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フロンティアグリーディア〜今日と今日から〜  作者: 無食子
憂越は鬱りて、尚陽炎を見ず
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第三限 魔導学府、その名はイデア

少し遅れた。許せサ◯ケ

私たちは、魔導学府イデアへと辿り着いた。

とりあえず宿屋でリスポーンポイントを更新し、編入手続に向かう。


「よし、まずは編入手続だな」


「うまく行けば飛び級もあり得るとか。まあ、頑張るよ〜」


「で……でしゅ!」


事前に調べた学府の情報的に、プレイヤーは14日間……正確には14回通うことで様々な飛び級を得れるらしい。

そんなのでいいのか?と思うだろうが、これはゲームなのでそこまで年単位には付けないのだろう。

頑張れば1年間通えるらしいが……14回行って飛び級もらった方がリスクリターンが大きいというか多分そうなので私はそっちへと行く。

問題は……


「レイちゃんも私と同じところに行けるか……って話だけど……」


「で……でしゅ……」


「安心しろ、その時は俺とレベリングするだけだ。」


と言うわけで、私たちは編入手続を行った。

割とスムーズに編入手続は進行し、私は晴れてこの魔導学府の生徒となった。

レイちゃんも私と同じところに行けた。

ただ……キョートについては……


「流石に無理だな」


「ですな」


「でしゅぅ……」


編入規定条件である「一定以上の魔法を使用できる者」を満たしていないため、無理だと言う結論に至った。


「うーん……受付さん……どうにかこの男を編入できませんかね?」


「えー……そうですね……少し編入は難しいですかね……」


「やっぱりですよね……」


無理そうか……ならキョートくんには諦めてもらって……


「ですが」


「ですが?」


「そちらにいらっしゃるレイ様の付き添いという形であれば同伴は可能となります。ただ、授業に出席することはできません。編入という形ではなくなりますが……」


「はっ! それでいいのか!?」


「いいんですか!?」


「えぇ、もちろん。魔導学府は全ての知恵求める者を歓迎いたします。」


「つまりキョートさんもいけるでしゅ……?」


「そうだよ〜、レイちゃんの付き添いって形でね」


「……! わーいでしゅ〜!」


なんだかんだありつつ全員編入することに成功した。


「早速授業前のレクリエーション? 的なのしてくるから! キョートはそこらへんぶらついてて〜」


「おう、ミライもレイも頑張れよ」


「がんばるでしゅ……!」


「んじゃ、行くよ〜」



と、言うわけで、俺は1人の時間を得たわけだが……


「これからどうするべきか……」


せっかく中に入れるんだから色々調べたいよなぁ……

図書館とかあるかなっと……お、あった。


「ここに行くか!」


俺は図書館まで歩いて行く。

魔導学府は街の半分近くを占めているせいか、かなり広大であり、一つの場所に行くにも莫大な時間がかかった。


「お、ここだここ……やっと着いたか……」


大きい扉だな……なんでこんな大きいんだ?

まあいいか……そんなことより調べ物調べ物っと……


重い音を鳴らして扉が開かれる。

中に入ろうとした時、前から何かが接近する。


「さて入る……くぁ!?」


「ほぇ? ほぁぁぁあ!!!」


瞬間、頭に何かがぶつかった。

それは人の頭だったようで、結構シャレにならないダメージを喰らった。


「いてて……ってお前は……!?」


「いたた……ごめんなさ……あ! キョートさん!?」


そこに居たのは、藍色のショートボブに水色の瞳をしたちょっと運的な面でイカれてる少女。

俺が前に出会った人、アグリがそこに居た。


「ん? どったのアグリ、また誰かとぶつかったの?」


「あ、はい……マロンさん……すみません」


「謝るならウチじゃなくてぶつかった人にでしょ」


「そうでした! すみませんキョートさん!」


「いやいや、こっちも前見てなかったからな……」


まあそれはそうなんだけど……まさか開けたら突っ込んでくるとは予想外だったぜ……


「てかアグリさん、パーティー組めたんだ。良かったね」


「あ、はい! おかげさまで組むことができました!」


「いや俺何もしてないけど……」


「いえいえ! 元気をくださいましたので!」


俺そんな大層なこと言ったかな……


「アグリ、知り合い?」


「あ、紹介します! こちら、前に助けていただいたキョートさんです! そして! こっちが私の今のパーティーメンバーの1人、マロンさんです!」


そう紹介された色白系ギャル的な彼女、マロンは口を開く。


「へぇ……キョートって言うんだ。よろ〜」


「よ、よろしく」


軽いなこの人……


「それで……アグリさん達はどうしてここに?」


「それが……」


「ウチらのクランメンバーの1人があるモンスターがここにいる可能性があることがわかったから、こっち来てくれって言われてね。アグリはその付き添い的な?」


クラン……?


「クランとかあんのか? このゲーム」


「あ、そっからなんだ。クランあるよ、このゲーム」


「まじか」


知らなかった……やべぇもっと色々見とくべきだな……めんどくさいから見ないけど……


「そのクランってのは誰でも作れるのか?」


「できるよ〜。ただまあ、最低メンバーは3人以上とかだったかな……」


「そうなのか」


「キョートさんはクランに興味あるんですか!?」


「いや、確かに興味はあるが別にしたいと言うわけではないしな……」


「そうですか……」


「ところで、そのとあるモンスターってのはどんなやつなんだ?」


「知りたい?」


「うん、すっごく」


「んじゃ条件提示するからそれ呑めたらね」


「なんだ?」


「少しの間、私たちのクランに協力すること」


「そんなのでいいのか? たかが無名だぞ俺は」


「まあ、人手が欲しいらしいから。それに、言うなら同じ船に乗ってもらわないとね」


俺は了承の旨を伝える。

そう言うと、マロンは口を開く。


「そのとあるモンスターってのは、ユニークモンスター、原初の十四罪が一体『青の吸血鬼』って奴さ」

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