日から友達ね!」


そういうと、ネストは俯いた。


「……………」


◇◇◇


「……ってのが今日起きたこと!」


「……それ半分脅迫じゃねぇか!」


「てへ」


「全く……ネストってやつには同情するぜ……」


「キョートはなにかあったの?」


「ああ……俺の方はな……」


そう言うと、俺は自分に起きたことを話した。


「なるほど……探索者(シーカー)というギルド……そして原初の十四罪……『青の吸血鬼』ねぇ……」


「その原初の十四罪ってのがわかんないんだなぁ……どうせミライはなんか知ってんだろ?」


「よくわかったね」


「お前はそう言う情報を隠しがちだからな。」


「……まあ、私が知っている情報だけ話すね」


ミライは俺に知ってる限りの話をした。

未だ倒した者は居ないとされるモンスター達であること。

格的にはシンボルモンスターの上に位置していること。


「それだけかな……私が知ってるのは」


「ここでも行き詰まりか……とりあえずは」


俺はふと時計を見た。

時計には0:00という数字を出していた。


「やっべー……全然考えてなかったけどもう0時じゃん」


「あ、そうじゃん! やばい!」


「でしゅ?」


「明日今学期最後の授業日なのが幸いだな……」


「そうだね……」


「寝ちゃうでしゅ?」


「今日のところは寝るか一旦……」


「わかったでしゅ! 宿屋で待っておくでしゅ!」


「おう、ありがとなレイ。でも宿屋までは一緒に行くぞ?」


ということで、俺たちは宿屋まで戻った。


「ありがとうね、レイちゃん。それじゃ、少し寝るけど、よろしくね〜」


「分かったでしゅ! それまで習ったところを復習しておくでしゅ!」


「すごく偉い子! 流石レイちゃん」


「でしゅ〜……」


というわけで、俺たちはログアウトした。

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