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フロンティアグリーディア〜今日と今日から〜  作者: 無食子
憂越は鬱りて、尚陽炎を見ず
15/159

第五限 授業、それ即ち

少し遅めになってしまった……許してください……

「友達ってお前等……ここにきてまだ4時間くらいしか経ってねぇじゃねぇか……」


「チッチッチ……分かってないなぁキョートは。友達ってのは話せばすぐになれるんだよ?」


「でしゅ!」


「お前と一緒にするな。クソゲーマニアの癖になんだお前そんな友達持ちやがって……」


「それ関係ないし!」


「でしゅ?」


こいつのコミュ強ぶりにはいつも驚く……

え? 俺は違うのかって……? どっちでもないってのが正解だな……まあ……学校ではやんちゃするけど……


「ところで、どんなことがあったんだ? 教えてくれ」


「あ! そうそうそれを言いたかったんだよ〜」


「私も勉強がんばったでしゅ!」


「レイは偉いな。んじゃ、話してくれ」


「おけまる! あれは……」



◇◇◇

あれはそう、今から4時間くらい前

受付を済ませた私たちはキョートと別れ、ある部屋に連れて行かれた。

そこは、応接室のようであり、私たちはそのソファの上に座っていた。


「……いやぁどんな先生とお話しするんだろ〜」


「でしゅ……少し寒気がするでしゅ……」


「大丈夫? 風邪?」


「いや……なんというかガクガクしちゃうと言うか……そんな感じでしゅ……」


なるほど……緊張してるのね。なら……


「それは緊張してるだけだよ〜。リラックスリラックス〜」


「リ……リラックス……リラックス……でしゅぅ……」


「そうそう、あ、誰かが来るみたい……」


コツンコツンと廊下に響く。

誰かが来ている。

誰かが部屋を開けた。立っていたのは、学園長のような佇まいをしたおじさんであった。


「君たちが転入してくる子達かね?」


「あ、はい! ミライと言います!」


「れ……レイです……!」


「話には聞いている……私はここの学長をしている、ルートヴァン・レクターという。気軽に学長とでも呼んでくれたまえ」


「よろしくお願いします! 学長!」


「よ、よろしくお願いしますでしゅ!!」


かなり優しそうな学長だ。やっぱ学長は学長としての風格があるなぁ……

ん? ……後ろに誰か居るような……


「そして、こっちの男が……」


「あ、どうも〜。2人とも初めまして。ここで魔法学を教えているアルト・ブルームだよ。今日から君たちの担任をすることになったから、よろしくね。」


すごく清潔感のある爽やかな男性だ……なんというか、すごくモテそう。


「よろしくお願いします。アルト先生」


「よ……よろしくお願いしますでしゅ!」


「よろしくね。」


そこから少しして、私たちは教室へと向かっていた。

道中、さまざまな人間とすれ違い、奇妙な目で見られた。


「珍しいんですか? 転入生って」


「まあ、基本的に転入生はここにくることはないですからね。今回は特別見学というやつですよ。」


普段は転入生とか居ないんだ……

といっても、まあ14日間くらいしかいないから、まあ確かにあれなのか……

てか怖いなよく考えると……14日間しか居ない同級生とか……まるで怪談じゃん。

てか……怪談とかあるのかな?


「さて、着きましたよ。ここが今日から、貴方達の教室です。」


通された部屋は普通の教室よりかは狭い。いわゆる準備室として使われていたような場所だった。


「授業を始める前に、皆さんに鉄則です。これだけは守ってくださいね」


それはここで授業を受けるに際しての取り決めだった。


一つ、授業中に寝ないこと。

一つ、校舎内での魔法行使は緊急時以外、原則禁止。

一つ、お互い助け合いをすること。


「そして最後に……一つ、困ったことがあれば先生の元へと来なさい。わかりましたか?」


「はい! わかりました!」


「わ……わかったでしゅ!!」


「それでは……授業を始めます。」


そこからの授業は本当にキツかった。

しっかりとした座学、それも現代知識ではなくこの世界での知識なもんだから知らない単語だらけ……

まるで学校に行ってる気分だった。いやまあ学校行ってるからそうなんだけど……


ただ、それに応じた成果は得ることができた。


「良いですか? 魔力とは自身に宿るイメージ力です。その力を最大限に活かすには、そのイメージを具体的にする必要があります。まあ、その分少し放つのに時間を取ってしまうのですが……慣れればほぼタイムロスなしで魔法を放つことができます。」


なるほど……つまりは想像力の問題でフレアでもバカ威力になると……


「少し休憩しましょう。再開は30分後です。それまでどこかへ遊びに行ってもいいですが、あまり無茶しないように。」


「わーい!」


やったね〜休み時間だーいすき!

