第一限 新たな出会い、門出の時
今日は猫の日ですね。猫居ませんけど
「さて……調べるか……」
私、鏡花は、フログリの情報を探しに、ネットの海をかき分けていた。
今は、私がゲットしたアイテムについて調べている。
「ここにもなし……やっぱこういう掲示板には載ってないのかな……?」
情報を知ってたとしても広める必要があるかと言われたら……まあ答えはノーである。
人間、誰しも隠したい、占有したいという感情はあるわけだ。それを否定はしない。
だとしても、掲示板や攻略サイトを探しても見つからないとなれば、できることは一つである。
「地道な検証しかないかぁ……キッツイけど……上等じゃん?」
そう結論づけた私は、調べるものを変更する。
「ユニークモンスターについてはっと……お、結構ヒットした。」
「なになに……ユニークモンスターとは……」
ユニークモンスター
未だ倒した者は居ないとされるモンスター達。格的にはシンボルモンスターの上に位置していると言われる。
ユニークモンスターには、『原初の十四罪』というモンスター達がいるという。(あるNPC談)
「……なるほど」
つまりボス的存在ってこと? だとしたら倒せるように設計されているはず……
「よし……とりまこんなもんでいっか」
私は、フログリを起動した。
◇◇◇
「そうだなぁ、まずは武器を新調するか!」
鏡花が調べてる間、俺は自分の武器を新調する。
幸いにも、奴との戦闘でレベルも上がりスキルも増えた。ここらで新しい武器にしても悪くはない。
俺は、王都クランドを進む。
ふと、俺の視界の端で何かが映る。
「ん? 今何か……」
そこには、少し萎びた獣……? が座っていた。
服装はボロボロ、俯いており、何かから逃げたかのような感じであった。
「おい、大丈夫か?」
俺はそいつに話しかける。
「私なら大丈夫……でしゅ……」
全然大丈夫そうじゃねぇなこれは……
プレイヤーか? いや、だとしたら死ねばリスポーンに戻るし色々回復もする。少しの間デバフはあるが。
ってことはNPCか? ありえなくもない……か……?
「お腹空いてるのか?」
「い、いや、空いてない……ぐぅ〜〜〜」
「…………空いてんじゃねぇか」
「あ、その……あは……恥ずかしいでしゅ……」
俺は出店でりんご飴みたいなやつを買って、ボロボロのやつに渡す。
「ほらよ、他にも欲しいものがあれば言ってくれ。」
「あ……ありがとう……でしゅ……」
おぉ……意外とがっつくな……それだけ腹が減ってたってわけか……
「ありがとう……名前はなんて言うでしゅ……?」
「キョートだ。そっちは?」
「レイ……レイ・イラベスト……でしゅ……」
「レイだな。よろしくな」
……ついノリでよろしくなとか言ったけど良いのか?
「そうだ、行く当てがないなら、俺と一緒に行くか?」
「いい……のでしゅか……?」
「あー、うん。もちろんだ」
「……ありがとうでしゅ……」
俺は謎の獣を拾った。
「……って経緯で、仲間にしました。レイさんです。」
「よ……よろしくでしゅ……」
「うーん……まあいいわ……そんなことよりさ、キョート」
「はい」
「レイちゃんをこのままで冒険に行くってわけじゃないわよね?」
「え……まあそうだな……」
(言えねぇ……このままでも別にいっか! とか思ってたとか言えねぇ……!)
「てことで、レイちゃん。少しこっちに来て! キョートはここでステイ!」
「ひぇ!?」
「へーい……」
ミライがレイを振り回している間に、俺は次の目的地を考えていた。
「ミライの情報的に……次に行けるのは……魔導学府か……」
魔導学府
そこでは魔法を教育する専門学校機関が街の中枢にあり、大体の者が魔法学校出身。
プレイヤーも入学、卒業することが可能であり、魔法使いが入学すると、一気に魔法を獲得できるチャンスという。
「……まさかミライ……それ狙いじゃないだろうな……」
魔法に無縁な俺と違い、ミライは魔法使いである。
魔法特化ビルドな奴が、入学卒業をしたいと言うのは自明の理である。
「えー……俺ゲームでも学校行くのか……?」
とりあえず戻ってくるまで一旦ステイだな。
「あの学校は単位制学校らしいし、プレイヤー専用の短期コースもあるから、割と入る人も多いみたいよ?」
戻ってくるなり答えが返ってきた。
「てことはお前まさか……」
「そゆこと!」
「なぜ俺を付き合わせる!?」
「でも、魔法のことについて知ってたら、アドだと思うけどぉ?」
「うーんそれは否めん」
まあ、初見殺しではなくなるのはそうだ。
俺は数分考え、結論を出した。
「まあ……いいよ、行ってやるよ。」
「そう来なくっちゃ!」
「えっと……どこに行くんでしゅ……?」
「魔導学府ってところらしい。」
「魔導学府……でしゅ?」
レイは頭に「?」を浮かべた顔をしている。
「というか、すげぇ綺麗になったな。」
「ほひぇ!?」
「そうでしょ? やっぱ綺麗にしないとね!」
「服も着てるのか……レイ、お前メスだったのか」
「!?」
「え!? 知らないで助けてたの?」
「え? まあ、うん」
NPCの性別とかどっちでもいいしな……
「もう……はぁ……まあ良いや」
「なんだその反応は」
「とりま行くよ〜!」
「おい、ちょまてよ〜!」
「あ、待ってくださいでしゅ……!」
俺たちは魔導学府と呼ばれる場所に向かう為、出発した。
新たなキャラ、レイちゃんの登場です。
そして! 新たな章です! お楽しみに!