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プロローグ 私はここで想いを馳せる

初めての投稿になります。私個人の趣味が多分に含まれていますが、気に入っもらえれば幸いです。

ーーーー待っています。私はここで、あなたが戻って来ることをーーーー



プロローグ 私はここで想いを馳せる



「先生、先生。こんなところで寝ていたら風邪をひくよ。」


耳元で聞こえる誰かの声。どうやら私は寝てしまっていたようだ。


「ああ、すみませんジョン君。面倒をかけてしまいましたね。」


この子の名前はジョン・クローク。私が開いている孤児院で一緒に住んでいる子だ。


私、メアリー・オルスタは、孤児院を開いている。

そこに至る迄にはいろいろなことがあったが、それらは全て今となっては良い思い出だ。


「面倒とは思っていないけどさ。でも珍しいよな、いつもしっかりしている先生が居眠りをしているなんてさ。」


「私だって気が抜ける時はありますよ。この世界になんでもできる人なんていない。だからこそーー」


「世界は面白い、だろ?先生」


普段から、私が言っている言葉だからか続きを先に言われてしまった。しかし、その言葉は間違ってはいないので、苦笑しつつも答える。


「ええ、そうです。だからといって私が居眠りをしていい理由にはなりませんが。」


「別にいいんじゃないかな。そりゃ、居眠りは良くないと思うけどさ、それって先生が普段から、休んでないってことだろう?見た目が若くても歳が歳なんだからさ。偶には休んだ方がいいって。」


ジョンの言葉に私はムッと唸った。彼の言う通り、私は見た目は10代の後半の外見をしているが、実際には、もう、80年以上生きている。これは、私の身に起きた呪いと言っても良い現象だ。


ーー私には、老いという生物には必ず訪れる自然の摂理が訪れない。


もしかしたら、老いないことを喜ぶ者はいるかもしれないが、私にとっては呪い以外の何物でもなかった。周りとどんどん、かけ離れていく自分の時間。昔は何度も絶望し、命を断とうとした。だけど、それでも今もこうやって生きている。


ーー最後まで生きること。それがあの人と交わした大事な約束だからーー


「ジョン君。そういうデリカシーのない言葉は女性に使う物ではないですよ。そういうことを平気で言うから、マリーに怒られるのですよ。」


マリーは関係ないだろう、という彼の言葉を聞きながら、私はあの人のことを思い出す。


もう、随分と年月は経ったけれどそれでもあの人との思い出は色褪せることはなかった。


ーーそう、あの日のことは良く覚えている。全てに絶望していた私が変わる切欠になった日ーー


4月12日のことを


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