この間にこの学校について色々調べないといけないな……


「レイちゃんも来たんだ。」


「1人はちょっと寂しいでしゅ……」


「なるほどね」


かわいすぎか?

そんなことはさておき、この学校の情報が知りたい私は近くを通った女子生徒に声をかけた。


「あの、今って何時間目ですか?」


「え? ……なるほど転入生の方でしたか……そうですね……今はもう放課後ですよ。部活動してるとこもあるかもしれません。」


「あ、そうなんですね!」


「そうですね……あ、今は生徒会も活動時間でした! 申し訳ございません、すぐに行かなくては!」


「あ、あの!」


私の言葉が聞こえてないかのように走り去った。


「図書館とか聞こうかなとか思ってたのに……」


とりあえず中庭に出て鬼ごっこをしてから部屋へと戻り、授業を再開した。


そして、時間は流れ……


「最後は実技時間です。あの的に、魔法を放ってください」


「「はい!」」


想像力……自分の炎のイメージ……!


「行くよ……【フレア】!!」


私が放ったフレアは今までの比ではないくらい熱く燃えたぎり、的に命中した。

ただ……


「あれ!? 燃えきってない……それどころか……無傷……!?」


「あの的は特別製でして……一定以上の魔力でないと壊せないんです。ただ、その性質を利用して自身の魔法の研鑽に使われるんです。」


「なるほど……」


次はレイちゃんの番だ。


「頑張れ〜」


「が、がんばりましゅ!!」


「行きましゅ……【ボルフレア】!!」


【ボルフレア】

その火力は、【フレア】の進化系と言っても過言ではない。

正確には色々違うらしい。でも私でも使えるようになるとレイは言っていた。

ただ……


「だめでしゅ!? 全然残ったでしゅ……!!」


「うーん……そうですね……レイさんは少し自信を持った方が良いと思います。自信を持つと言うことは、強くなった自分を想像する……言うなれば、自信の想像力を鍛える特訓にもなりますからね。そこが課題でしょう。」


「は……はいでしゅ……」


「ミライさんですが、想像力が少し偏っているところがあるでしょうかね……言うなれば、炎が少し大きすぎます。日頃から見てきている強さがそれなのかもしれません。ですが、そのせいで本来100%当たるはずだった力が分散してしまいます。面での運用であれば強いかもしれませんが、これは個を想定した訓練ですからね。」


「なるほど……」


そうなのか……でも小さくて強いとかよくイメージできないんだよね……今までのクソゲーも大体範囲火力ゴリ押しが最強だったり敵がバカでかかったり……あとは災害系シミュレーションゲームはすごかった……


「まあここは、おいおい学んで行きましょう。今日の授業はここまで、また明日、ここに集まってくださいね。」


「はい!」


「はいでしゅ!!」


と言うわけで、解散……というわけでは終わらないのが私なのだ。


「レイちゃん、ちょっと冒険してみない?」


「冒険……でしゅか?」


「うん! 色々知りたいし! 行こう〜!」


「ま、待ってくださいでしゅ〜!!」


私はレイちゃんを連れて学校中を散策した。

生徒会室に群がる謎の群れ、部活動の活動など、様々なものを見て……


私たちは今、校舎の裏側のとあるスペースに居た。

やけに整頓され、簡易的に色々できるような空間だ。


「ねぇねぇ、ここで遊べそうじゃない?」


「たしかに遊べそうでしゅ……」


「ほら、これとか……「触るな……」」


突然背後から声が聞こえたと思えば、囁くような声で喋る。


!?!?!?


「ほひぇ!? ……ご……ごめんなさい!」


「でででででで、でしゅぅ……!?」


後ろを振り返ると、そこには、黒髪のぱっつん……いわゆるキノコヘアーが特徴なメカクレ系男が居た。


「誰だお前ら……」

たまに「なんでこいつらこんなことしてんの?」ってなることあるよね。もう私もこの作品で4回はした。

なんだこれはたまげたな……

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