Dead
今度こそ絶対完結させます。
「…この病気は治る見込みがありません。」
医者の一言で僕の人生が全て変わってしまった。
人生はこれからだというのに――――
僕は中村洋一、30だ。
小説家としてデビューしてから低迷期はあったものの、近頃かなり本の売れ行きが良くなってきたのである。しかし、次の小説を書いている時であった。突然体に激痛が走って病院に運ばれてしまったのだ。そこで僕は医者から……医者から……
そんなこんなで今はベッドに寝たきりさ。
唯一の楽しみは、何日かごとに家族や元同級生がお見舞いに来てくれて、励ましの言葉と好物の菓子を差し入れてくれることかな。
もちろん小説なんて書けっこないから、今は休止してる。せめて、ベットで横になりながら続きを考えておこう。
(クレア村から父探しの旅へ、ミアとアミが行くんだよな。だけど外にいたモンスターにあっけなくやられて……)
「中村様。朝食の用意ができました。」
「……あっ。ありがとうございます。」
タイミング悪く、朝食が届いた。正直あんまり病院の食事、好きじゃないんだよな。
そうボソボソ呟きながら、黙々と朝食を食べていた。
「今日は誰も来ない日、だったよな。」
看護師から用意された朝食を済ませてから、少し想いに耽っていた。
「意外とさみしいもんだな。へへっ」
半分諦めたように僕はヘラヘラと笑っていた。笑うのも辛かったが、涙も出なかった。
しかし、彼も完全に諦めているわけではない。家族や友人が見舞いに来てくれるからというのはもちろんだが、とにかく早く小説を書き始めたいのだ。小説を書くのが大好きだというのもあるし、もしかしたらこの休止期間で読者が離れていってしまうかもしれないというのもある。どちらにしろ、こんなところでぐずぐずしている暇はない。
少しして、洋一が昼食を食べていた頃、突然
「あてっ……んっ?なんだこの紙クズ?[◯に悪◯◯勧◯◯断◯◯う◯言っ◯◯◯…………◯◯◯何◯◯ミ◯◯ア◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯!] …読めねぇや。捨てよ」
奇妙なことに、何もないところから紙クズが洋一の頭へ飛んできた。しかし、字が霞んでいて全く読めず、ゴミ箱へ捨ててしまった。
そして昼食から数時間後、その時は突然やってきた。
知らせを聞いた洋一の家族が病院に駆けつけてきたがもう遅かった。医師が重い口調でゆっくり
「中村洋一様は数時間前…突然声を出しながらもがき苦しみ出したのです。そして午後2時30分30秒ごろ……お亡くなりになられていました。」
と下を向いて話した。
洋一の家族はそれを聞く前から洋一の元へ駆けつけて、涙ながら必死に訴えている人もいれば、顔を隠してぶつぶつ呟いている人、無垢な少年に勘付かれないために説得する人もいた。
「洋一……!洋一……!!」
「………っ」
「おにい…っっ、おにいっっ!」
「とーちゃん!楽しいあそび考えたからいっしょにあそぼうよ!」
「……あのね、とーちゃんはね、今疲れているのよ。もう少し、もう少しだけね、寝かしてあげて…」
「えぇーっ… わかったよー。」
洋一は死んだ。
短編を書こうと思っていたのですが、案外書けそうだったのでこのままいきたいと思います。
そして私今カナダの方に居ましてですね、時差の関係で深夜に投稿してしまう可能性があります。ご了承下さい。
感想
異世界ものも僕の嗜好分野だったので書きやすいですね。難しくはありますが。一応半分くらいは大まかに構想がついています。