Messiah
前回までのあらすじ
父探しの旅へ出かけた2人。久しぶりの遠出にウキウキするミア。ヘロヘロになるアミ。2人は一旦岩陰で休むことに決めた。その頃、2人を探していたプランは悲鳴が聞こえた方へ向かっていた。
「きゃあああああっっっ!!こないでっ!こないでっ!」
ブランが彼女らの方へ向かっている頃、ミアは怪物に気付き、尻もちをついて後退りをしていた。
「とうとう現れたわね。ミア!そいつはモンスターよ!だけどここらのモンスターは弱いから、ミアの魔術でも十分やれるはずよ!」
ミアの悲鳴に跳ね起きたアミが冷静に指示を出した。幸いミアとアミは幼い頃に父母から魔術を教わっており、弱いながらも多少のモンスターを倒せる程度には威力はあった。
「アミ姉ちゃんっ!うぅ……うん、や、やってみるよ。」
ミアはアミの指示に従い、体制を整え、魔術を唱えた。
「…ビギナースキル!ファーストスラッシュ!おりゃぁぁぁぁっっ!!」
ミアの震えるような声と共に右手を振り下ろし、斬撃を発生させた。
「いい調子よ!ミア!成長したわね!」
アミはミアの成長具合に感心しながら、両手でガッツポーズをしていた。
「やった、やったんだよね!アミねえちゃんっ!」
ミアは満面の笑みでアミの方を向いた。しかし、アミからは笑顔が消えていた。
「ミア、後ろ…っ」
「えっ?ま、まさか…」
そのまさかであった。ミアは完全に油断していたのだ。
コロス…コロス…
「ミアっ!!危ない!!」
ミアが気づく頃には大きな怪物は重い右手を空に振り上げていた。
「ぁっっ、ぁぁぁぁ……」
ミアは口をぽっかりと開けてその場に硬直していた。しかし、アミは諦めていなかった。勢いよく飛び上がると、素早く魔術を唱えた。
「ノービススキル!セカンドスラッシュ!」
アミは先ほどのミアの魔術より一回り大きな斬撃を繰り出した。しかし、その怪物にはかすり傷ひとつつかなかった。
「なぜ効かない!もう一度…スラッシュ!」
何度も繰り出すも、やはり止めることはできなかった。
「くっ……もうだめね、ミアっ!ミアだけでも逃げて!」
「で、でも…アミねえちゃ…」
「早く!!」
アミは避けられまいと判断し、ミアを逃げさせようとした。
「…くすっ、くすっ……もうやだよ、もうやだよぉ……」
しかし、ミアは目を閉じてすすり泣くのみであった。
コロス…コロス…!!
「アミ姉ちゃん……アミ姉ちゃん……っ」
「逃げて!早く!!」
大きな怪物の右手が勢いよく振り下ろされ、2人がもうだめだと思ったその時だった。
たったったったっ…
「やめろぉっっ!!」
なんと何者かが走って飛び込んできたのであった。
誠に勝手ながら、投稿時間を1時40分から2時20分へ変更させていただきます。申し訳ございません。
今日の感想
なんとか本日の休みでストックを貯めました。本話は文字数少なめですが、明日からはいつも通りで行きたいと思います。